あまりかわりはしない
10年だろうと30年だろうと70年80年だろうと
違いはない
違うとすれば
埃っぽい空気に
熱せられ、照らされた昼下がり
日曜日に礼拝に行き
家に帰る道すがら
聖なるものを選び
地面を見つめる
善と悪が隣り合わせに
右足と左足
昼食を食べ
進化論を否定し
思想で遊ぶ
夕暮れの光と戯れるように
響いてくる黄昏
子供は子供であることを忘れ
今いる所すら忘れ
たしか10だったはずなのに
なにもかも忘れ
そのとき
80は不要かもしれない
醜い屍のようになって
輝くような回想のみが
唯一の夢だとしても
存在するものはすべて老い
朽ち果てる
10を数え
指を折り
また開いて
太陽にかざす
10でも80でも
変わりはしないのだとささやき
埃っぽい地面に堕ちる