午後2時から衆議院本会議において、安倍総理の所信表明演説が行われた。昨日、テロ特別措置法の成立を「職を賭して取り組む」「職責にしがみつくということはない」と自らの退陣を示唆してまで、アメリカ・ブッシュ政権に「不退転の決意」を述べた。ところが、つい先刻の演説では、参議院選挙で大きな民意の発揚があったことを認めながら、こう述べている。
(安倍総理いわく)「『ここまで激しい民意が示されたのだから、退陣すべき』という御意見のあることは十分承知しています。しかし、人口減少や地球規模の競争の激化、学校や家庭における教育力の低下、日本をとりまく安全保障の環境変化、こうした時代の大きな変化に直面している我が国が、豊かな国民生活と明るい未来を手にするためには、経済・行財政の構造改革はもとより、教育再生や安全保障体制の再構築を含め、戦後長きにわたり続いてきた諸制度を原点にさかのぼって大胆に見直す改革、すなわち戦後レジームの脱却が、どうしても必要です。『我が国の将来のため、子どもたちのためにこの改革を止めてはならない』私はこの一心で続投を決めました」
驚いたことに「米意」には従順に「職を賭して」取り組む安倍総理は、「戦後レジームの脱却=我が国の将来のため、子どもたちのために続投する」という結論
に至っている。この演説を時間があれば読み上げてみてほしい。「美しい日本語」とはほど遠い、オール羅列的の官僚悪文の典型であり、得意の「憲法改正」も出てこない「戦後レジームからの脱却」とは何をさすのかさっぱりわからない。そして、誰もが注目するのは遠藤農水大臣辞任への言及だ。
このたび、新しい国創りを再スタートさせるため、内閣改造を行いました。極めて遺憾なことですが、補助金の不正受給の問題で、閣僚の一人が辞任しました。今後こうしたことが二度と起きないよう内閣として、補助金などの厳正な執行に万全を期してまいります。(安倍総理『所信表明』より)
たったこれだけだ。そもそも「新しい国創り」などと安倍総理以外はもう誰も使っていない言葉を捨てられず、松岡大臣を自殺で失い、赤城大臣をボロボロにするまで擁護してきた責任はどこにあるのか。そして、遠藤農水大臣を「熟慮」の上で任命したのは誰なのか。その自らの責任を棚にあげて、「遺憾」で終わらせる総理が、また所信表明で教育をめぐる部分で「規範意識」を持ち出したことに、この内閣の斜陽を感じる。

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