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数々の不適切発言を繰り返してきた鳩山法務大臣だが、「志布志事件は冤罪とは呼ばない」という発言も記憶の片隅に残っているだろうか。私は、衆議院予算委員会で追及した。鳩山大臣の発言と「私の個人的な見解ではありますが、(富山の)氷見事件の方はこれは人違いですから冤罪ということでありましょう。志布志事件は『冤罪』と呼ぶべきではないと私は考えております」というものだった。『「冤罪じゃない」鳩山法務大臣発言に謝罪を迫る』(2月14日『どこどこ日記』)「志布志国賠訴訟原告団、鳩山大臣に抗議声明」(同日『どこどこ日記』)詳しくは、2月14日のブログにゆずるが、予算委員会で鳩山大臣を追及すると彼はこう謝罪した。

[衆議院予算委員会2月14日議事録]

(前略)

鳩山法務大臣 私も寝ないで一晩考えて、きょう午前中も考えまして、実は、やはり反省しなければならないなと思う点に思い当たりました。というのは、広辞苑を引きました。「ぬれぎぬ」と出てきます。このぬれぎぬというのは、まさに私が考えている人違いみたいなケースなんですが、やはり「無実の罪」と出てくるんですね。冤罪は無実の罪であると。この解釈も難しいけれども、「実の」を取ると「無罪」ということになりますね。

そういうふうなことを考えますと、私が頭の中で冤罪の分類をしてきた、しかし、志布志事件の被告の方にしてみれば、無罪になったときに、我々は冤罪だったんだ、冤罪が晴れたんだ、冤罪を晴らすことができたと皆さんがおっしゃったとして、私はそれを否定する何の根拠も持っていない。そういうことに思い当たったものでありますから、この全く意味の不確定な冤罪という言葉、委員会では、冤罪と思うかという質問もよくされることがあるものですから、どうしても使ってしまいましたが、今後、公式の場では冤罪という言葉は一切使うまい、そのように考えるようになりました。

 そして、昨日の発言について、志布志の被告であられた方々が不愉快な思いをされたとすれば、これはおわびをしなければならないと思っております。

○保坂委員 冤罪という言葉が悪いんじゃなくて、鳩山大臣がやはり悪いんですよ。人権ということをどこまで深く配慮しているのかという問題です。

[引用終わり]

このやりとりをしながら、志布志現地の被害者の人々と連絡を取って、「なるべく早く調査に入る」と約束していた。しかし、衆議院7人・参議院5人の小世帯ゆえに次から次にテーマを変えながら行われる国会論戦への対応で遅れ遅れになっていた。そこで、会期が終了して真っ先に社民党・志布志事件現地調査団(団長・近藤正道参議院議員)を編成することになり、いよいよ明日出かける。

視察に入るにあたって、あらためて記録を読み直してみたが、実におそろしい事件である。捜査の指揮者が「これはクロだ。しょっぴいてこい」と命令をすれば、
煙ひとつ立っていないたった7人の集落に191万円もの現金をばらまいたというでっち上げをしてみせるのが、この国の警察組織だった。また、警察がどんな無理筋でも事件を送ってきたら、矛盾や不自然な点には目をつむって「有罪」に持ち込もうとする検察もブレーキを踏む勇気がない。そして、濫用されてはならないはずの長期間の「身柄拘束」を追認してきた裁判所。三位一体となった「冤罪構造」は、この国にいったい何人の受刑者に「濡れ衣」を着せてきたのか。

刑事訴訟法の決める6カ月以内に死刑囚はガンガン処刑すればいいという暴論を吐く議員が与野党にもいるが、かれらは「免田事件、島田事件、財田川事件、松山事件」(何度もの再審請求で再審無罪が決定)の元確定死刑囚がさっさと処刑されてしまうべきだった、とでもいいと言うのだろうか。明日の志布志事件の視察・調査は秘密のベールに包まれた「密室捜査とでっち上げの恐怖」の構造を検証するいい機会である。

参考→『冤罪を追え 志布志事件との1000日』(朝日新聞鹿児島総局編・朝日新聞出版)


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