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この間、あたためていた「雇用保険改革・緊急提言」を福島みずほ党首、近藤正道参議院議員とともに厚生労働省大槻勝啓職業安定局次長に手渡した。この提言の中にはすぐにも実行出来るものも含まれており、反響は静かに拡がっている。厚生労働省に対しては、冬の訪れとともに製造業中心で雇止め=解雇され、住居を失なう労働者に対しての緊急対策と雇用促進住宅を使うことを含めて、強く働きかけていきたい。近く、名古屋を中心として職業安定所や雇用促進住宅の現状を調査することを計画している。

→「非正規労働者も雇用促進住宅に 社民が緊急雇用プラン」(朝日新聞)
<社民党の雇用保険改革・緊急プランの内容>

2008年11月26日(第1弾)

社民党の雇用保険改革・緊急プラン

社会民主党 緊急雇用・医療対策本部

 アメリカ発の金融危機は、国内の製造業中心に深刻な影響を見せ始めている。社民党は、11月21日~22日の両日にわたって「派遣・非正規ホットライン」を実施したが、とくに派遣労働者の雇い止めや、中途契約解除などが相次いでいることが、改めてわかった。すでに雇用保険制度をめぐり、何度かのヒアリングを重ねてきたことをふまえ、下記の提言を発表する。厚生労働大臣に提出するとともに、雇用情勢の悪化を座視出来ないことから、関係部局のすみやかな対応を求めるものである。

提言1 雇用保険への国庫負担を堅持し4分の1へ戻せ

 財務省及び政府内で雇用保険の積立金が5兆円に及ぶことから、来年度予算編成で国庫負担を「ゼロ」にするという声があがっていることに強い懸念を抱く。本来、雇用保険の失業給付の4分の1を国庫負担でまかなうのは、失業が政府の経済政策や雇用対策と深く関わっていて、政府がその責任を直接負うからである。しかも、2007年度改正で25%から13・75%に切り下げられて3400億円から1600億円に削減されている経過がある。国庫負担分は積立金にまわることなく、全額給付に充てられることから、「ゼロ」査定どころか本則の25%に戻すべきだ。雇用保険の積立金は、失業給付財源として大幅な支出が見込まれており、「霞が関の埋蔵金」扱いするのはおかしい。雇用対策のみならず、景気対策としても万全の備えが必要な時期に、国庫負担をゼロにするなど逆立ちした政策に他ならない。同様の理由から、保険料率の引き下げも行なうべきではない。

提言2 雇用保険の受給資格を6ヶ月に戻せ

 昨年10月から雇用保険の基本手当(失業給付)の受給資格が従来までの6ヶ月から、1年へと変更された。(2007年改正) そのために、「自己都合」扱いで退職して半年以上1年未満の失業者の数は、厚生労働省の推定で約12万人。このために給付されなかった金額は400億円~500億円と推定される。雇用の流動化がいちじるしく、失業者の増加が見込まれるために、6ヶ月に戻すべきである。雇用保険の積立金が増加したのも、こうした「払いしぶり」が一因だと考えられる。

提言3 雇用保険加入時の「派遣差別」を禁止せよ

製造業中心に大量の「派遣切り」が行なわれている。契約更新を拒否されたり、中途解約された派遣労働者の多くは雇用保険制度の枠外に置かれている。派遣労働者の雇用保険加入を阻んでいるのが、厚生労働省が派遣労働者に「1年以上の雇用の見込みがある者」という条件を付している局長通知である。厚生労働省は「過去に3ヶ月働いて、1ヶ月休み、6ヶ月働いて、2ヶ月休み、また3ヶ月働いて……と総計で1年間働いた実績があれば、『1年以上の雇用の見込みがある』と判定します」というのだが、この例だと1年3ヶ月は雇用保険に加入出来ない期間が続いていることになる。

そもそも、正社員として雇用される人は、入社をした日から事業所(会社)が即日、雇用保険加入の手続きを取る。「1年以上の雇用の見込み」など不問に付される。自動車や電機などの製造業で、真っ先に切られているのが派遣労働者で「失業」状態に陥るリスクが高いことから、そのセーフティネットは正社員同様か、あるいはより手厚くカバーすべきであり、
この局長通知は廃止すべきである。

提言4 雇い止めは「会社都合」と迅速に認めよ

高いハードルを超えて、雇用保険に加入することが出来た派遣労働者が、契約更新をしない(雇い止め)などの対象になった時、正社員であればすぐに「会社都合」として雇用保険の受給申請をすることが出来るが、派遣労働者は申請まで「1ヶ月」待機していなければならないという制度がある。この間、派遣会社からあっせんされた仕事を断ったら、「自己都合」に切り換えられ、さらに3ヶ月の待機期間が加わる。失業してから4ヶ月も「待機」しているのは困難なので、雇用保険の給付を受けるまでもなく、劣悪な条件でも就業することになる。雇用保険の制度上も正社員に比べて派遣労働者が不当に差別されていると言わなければならず、派遣労働者の雇い止めは「会社都合」として雇用保険の支給手続きに迅速に入るべきである。

提言5 日雇雇用保険を活用せよ

厚生労働省は、昨年10月から「日雇い派遣」の形態をとっている派遣労働者に「日雇雇用保険」の適用が可とした。だが、1年経過して派遣労働者で加入したのは全国でたった4人に過ぎない。白手帳(雇用保険日雇労働者手帳)を職業安定所に申請し交付を受けて、仕事を終えて派遣会社から手帳に就業を証明する印紙を貼ってもらう。2ヶ月で26枚の印紙が貼ってあれば、派遣会社が仕事をあっせん出来なかった時には、給付金(アブレ手当て)を受給することが出来るという制度だが、この給付金(アブレ手当て)を受給したのはわずか1人のみという惨状だ。
 高度経済成長期に日雇い建設労働者の雇用保険として制度化されたこの制度は、「日雇い派遣」の実態に即して運用を改善すべきである。印紙を備えていない派遣会社も多く、また印紙を貼り付けてもらうために、派遣先(仕事の現場)から派遣元(派遣会社)に行かなければならないというのが、現実的ではない。現状では、労働者が事務手続きをしなくてはならないが、派遣会社が事務手続きを行なうように変更し、就業確認も派遣先からのメール等で簡素化すべきである。

提言6 雇用促進住宅は売却から活用に転換せよ

 石炭から石油へのエネルギー転換が行なわれた1960年代に、大量の炭鉱労働者が関西・東海・関東などの都市部に移動した。雇用促進住宅は、離職を余儀なくされた労働者の移転と再就職を支援するための住居を保証するという政策からつくられ、近年まで建設が進められてきた。その後、職業安定のためにハローワークでも入居あっせんを行うようになり、全国で約1500住宅(3838棟)まで建設されたが、小泉内閣で全戸売却の閣議決定を行なった。ネットカフェや、個室ビデオ店で寝起きする非正規雇用の人々が注目を集め、さらには路上宿泊に追いつめられていく労働者が増えている。ここは、雇用保険財源で1兆円以上かけてつくられた雇用促進住宅を、売却方針から転換し文字通り「雇用促進」のための住宅として利活用すべきである。現在、入居可能な住宅はもちろんのこと、約半数の入居不可としているところも、緊急入居を可能とするべきである。

提言7 労災保険の「精神疾患」の適用を拡大せよ
 労災保険の積立金は8兆円に及ぶ。厚生労働省は、将来の「労災年金支給」の原資として積み立てていると弁明するが、雇用のセーフティネットとしてより柔軟に活用すべきである。とりわけ、今日の労働現場で深刻になっている精神疾患に幅広く適用出来るよう改善を求める。とりわけ症例の多い「うつ」などの訴えに対して、昨年度に952件の請求があり、268件しか支給決定がなされていないことに注目する。10年前の108件より増えたとは言え、「職場のストレス」「過密労働・過労による精神疾患」などが広範に認められていれば、多くの労働者に適用が可能となるはずだ。早急に対応出来るように制度変更を求めたい。

[以上、提言終わり]

















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