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参議院選挙日程が近づいてきた。インターネット選挙先送りのために大変に不自由な思いを強いられるが、今日は「保坂のぶと・政策についての20のQ&A」をアップすることにする。どうか、じっくりとお読みいただきい。


これを聞きたかった!保坂のぶとさんに20の質問

沖縄・普天間など連立の大きな課題や、子どもと教育、若者としごと、憲法、いのち、高齢化と社会保障など、シャープな認識になるほど!
子ども、教育から憲法と平和、若者、表現規制、死刑廃止、八ッ場ダム、沖縄問題…
聞きたいテーマが次々と出るインタビューにていねいに、深く答える保坂のぶとさん。突っ込んだ話をもっと知りたい方は、ぜひ保坂さんのブログをお読みください。

1、政治への道

―保坂さんといえば、市民運動や教育の世界ではよく知られた存在でしたが、どういうきっかけで国会議員に転身されたんでしょう?

 小さいときから政治志向はありましたが、中学時代、内申書に「政治活動をおこなった」と書かれ、高校入試は全部不合格になってしまいました。そういった経験から、20代以降、子ども雑誌に教育関係の記事を書く仕事を始めました。そして、そこそこ反響を呼ぶ本を出せるようになり、活動を広げていきました。

 そんなとき、社会党に土井たか子委員長が誕生した。僕は、それでなにかが変わるという感触があったので、約10年、土井さんを応援してきました。その後、土井さんが社民党党首を要請されたとき、それを引き受けるにあたって、市民運動などで活躍する党外の人間たちの立候補を条件として求めたんですね。それで出馬し、政治の世界に入りました。1996年のことです。

2、ジャーナリスト

――ジャーナリストとしての経験は、議員活動に活きていますか?

 とても役に立っています。政治的な事件を追及したり、国会で討論するとき、たくさんの情報を整理して問題の核心を突く視点をつくります。そして、わかりやすく解説する。たとえば、「かんぽの宿」なら、「擬装入札」、共謀罪なら「目配せでも罪に問われる危険がある」と打ち出す。

 私が書いていた雑誌は小学校5年生以上の子に向けたものでしたから、焦点をしぼり、誰にでも簡単に分かるよう一言で集約する力が自然と身についていました。そうすることで、世の中全体の風向きを変えることができました。

3、偏差値教育

――子どもたちの「しあわせ感」の低さが言われていますが、根本にはどういう問題があるのでしょうか?

 いまの学校で、子どもたちを評価する基準は偏差値で、その採点方法は減点式。つまり、1番いいのは100点で、それより上はない。けれど、100点というのは、「間違えなかった」というだけのこと。間違えなかったことについてほめる。逆にいえば、間違えれば叱責を受け、自己卑下する。その繰り返しです。

 私は、これは間違っていると思います。いま、子どもたちの自己評価や「しあわせ感」が低いのは、そこに問題があるのではないでしょうか。そして、この減点式の点数評価は、大人社会でも続いていると思います。だから、間違えたことに対して過剰に自分を責める。3万人もの自殺者が出ている背景にはそういったことがあると感じています。

 私は、減点式評価を廃止すべきだと思っています。

4、いじめ

――学校現場の「いじめ」を解決するにはどうすればいいのでしょうか?

 長期にいじめを受けると、極端に自己評価が低くなります。自信を喪失し、自分自身を攻撃するようになる。自分いじめですね。ときに、自殺願望が募り、自傷行為をするようになる。そういう子どもがきわめて多い。その状態から脱するのは容易ではない。だから、その前になんとかしなければいけないんです。

 よく「いじめ撲滅」という言葉を行政が使いますが、それは完全に間違っています。いじめとは、人間関係がねじれ、しこりとなって顕在化する現象です。これを力づくでつぶそうとしても、飛び散って拡散するだけです。

 人間関係のもつれは、楽しく明るいお祭り空間で、興奮・感動し、カタルシスを得ることによって、溶けていくものです。大きな声を出して、泣いて笑って、はしゃぐことで、子どもたちは別の関係をつくりあげ、充実感の中で「いじめ行為」を客観的に捉えるようになる。かつてはそういう空間が日常的にありましたがいまはなくなった。だから、学校のカリキュラムの中にドラマ(表現)の時間を人工的につくるのです。それがとりあえずの対処療法になるのかな、と思ってます。

5、チャイルドライン

――「いじめ」対策として、保坂さんは以前から「チャイルドライン」の普及に尽力してこられましたね。

 子どもを対象にした電話の相談窓口である「チャイルドライン」は、いまや多くの人が知るようになりました。この発祥の地は、イギリスです。

 イギリスでも、80年代に学校で日本と同様にいじめが問題化していた。いじめがこわくて学校に行けない、そして、卒業しても社会に出られず引きこもる――そうやって苦しむ青少年が多かった。これに対し、テレビ局が子どものための相談電話を開設して呼びかけたら、いっぱいかかってきた。こうして「チャイルドライン」が生まれました。90年代、国が10億円の予算をつけ、イギリスの子どもたちの99・9%が電話番号を知る組織に成長していった。

 80年代当時、留守番電話を使ったホットラインを開設していた私は、この事例を知り訪英、日本に紹介しました。そして、日本にもチャイルドラインがつくられて、10年かけてやっと、目を出してきたというのが現状です。いま、41都道府県に広がっています。

6、格差と貧困

――非正規雇用が蔓延し、多くの若者が貧困に苦しんでいます。これをどうしたらいいでしょうか?

 これは大変深刻な問題で、もちろんダンピングされた労働条件を見直し、一方で、生き方や生活を支え合う「生き方協同組合」のようなものをつくっていくことがカギになるのではないかとも思っています。

 その意味で私が注目しているのがワーカーズ・コレクティブ。働く者同士が共同で出資して、みんなが事業主として育児や介護などの社会福祉施設をつくったりすることです。こういった活動を制度や政策によって後押しするような社会にしていきたい。そして、オルタナティブでもメシを食える環境ができることで、いわゆる製造業から、医療や介護、あるいは林業や農業といったいのちとみどりに関わる仕事に雇用がシフトしていければいいと思います。

7、雇用保険

――仕事のない人にとって、保障制度は重要です。しかし、雇用保険の対象は、限定されています。

 そうですね。日本では、会社に入って一定期間働かないと、「失業」にカウントされない。だから、新卒で仕事がない場合、雇用保険の対象にならないのです。その結果、非正規で無保険の状態が続く。そんな悪循環に陥る若者がたくさんいます。

 雇用保険の領域の中で仕事に就けない若者たちを支えるセーフティーネットが必要だと思います。イギリスでは、失業している若者を雇って、仕事をトレーニングしながら覚えてもらい、その間、企業が半額の賃金を払い、残を雇用保険から出すという制度があり、このシステムに数万社が登録している。企業には1人分で2人雇えるし、労働者からすれば、100%の賃金が得られ、スキルアップも可能。こういう形での雇用保険制度の工夫がもっとできないのかと考えています。

8、年金改革

――高齢化が進む中、年金制度に多くの人たちが関心を寄せていますが……。

 年金は必要不可欠なもの。けれど、国民年金と共済・厚生年金ではかなり差がある。私は、人間らしい生活ができる権利を保障するために、7、8万円の最低保証年金が必要だ、と言ってきました。

 では、その財源をどうするのか?民主党の一部や、自民党は、消費税を福祉目的財源にすると言いますが、それでは、将来、雪だるま式に消費税率が上がる心配がある。結論からいえば、私は儲けた人や企業にはそれなりの税金をしっかり払ってもらう、つまり、累進性の高福祉高負担のシステムがいいと考えます。税金は高いが、貯金は必要ないという社会です。

 その上で、7~8万円をどうやってつくるかを議論する。これは年金統合の問題も絡み、とても難しい話です。誰もがもらえるなら「払う方が損」という声も出るでしょう。しかし、それらをクリアしないと、無収入の高齢者が出て、生きていけなくなる。自殺者も増えるでしょう。

 政権交代後、この議論は棚上げにされてきました。しかし、誰かが火中の栗を拾うつもりで、やらねばならない。

 それから、現在、国には厚生保険と国民年金の「年金積立金」というものがあります。これが、平成13年度に147兆円あるといわれていました。ところが、自民党政権時代、株式市場での運用で、130兆円にまで減った。国民の老後を保障する大金が飛んでしまったわけです。こんなことが許されるわけがない。

 政治家は、国民がきちんとチェックできるよう、その資金運用のあり方を透明化する必要があります。そして、どういう運用の仕方がよいか、あらためて議論すべきでしょう。

9、コミュニティ

――共同体再興の必要性がいわれています。どういう地域再生論をお考えですか?

 コミュニティの再生が求められているのは確かですが、それは昔の隣組的なものではありません。だからといって、インターネットのつなかがりだけでは耐えがたい。

 私は、都市部であれば、自転車で往来できる範囲で付き合えるコミュニティがよいと感じています。そこに、ネットワーク型の情報伝達の神経網が走り、イベントも行われれば、公共の施設や、民間の財団、NPOもあり、さまざまな形のワンストップサービスが利用できる。

 そしてそのコミュニティに、世俗の難題や悩みごとを解決するような相互扶助機能を持たせる。具体的には、家庭や仕事でストレスを抱えた人たちが駆け込める避難所というか、自殺防止センターのような場をつくれればいいと思います。

10、憲法

――近年、憲法改定論議がさかんにおこなわれていますが、保坂さんはやはり変える必要はないとお考えですね?

 この間の憲法論議の中で痛感したことが2つあります。
 ひとつは、戦争を知らない世代が増えたけれども、憲法9条によって戦争をしないという国のかたちに安心感を抱く人が増えているということです。実際、9条改憲という動きが露骨になってから、世論調査は「変えるべきではない」という意見が改憲支持を上まわるようになった。

 もうひとつは、憲法が60年かけて、国民の血液になったということです。たとえば、愛国心を盛り込んだ新教育基本法を正当化させるために、自民党政権が税金を使ってタウンミーティングを開催し、参加者にやらせの改正支持意見を言わせたことがありましたが、これに国民の多くが憤然となった。こういう怒りは国民主権の感覚がなければ出てこない。憲法の精神が浸透していると感じました。

 当面憲法を原則変えない憲法を実現するという立場でいくつもりです。

11、死刑/裁判員制度

――「死刑廃止」を訴えてきた保坂さんは、司法制度や裁判員制度にも多くの意見をお持ちだと思います。

 死刑は国際人権の潮流にも反する制度です。日本では死刑支持が多数ですが、これは報道や世論に動かされている現象で、私は必ず廃止に向かうという信念があります。

 もちろん犯罪による被害者遺族が極刑を望む気持ちは分かります。ですが、この議論はそろそろ次の段階に入るべきだと思います。私はまず、犯罪被害者への補償制度をきちんと構築すべきだと思います。

 さて、裁判員制度が始まって1年。現在まで検察が死刑求刑に慎重になっているため例はありませんが、いずれ裁判員の多数決によって死刑判決が出されるでしょう。

 多数決で死刑を決めるというのは、世界的に見てもきわめて特異な制度です。私は、少なくとも死刑判決を決める場合は「全会一致」を条件にするか、一致しないときは終身刑を創設して罪一等減じるべきと考えます。本来なら、「死刑対象事件」を取りのぞくという議論もあってしかるべきです。さらにいえば、裁判員制度、本当に民主的な制度か、あらためて検討する必要があると思います。

12、表現規制

――保坂さんは「児童ポルノ単純所持規制」に反対していることでよく知られています。なぜ反対なのでしょう?

 私はこれまで、子どもの人権を守るために積極的に活動してきました。当然「児童ポルノ」の被写体として人権侵害されている子どもたちを放置できないという立場です。

 その私が「児童ポルノ規制反対」というので、首をかしげる人もいる。でも、昨今の規制論は、児童ポルノとはなにかという議論もせず、主観的で、あいまいな要件で規制の網をかけようとしているのが明らかですね。つまり、「子どもの人権を守る」という目的で、周辺の怪しいものは全部捨てようというものです。これは大変こわいことです。

 東京都青少年条例では、児童ポルノ規制の対象として、漫画やアニメなど、実体を持っていない「非実在青少年」の性的描写物まで規制しようとしていた。しかもその目的が「社会風潮の打破」だという。ひどい話です。これに対し、漫画家たちが記者会見して、条例を止めたのは、この問題が表現の自由に関わる脅威だということを端的に表していたと思いますね。

 よく、「『児童ポルノ』を論じるとき、『表現の自由』や『内心の自由』を持ち出すのは筋違いだ」という意見があります。しかし、戦争中、思想や言論の弾圧を合法化した治安維持法で、まず、取り締まられたのはエログロナンセンスでした。そのことを忘れてはなりません。

13、右傾化

――学校では「日の丸・君が代」が強制され、ネットでは「愛国心」をあおる言説が多々見られます。これをどう思いますか?

 私は、教育現場は右傾化しているのではなく、事なかれ主義化していると見ています。石原都政に代表されるように、教育現場からお祭り的なものが排除され、教師が特別なことをしたら、偏向教師として処分されるおそれが出てきた。だから、教師の間に、なにもしない方がいいという空気ができてしまった。

 この結果、知るべき歴史が教えられていない事態が起きている。いま、朝鮮半島の植民地化どころか、アメリカと戦争をしたことさえ明確に知らない若者が急増しています。

 そのまっさらな頭に、逆立ちで描かれたウソの歴史が刷り込まれ、偏狭なナショナリズムに陥る。これは非常に危惧すべきことです。

14、普天間基地問題

――現在、政治が直面している大きな課題についてお聞きします。まず、普天間基地問題ですが……。

 普天間基地の移設について、自民党議員などは「県外移設はダメ。徳之島なんてもってのほか」と言います。ところが「じゃあ、沖縄だったらいいんですか?」と聞くと黙ってしまう。どこだって基地をもってこられるのはイヤに決まっています。それなのに沖縄には現在も米軍基地の75%がある。つまり、この問題をつきつめれば、沖縄差別にぶち当たる。

 基地を沖縄に置く理由なんてない。だって、米海兵隊はしょっちゅう海外に行って留守しているのですから。つまり、現実には抑止力になっていない。よって、グアムや米本土にいても、同じなんです。

 それでも、朝鮮半島で危険な動きがあるから米軍基地は必要だと言う人もいるでしょう。しかし、少なくとも6ヵ国協議の枠組みの中で、核の脅威を取りのぞき、戦争ができないようなアジアの地域共同体をつくれば、日米安保のあり方も変わるはずです。

 そして、最終的に、沖縄の基地をすべてなくす。そういうビジョンを掲げないのは政治家の怠慢です。

15、公共事業

――「コンクリートから人へ」を掲げる連立政権にとって公共事業政策も課題です。

 確かに公共事業を大幅削減しましたが、そのやり方が雑ですね。たとえば、八ッ場ダムはダム本体の工事は中止したけれど、それに付随する工事はまだやっていて52億円の橋を架けようとしている。バカバカしい話です。

 扉を開けたものの、中につまった古い世界の異臭にたじろいで、ドアから離れてしまったのではないでしょうか。放っておくと、扉はまた閉じて、旧来の利権型の公共事業が息を吹き返し、人がコンクリートに固められてしまう世界が復活しかねない。

 八ッ場ダムについて、前原大臣がやるべきだったのは、工事見直しの決定と同時に、住民の生活を保障をする法律をつくり、役所に信頼できるチームを設けることでした。そして、これはまだ遅くない。

 また、不要な公共事業を止めると同時に、命や緑に資する公共投資への転換も必要です。たとえば、老朽化した水道管やガス管の交換。これらに破損が生じれば、大変なことになるが、地方には金がない。しかし、高速道路建設などをやめ、そのお金を回せば、充分可能です。修繕型・修復型の公共投資にアクセルを踏もうじゃないかというのが私の提案です。

16、郵政民営化

――前政権から引きずっている「郵政民営化」については、この1年、さまざまな問題が噴出していますね。

 郵便局グループが持っていた土地建物の総額は2兆7000億円。これらは民営化によって、日本郵政に引き継がれた。しかし、日本郵政の幹部にはそれだけの公的な国民共有財産を継承したという自覚がなかった。そのため、「かんぽの宿」が一山いくらで特定企業に安く転売される事態が起きたんです。

 結局、郵政民営化は、「郵政事業の将来のため」というのはお題目で、そこに関わった民間企業が利益を分け合うところに真の立脚点があったのではないか、ということです。相当にインチキな「改革」だったわけです。

 そして、いま、民営化のハイライトとして東京、大阪、名古屋の中央郵便局の建て替え計画が進められています。費用は全部で3000億円。ところが、その金がどこから捻出されているのか判然としない。しかも、実務や計画を担当していた不動産会社などからの出向員たちは、すでにもとの会社に戻っている。あまりに無責任すぎる話です。

 このままでは、将来、肝心の郵政事業に支障が出て、郵便が届かなくなることになりかねない。情報開示をさせ、その上で、採算のとれない可能性のある大型開発は是正すべだと考えます。

17、脱・原子力発電

――連立政権で意見が分かれているものとして、原発の是非があります。

 現在の政権が掲げたエネルギー問題に対する長期ビジョンを、ビジネス環境にもっとも活かしたのは原発業界でしょうね。「温室効果ガスの大幅削減」というお題目のもと、民主党は急に原発増設を推進しはじめ、どんどんこれを輸出しようしている。

 しかし、核燃サイクルは、危険性が高く、実験を試みていた国々はすでに撤退しています。六ヶ所村につくられた核燃料再処理施設は2兆円。技術自体が非常に未熟で実用に適さず、かつ危険な施設に莫大な費用をかけている。

 原発に未来がないことははっきりしています。必ずどこかで引き返さねばならない。ですから、社民党は「原発は危険であり不要」と訴え、自然エネルギー産業へ強くアクセルを踏む気運をつくりだすリーダーシップをとっていくべきだと思います。

18、政治と金/民主党VS検察

――今年に入って、「政治とカネ」の問題で、民主党の支持率が下がっています。この一連の騒動をどう見るべきなのでしょうか?

 「コンクリートから人へ」と言いながら、地元のダム建設をめぐってゼネコンから民主党の小沢さんに、多額の献金があり、潤たくな資金源となっていたそれを右から左に動かして、不動産を購入していたというのは、まったくブラックジョークみたいな話ですよね。

 しかし、問題とすべきは、それを巧みに利用し、「ゼネコンからの裏金」を無理やり立証しようした検察の乱暴なやり方です。検察は、「リーク」の乱発で世論を誘導し、政治資金規正法違反の大事件に仕立てようとした。けれど、結局、「裏金」といわれるものと小沢さんの関係を立証する証拠は出てこなかった。

 長年、自民党議員は露骨に企業・業界献金をもらい、業界の意向を受けて法改正に走り回ってきたが、一度も立件されていない。検察が新政権打倒の意識を持って、政治的に動いたのは危険です。

19、メディア報道

――民主党と検察の対立では、メディアの姿勢も問題になりましたね。

 あのとき、マスコミは自ら調査せず、検察リークを垂れ流した。独自に問題を追及する姿勢を失っていました。だいたいマスコミが公共事業がらみで報道するのは、金と結びついた「旧来型政治家」への批判がほとんどです。利権の構図にばかり目を向け、政治不信をあおっています。

 けれど、一方で、土日を使って公共事業をチェックするために、全国を走り回っている議員もいるわけです。こういった活動を肯定的に報道する姿勢があっていい。幸い、いま、記者クラブ制度の見直しなどで、新しい報道の形ができつつあります。さらにそれを前に進めていくべきだと思います。

20、求められる政治家

――自らの政策を持たない世襲議員が跋扈する中で、今後、どういった政治家が求められるとお考えですか?

 たとえば、「かんぽの宿」の売却問題を突き止めたとき、国会議員はそれぞれの得意分野で調査をしました。不動産業出身の議員は、土地建物の鑑定価格を調べた。それらの調査報告によって、世間に大きな反応が起きました。国会議員が単なる代表ではなく、リサーチャーになって状況を説明するという政治ができつつあります。

 そういう専門家的な議員が国政に必要だと思います。歴史の専門家がいれば、歴史認識の問題に深く切り込めますし、化学物質汚染の専門家が環境破壊に警鐘を打ち鳴らせばも説得力が出る。

 ところが、いまの小選挙区選挙制度の中ではそういった人たちが入りにくい。だから、結局、高学歴・留学歴あり、松下政経塾出身、官僚出身、2世3世――といった人たちばかりが出てくる。その意味で、新しいタイプの政治家を排出できる可能性を持つ比例区は今後、注目されてくるかもしれません。

[以上]

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