昨夜は「徹夜国会」を予想したが、予算案をめぐる与野党対決はあまり激しいものとはならず、夜のうちに衆議院本会議で平成20年予算案とガソリン税などの暫定税率維持を含んだ予算関連法案も与党の「数の力」で強行可決した。ただ、私の経験した予算攻防の中でも、あまり緊迫したものとは言えない。与党は、ここで衆議院を強行突破したが、与野党逆転している参議院の構成を考えると「展望なき突進」のように思えてならない。ちょうどイージス艦あたごの自動操舵のように、「舵取り・責任者不在」でただ直進するような「巨大与党丸」の最後も近いという空気を感じている。
福田内閣の方も、失速している。イージス艦あたごの漁船衝突事故をめぐって、石破大臣の対応は著しくバランスを欠いて「破れかぶれ」にも見える。私は2月28日どこどこ日記に書いたが、午前4時過ぎの衝突事故から4時間半経った8時30分に、海上自衛隊横須賀基地から艦隊司令部幕僚長ら4人を乗せたヘリコプターがあたに到着している。特筆しておきたいのは、彼らは海上自衛隊の上級司令部を代表して、その後夕刻に横須賀にあたごが帰港するまでに9時間も滞在しているのだ。社民党のヒアリングで、海上保安庁・防衛省双方から確認した。
[海自幹部も無断聴取、当日朝、ヘリで乗艦] 朝日新聞
海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突事故で、護衛艦隊幕僚長がヘリコプターであたごに乗艦し、乗組員から事情聴取したことについても、防衛省が海上保安庁に事前連絡していなかったことがわかった。同省は、乗組員からの電話での無断聴取を認めているほか、ヘリで航海長を聴取のために運ぶことも海保側に事前に伝わっていなかった疑いが浮上。さらに、艦内での聴取が無断だったことが新たに明らかになったことに、海保側は不快感を示している。また、大臣室での航海長の聴取が、石破防衛相の指示だったことも明らかになった。
[引用終わり]
昨日の衆議院予算委員会で辻元清美さんが、その点を追及すると石破大臣は、「状況を把握する。非常に混乱しているので上級司令部のしかるべき者が乗船に指揮を補佐するため」と述べて、その人数は「4人」と認めた。海上自衛隊幹部が乗り込んだ時間は、まさに救助捜索活動のさなかだったが、彼らの仕事は「事態の掌握」だったと思われる。なぜなら、午後4時台にあたごの船内から文書での報告を市ヶ谷の防衛省までファックスで送っているからだ。
昨日の予算委員会で石破防衛大臣は、「この情報を知ったのは昨日か一昨日」と言っておきながら、「私の記憶では防衛艦隊の幕僚長が乗り込んだとすでに申し上げてきた」と答弁も右往左往。海上自衛隊は、真っ先に上級幹部をあたごの船内に乗船させて「状況の把握」をさせて防衛省本省に呼び出された航海長の事情聴取と平行しながら「防衛省の統一見解」をまとめあげていたと見るのが自然ではないか。
重要なやりとりが衆議院TVで見れる。今日の新聞はあまり伝えていないが、今回は石破大臣自身が指揮をして、事実を歪曲した「防衛省の統一見解」を決定していたのではないかという疑いが強くなってきた。これだけ、事実経過の説明が二転三転するのは、さらに秘匿している事実があるものと推測するのが普通だろう。

|
|