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現在、衆議院法務委員会で改正入管法の審議が行われている。この法案は、外国人に対して自治体が発行してきた外国人登録証を廃止して、新たに発行する「在留カード」と住基ネットをつなごうというものだ。また、歴史的経緯から日本に在住する特別永住者に対しても特別在住者証明書を発行し、「常時携帯義務」を継続するというもの。また、悪評高い「外国人研修生・実習生制度」を「技能実習」という形態に一元化する点や、「就学」「留学」の在留資格を「留学」に一元化するなど外国人にとって大幅な法体系が変わる。にもかかわらず、与党はなんと15日(金)の採決を提案してきている。とてもじゃないが、すぐに採決できるような内容ではない。以下、私の入管法審議の仮議事録を掲載しておく。この議事録は保坂展人事務所の責任で掲載するもので、正式な議事録は後に衆議院ホームページに掲載されるということをお断りしておく。

[5月8日 衆議院法務委員会]

○保坂委員 社民党の保坂展人です。

 きょうは、入管法の改正という審議なんですが、前回入管法の大幅な改正は、生体認証、バイオメトリクス、こういった内容でした。実は、この法務委員会でこの法案が上がった後、連休前でしたが、私は自宅でインターネットを見て、法務省のサイトマップを見たら、何と、法案が上がった翌日に、いわばどんなシステムを導入するのかというのが二千ページ以上全部出ているんですね。あれ、法案が上がったばかりなのになと思いつつ、そこから調べ始めたんですが、どうも最近の法改正というのは、こういった我々の法文があるのではなくて、いわば大型の情報システムを設計なさるベンダーというか、コンピューター、情報処理のそういう企業がいわば技術的な可能性を相当程度出した上で、そこに法案をのっけていく、こういう構図になっているなということを認識しました。今回も実はそうなのではないかというふうに思います。

 その視点から質問をしていきたいんですが、まず入管局長にお尋ねしますが、法務省入管局のいわゆるレガシーシステム、旧型の閉鎖系の、なかなかふぐあいの多いこのシステム、これまでどのぐらいの費用を投下してきたのか。累積ですね、どのぐらいお金をかけてきたんだという話。それから、これを変えましょう、刷新可能性調査そして最適化計画、今やっていますね、これに幾らかけたのか。そして、実は、きょう審議しているのは外国人ですが、日本人も含めて、これは総取っかえするという計画ですね、幾らぐらい見込んでいるのか。答弁していただけますか。

○西川政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、当局においては、出入国管理に係る電算システムの運用を開始した当初、特定のベンダーがハードウエアとソフトウエアを一体的に開発した、いわゆるホストコンピューター、これを中心にシステムを構築した経緯があります。これについては、同一のベンダーでなければその後のメンテナンスやシステム改修を満足に行うことができず、結果としてほかのベンダーの参入が困難な状況、これが問題点としてつくり出されたということでございます。

 このようなシステムは一般的にレガシーシステムと言われていますが、この今までにかかった経費は、すべて合算いたしまして、昭和五十九年から平成二十年度までトータルとして約八百二十一億円ということになります。これは、運用等すべて含めた金額でございます。

 次に、平成十六年度に当該システムの刷新可能性調査を実施した結果、刷新可能性があるとの調査結果を受け、これに基づき最適化計画を策定した経緯があります。当該刷新可能性調査については、平成十六年度の契約金額が約五千九百万円であります。これに基づく最適化計画策定業務委託について、平成十七年度に約九千五百万円の契約を締結しているということでございます。

 今後の見通しということになりますが、システムの最適化計画を策定して、このレガシーシステムと言われている現世代システムを同等の機能を持ったオープン系システムに刷新する、こういう計画になっておりますが、この経費の削減効果ということでございますけれども、年間約三十六億円のランニングコストの削減を目指しておりますが、これは同一のシステムという場合でございます。当局としては、今後法改正に伴う機能追加についても、オープン仕様を徹底することによって現行システムの運用経費を上回ることがないようにしたいというふうに考えております。

○保坂委員 ちょっと聞いたら、入管局の予算の半分がこの費用だというんですね。半分ですよ。八百億円使ってきた。これからまた、今、どれだけ減るかという話をされましたけれども、古本委員が聞いていましたけれども、やはり八億円ということはないんじゃないかと私は思いますよ。やはり相当程度のお金が必要になってくる。

 私、ここで問題点は、こういったベンダーの方々、いわばこれは日立から、日立以外のところも参入できるようにするんでしょうけれども、どんなことができますかというと、あらゆることができるような提案をしてくるわけですよ。とすると、本当に必要なものだけをやるという抑制的な行政じゃなくなるというおそれがあって、一つ伺いたいのは、この最適化計画を見ると、富士ソフトという企業に、いわゆる位置情報サービス、LBSというんですか、移動する人や車等をGPSで追うサービス、これを法務省が発注して、昨年の七月から何か運用しておるというふうに見つけました。

 さらに調べると、法務省の説明では、これはモバイル端末を入管職員が持って、これに、例えば過去手入れのあった摘発箇所であるとか、あるいは注意する対象の箇所などを画面上にマップに示すんだ、こういうふうに説明を受けているんですが、実は、LBSというのはどんどん日進月歩の技術でありまして、それで、法務省の入国警備官が使うにしても、手のひらに乗せて、ノートパソコンで見れるものは手のひらで見れるわけですから、こういうふうにして使っているのかどうかという点。

 それともう一点。そうすると、仮放免の最中だったり、あるいは収容の対象となる可能性のある外国人について、例えばその方が携帯電話を持っていれば、位置情報を発出しているわけですね。そういうことについて使う例があるのか。これは使っているのか、あるいは使う場合もあるのか、この点、明確に答弁してください。

○西川政府参考人 委員御指摘のLBSというシステムは、当局の位置情報システムということでございまして、これは、当局の保有している提報の情報、それから過去に摘発等を実施した場所等が登録されて、その情報を地図上に表示し、摘発等に活用しているというもので、御指摘のとおり、平成二十年の七月四日から運用を開始しております。

 ただ、このLBSといった場合に、携帯電話等のGPS機能を利用した位置把握が可能なものを指す場合がありますが、当局のシステムにはそのような機能はございません。また、将来的にそのような機能を付加して、外国人の追跡に利用するということは予定しておりません。

○保坂委員 入管法のたしか六十条の九ですかに、いわば海外からの捜査に対して入管情報を使うということは可能だという規定があったと思うんですが、例えば、そういった人物を、携帯電話の番号がわかっていれば、いわゆる警察等の捜査機関は、電話会社に照会をかけて、その情報を取得して捜査をするということは通常行われていますね。そことのリンクは絶対ないんですか。

○西川政府参考人 今現在、システムにはそのような機能がございませんし、そのような機能を付加するという予定もございません。

○保坂委員 実は、今回の入管法の先ほどの最適化計画には、たくさんの情報、外国人にかかわる情報、とりあえず在留カードというのができるんですね。この在留カードのナンバーというのは、一人一人振りつけるんですよ、一番からずっと続いて。この在留カードのナンバーをキーにして、いろいろな情報をくし刺しにするという設計になっていますね。その点、どうですか。

○西川政府参考人 在留カードの特定のためにナンバーをつけます。それで、ナンバーは在留カードの表面に記載をされます。それから、それ以外の情報もそこに記載をされます。それが一部ICチップに入りますが、そのナンバーを使って別の情報をくし刺しにする、このような予定はございません。

○保坂委員 ただ、この最適化計画には、外国人情報、氏名から男女、国籍、旅券番号、在留資格、居住地その他いろいろあって、勤務先の情報とか、最後に在留カード番号、外国人情報管理の共通管理キーとして活用されるべきだというふうにこの会社は法務省に提案しているんです。おわかりですか。

 つまり、この在留カード番号というのが、いわゆる外国人総背番号制だということじゃないですか、提案している内容は。

○西川政府参考人 質問の意味を誤解していたら申しわけないんですが、当然のことながら、ナンバーはございますし、それは当方の、入管が保有する情報の中に、氏名等基本情報もしくは必要な情報と一緒に入っております。

 ただ、その情報については、基本的には入管の目的のために使う情報でございますので、それ以外のものに使うことは、法令による場合を除いてはということになりますが、ないということでございます。

○保坂委員 ところが、今回の入管法では、かなり細かい情報も、例えば勤務先の給料が二十五万から二十万になったとかそういうことでも、あるいは職の転変があったとかいうことも報告をさせることになっていますね。

 実は、最高裁判決がこの件で出ていると思うんですけれども、データマッチングということについては、住民票コードをマスターキーとしてさまざまな情報をマッチングさせること、これは国家公務員法の違反行為になるという判決です。平成二十年の三月六日に最高裁で出ております。また、行政機関の職員が、こういった個人の秘密に属する事項が記録された文書を収集したりマッチングさせたということについては、これはいかぬ、こういう判決として判示されていると思うんですが、これには拘束されないということなんですか、入管の見解は。

○西川政府参考人 先ほどの御質問の中で、給料の変更について報告義務があるような質問がございましたが、給料の変更については報告義務はございません。

 それから、御指摘の最高裁判決については、行政機関が住民基本台帳ネットワークシステムによる個人情報を収集、管理、利用することについて、憲法に違反するものではないと判示した最高裁判決、その中に、御指摘のようにデータマッチングという言葉が使われている。この判決で言うデータマッチングとは、住民基本台帳法の規定によって許される範囲を超えて、住民票コードをマスターキーとして用いて本人確認情報を他の個人情報と結合することというふうにされております。つまり、この最高裁判決は、個人情報の目的以外の利用や提供は原則として違法であるという当然の理由を判示したというふうに理解をしております。ところで、入管の側でございますけれども、新たな在留管理制度において、外国人本人あるいは受け入れ機関からの届け出等により取得する外国人に係る個人情報の利用等についてでございますが、これは、住民基本台帳法の後にできました行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律、その第八条一項、この規制がかかるということになっております。これによりますと、法令に基づく場合等を除いて、原則として目的以外の利用や提供をすることはできないということになっております。

 したがいまして、新たな在留管理制度におきましても、外国人を含めた個人情報保護については十分な配慮がなされるということでございまして、御指摘の最高裁判決が判示するところと矛盾するところはないというふうに考えております。

○保坂委員 これは大事なことだから法務大臣にお聞きします。よろしいですか。

 基本的な事柄なんですが、今回の在留カードで、そこに幾つかの情報を入れるという運用をしていくということと、そしてもう一点、入国管理の際に指紋や顔写真をとるという形での運用を行っていますね、こういった情報も取得をしている。この二つの情報は、一緒になるということはあり得ないんですか、それとも、将来は一緒にするんですか。大臣、いかがですか。

○西川政府参考人 在留管理で収集した証拠、それから空港で指紋の採取をした証拠、これを一緒にするということは現在では考えておりません。

○保坂委員 今そうおっしゃるんですけれども、かなり細かい計画、工程表がございまして、こういうものをやはり業者の方が作成されているわけですよ、我々が審議を始める前に。

 それを見ると、法務省全体のコンピューターシステムの刷新があるわけですね、大きな話でいえば。そして入管のレガシーシステムの改革ということがあって、コンピューター企業の方々は、こういったばらばらな情報を一元的に統合するというのを提案しているんです。現場の方もそうしたいと言っているんですよ。だけれども、局長は違うと言う。どっちが本当なんですか。大臣、どうですか。

 では、絶対これは統合しないと言い切れますか。

○森国務大臣 局長から答弁したとおりでございます。

○西川政府参考人 出入国管理システム、これは、旧式のレガシーシステムを基盤としている、従来からのデータベース構造の影響を受けてすべてのデータを一元的かつ体系的に管理するというふうには至っていないということでございます。

 効率的な情報の利用ということになりますと、データベースを一元化するのが効率的だということになろうというふうに思いますが、他方、データベースの一元化によって指紋情報を直ちに在留管理を目的として使用するということには、それは問題があろう場合も出てくるというふうに思いますので、その辺についてはさらに検討して対応していきたいというふうに思います。

○保坂委員 森法務大臣、私の問題意識がわかるでしょうか。

 要するに、本案審議、法案があって、これについて、ここを変えよう、ここを修正しよう、そういう話があって、成立したらその法案に基づいていろいろな準備が始まっていくというのが通常の形ですね。

 ただ、今回の法案も、こういった大きな情報処理を伴うような内容ですね。すると、やはり、事前に業者に対するいわゆる法案の下敷きになるような、技術的な基礎になるようないわば企画提案書なり調査の発注があって、そこからこの法案になっていく、こういう展開なんですね。こういうものを読むと、すべからく、今局長の答弁とは違って、統合していく、一緒にしていくんだ、一元管理していくんだというふうに書いてあるんですよ。それはどっちが正しいんですか。そう書いてあるけれども、そうはやらないということなんですか。

 つまり、こうやって法律が通過しちゃうと幾らでも政令とか個々の運用で変えられてしまうというような、法案審議自身が余り意味がないんじゃないかというぐらいの詳しい内容ですよ。この法案が成立する予定日まで書いてありますよ。

○森国務大臣 事前から準備していなきゃ、ちゃんと施行日にできませんから、それは準備することは別に妨げられないと思いますが、いずれにしても、申し上げられることは、個人情報の目的外の利用はしないということでございます。

○保坂委員 そうすると、目的外の利用を書いているようなそういう企画提案書はだめだよ、うちの局じゃできないよというふうにはねるべきじゃないですか。これに何千万も払っているわけでしょう。おかしいじゃないですか。目的外利用をしないといいながら、あらゆるデータを一元化するという方向で、年次も全部書いてあって、こういうふうに工程表で統合していこうと書いてあるんですよ。おかしいじゃないですか。

○西川政府参考人 私が申し上げたかったことは、上陸審査時において提供を受ける個人識別情報、これは水際対策として使用されるもの、こういうことでございます。その際には指紋情報を取得するということでございます。その指紋情報が直ちに在留管理を目的として常に使用できる、そういう意味で、すべての情報をだれでもがアクセスして使用できる、そういうことは考えていないということを申し上げたかったということでございます。

○保坂委員 では、言い方を変えましょう。局長、在留カード番号というのがキーになるというお話をしましたね。これは、キーは法務省の中でキーにするということでしょう、入管局の中で。在留カードのチップに入っている情報は、それはすべてのものが入っている必要はない。ある特定の情報でいい。その在留カードの番号を法務省の入管のコンピューターに入れると、入国管理の情報やさまざまな情報が統合されて、一元化されて見れますよというふうにシステムを改革するということによって刷新が図れるんだという内容の提案ですよ。そういうことはあり得るんでしょう。

○西川政府参考人 そういうことはあり得るというふうに思いますが、そのキーによって指紋にまでアクセスできるかどうかというのはまた別の話だというふうに考えています。

○保坂委員 結局はこれがマッチングそのものなんですよ。

 ですから、私は非常に不思議なのは、今、法務省が法案をつくっているんじゃなくて、企業がつくっているんですね、実際のところ。CIO補佐官ですか、これもアクセンチュアという会社を経た人たちが三人ばかり入って、法務省、検察事務情報ですか、検察の情報もやっているわ、かなりの大きな国民のプライバシーを伴う情報も、そういった企業の御提案の枠に沿って大変なお金を使ってやっている。ここにしっかり監視を光らすべきだと思います。

[引用終了]


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