12日間の自民党総裁選が終了し、事前予想通りに麻生太郎氏が圧勝した。あまりもの大差に、結末が見えている田舎芝居の筋書き通りの展開だったと感じる。自民党が期待した「総裁選劇場」は不発で、序盤ですでに舞台裏が見えてしまった。中盤になると、誰が何を言っても「麻生勝利」の流れが決まっていて、「決定的な失言」だけを麻生氏自身が警戒すればいいという状況になった。それでも、メディアはこの不毛な総裁選を追い続けた。この結果に対して、感想を記しておきたい。
「安倍」「福田」と2代続けて政権を放り出して、自民党だけの事情で重要な時期に政治空白をつくったことに対しての「謝罪」「お詫び」の言葉がまるでない。麻生氏自身も、自民党も「政権政党」としての自覚と責任が薄いのか、福田総理の辞任表明から20日以上も重大な時期に「政治空白」をつくったことに対して「後ろめたさ」がまるでないのが気になる。
汚染米・メラミン混入と「食の安全」は脅かされ、いわば大混乱状態に陥っている。福田総理は辞任表明の会見で「国民目線から消費者庁設置に踏み切った」と述べたが、事実上の総選挙の事前運動として総裁選を終えて、賞味期限がすぎないうちに国会審議をパスして解散・総選挙を行おうという与党内の議論は無責任きわまりない。ここまで、「劇場」でやりたい放題をやった与党は、12日間は予算委員会や各委員会を開催して与野党の議論をするべきではないか。そして、ようやくイーブンとなる。
総選挙前に舛添厚生労働大臣が唐突に「後期高齢者医療制度の抜本的な見直し」を出してきたことに麻生氏も同調した。またまた姑息な手法で、選挙目当ての政策偽装だと言いたい。それなら、なぜ国会で強行採決したのか。また、制度実施後に大きくあがった批判の声を聞き入れなかったのか。選挙で、与党が過半数を得たら「それって公約だったけ」と年金で福田総理がトボケてみせたようにシラを切るつもりか。あるいは、本当に見直すんですよと言うのであれば、解散前の国会で厚生労働委員会を開催し、責任を持った政府の見解を示すべきだ。
麻生氏には「上から見下ろす視点」しかない。そもそも1979年に総選挙に立候補した時、支援者に対して「下々の皆さん」と発言したというエピソードが物語ってあまりある。一連の失言騒動も、もっとも苦しんでいる立場にいる人たちを想像することが出来ないことに由来していると思う。
リーマンブラザーズやAIGの危機で、世界的な大不況の入口に立っている今、「上から見下ろす視点」しかないお金持ちの総理を期待するものは何もない。自民党最後の総理となる可能性の高い麻生氏には、せめて最も短い就任期間でその任を終えてほしいと強く思う。
(明日は、『朝ズバッ』の各党討論に7時30分~8時30分までの30分程度出演する予定だ。)

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