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消費税、残業代ゼロ法案、自衛隊派遣恒久法と「先送り」を続けてきた安倍政権だが、近く始まる通常国会で「共謀罪」の成立に強い意欲を見せたというニュースが流れた。警察庁が提出予定の「ゲートキーパー法」と呼ばれてきた「犯罪収益移転防止法=犯罪の疑いのある取引の密告義務法」を2月に国会提出、3月の年度末までに参議院で成立させたいという動きも急になってきた。国民の間に要求の強い年金・医療などの社会保障や雇用政策の充実による格差是正には背を向けて、「教育基本法」「防衛省」の土台の上で、「共謀罪」を踏み石に参議院選挙を「改憲の旗」の下に闘うという治安立法と強権行使型の法案を優先しようという安倍政権のタカ派らしい姿勢が鮮明になりつつある。

「安倍首相は19日朝、法相と外務事務次官と面会し、「国際社会において組織犯罪に対応していくために、今国会で成立を図るように努力するように」と指示した。安倍首相は同日昼、記者団に対し、他の法案と比べて優先されるかについて「国対において、国会運営全般の中で我々とも相談しながら考えていくことになる」と語った。(『朝日新聞』asahi.com 1月19日)

共謀罪を何としても成立させろという力がどこから働いているのか、もう少し状況を見ていかないとならないが、「先送り」のオンパレードの流れから身を翻して共謀罪が出てきたのは、どうやら「本気」のようだ。外務省が強く早期成立に執心しているらしい。また、冒頭に書いた「犯罪収益移転防止法」の創設の内容は、現在は金融機関に課せられている「疑わしい金融取引」の届け出義務を、金融機関以外の「特定事業者」に拡大しようというもので、弁護士や司法書士、行政書士、公認会計士、税理士、宅地建物取引業者、貴金属等取引業者、郵便物受取り・電話サービス会社、クレジット・カード会社、ファイナンス・リース業者、金融機関を指している。

日本弁護士連合会は「弁護士から警察への依頼者密告制度」と呼んで、強く反対している。依頼者を助け秘密を守るはずの弁護士が、依頼者を「犯罪」と関連があるかどうかを疑う場合、密告を義務付けられるという制度であり、先に列挙したような多くの職業で同様の義務が課せられる。「犯罪の疑いのある取引きの密告義務法」は、この2年間議論してきた共謀罪とセットになって、猛威をふるう畏れがある。

参議院選挙で「憲法改正」を掲げて、「美しい国づくり元年」にしたいと意気込んでいる安倍政権が最優先するのが、国民をいつでもどこでも監視し、密告させ、そして被疑者として扱う「氷の世界」だということが見えた。通常国会の焦点が急激に浮上してきた。それが、安倍政権の政策的な中軸だと言うのなら、私たちも気を引きしめて迎撃体制をとらなければならない。「国民投票法案」を連休前になどと与野党の呉越同舟で漫遊している時ではないと民主党にも考え直してもらいたい。


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