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午前中の続きを書くこととする。
あれから私は、東京高等裁判所民事810号法廷に向かった。判決前の法廷は静まり返っていて傍聴席に座る多数が高嶋先生の支援者だった。

弁護士の宮里先生に「判決言い渡しはどのぐらいの時間ですか」と聞くと、
「1分とかかりませんよ。『本件控訴を棄却する』と言えば高嶋先生の勝ち、『原判決を取り消す』と言えば負け、つまり裁判長が『ホ』と言えば勝ちで、『ゲ』と言えば負けです」とのことだった。

昨年6月、東京地方裁判所では高嶋先生は完全勝訴に近い判決を得ていた。だから、大学側は東京高等裁判所に控訴してきたのだ。これを「(控訴)棄却」であれば、高嶋先生の勝ちとなり、その「(原判決)を取り消す」となれば負けというわけだ。

裁判長が入廷するとまもなく判決の主文を朗読した。「ホ」と言わなかったのは分かったが「ゲ」と言ったかどうかうまく聞き取れなかった。「訴訟費用は被控訴人の負担とする」と裁判長が言い終わった時、「負けたのかな」と思った。

敗訴だった。地裁判決から9か月経過し「証人尋問」もしないで判決日が確定していたから、高嶋先生本人も含めて「完全勝訴」を信じていた。弁護士の誰もが、これまでの法廷経験からは「まず勝訴だろう」という予想を持っていた。

しかし、ドデン返しは起きた。地方裁判所の記録を見て、高等裁判所でこれと正反対の判断をする時には、証拠調べをやり直すべきだろう。ポイントは、再雇用された2年間で「研究活動として原著論文2本を書く」という概念の解釈をめぐっての議論だった。

高嶋先生は論文を書いて、大学に提出していた。ところが、大学側は「原著論文は学術誌に掲載された段階で完成する」という言い分で、論文を提出しただけでは契約不履行だと再解雇した。地方裁判所での議論は、「原著論文を書く」というのは文字通り書く作業であり、学術誌への掲載に至らなくとも契約不履行田とは言えない---という判断だった。

ところが、今日の高等裁判所判決は大学側の「学術誌に掲載してこそ原著論文」という解釈を認め、高嶋先生の解雇は問題がないとした。まだ、判決文も読んでいないが、とても納得できない判決だった。

読者の中には、なぜ突然に裁判の報告なのか----と、戸惑う人もいるだろう。一度に説明しきれないので、おいおいその理由を書いていくこととする。



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