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新年早々、「共謀罪」騒動が持ち上がった19日の長勢法務大臣の閣議後会見。あれから4日後の23日、早くも軌道修正をした。共謀罪の通常国会における成立については「こだわるとかこだわらないという段階ではない。円滑に早期に成立させたい」とトーンダウンした。安倍総理も「今国会での法案の優先順位、審議の状況などあるだろう。それは、国会において判断すること」と退却し、「あの騒ぎは何だったの」状態となってきた。朝令暮改、日替わり方針転換など私たち野党側は、それぞれ地元にいて何の反応もしていないのに、政府・与党内の混乱が極まっている状態だ。

早くも「通常国会見送り、共謀罪 与党今秋以降で検討」(1月24日東京新聞)という論調が目立っているが、いくつかの兆候も明らかになってきた。おそらく、法務省に残っている強硬派が長勢法務大臣をたきつけて、首相官邸で外務省の谷内正太郎事務次官との三者会談をセットした。そして、高度の政治判断が下されたかの如く長勢法務大臣の記者会見で「総理からの指示があった」と語らせた。しかし、官邸だけではなくて、法務省の政治力も練り上げられたものではない。ニュースが流れるや否や、与党幹部が一斉に否定的な発言を続けてハシゴを外されてしまった。

法務省の政治力が減退したということを説明しておこう。かつて、盗聴法や刑務所不審死問題など与野党が法務委員会で大きく対決した時に、法務省の幹部は与野党の議員に働きかけたり、時には議論することを厭わなかった。ところが、今回の共謀罪で私たちが条約批准国の立法状況やアメリカの留保などの問題について話題にしても、法務省側からは電話一本かかってこない。まあ、外務省のミスにつきあう必要もないということだろうが、共謀罪成立への熱意などまるで感じられない。
他の省庁と違って、法務省幹部は全員が検事出身者だ。いわば「論理」を土台に仕事をしてきた人たちで、「理」にあわないことは出来ないという資質が際立ってある。だから、予算獲得も下手だし他省庁のように「揉み手」でオベンチャラを言うことなどもない。ここは、長所だしいい部分だと感じてきた。

しかし、巨大与党時代がゆえなのか、もはや「論理」もなく「メンツ」という情に流されて、インテリジャンスの基本となる情報収集も身勝手でおざなり、与野党間の「認識の相違」について「論理的に議論をつめる」という作業がめんどくさいのか、何の努力もしない。本来なら与党からも、数えきれないくらいの修正案が出ていること自体が、政府案の欠陥をあますことなく証明しているが、性懲りもなく何度も無修正の法案を出してくる。与野党の誰もが政府案は失敗だったと認めている今日も、責任者が責任をとったという話も聞かない。

ただし、今回の迷走劇も先日も書いたように「共謀罪をあきらめていませんよ」という意思表示にはなった。社会的に衝撃が走る事件が起これば、夜陰に乗じて一挙に通してしまうチャンスを伺っているのだろうし、どんなに遅れても秋にはやるつもりだろう。だからこそ、共謀罪を推進する法務省・外務省のお役人に言いたい。国民の前で、テレビか公開の席で「共謀罪の可否」をテーマに公開討論をやりましょうよ。与党議員の影に隠れていないで、正々堂々と「情」を退けて「理」をもって討論することが出来ないのだろうか。

本ブログに関心を寄せているメディアの皆さんに提供出来る場があれば、共謀罪創設を推進する法務省刑事局と外務省組織犯罪室も入れて、与野党議員や弁護士会との公開討論を企画してほしい。審議日程をめぐる不毛な綱引きの前に、今朝の毎日新聞が(1月24日朝刊)、『どうなる共謀罪--事前処罰に根強い批判・首相の指示も迷走』と論点をまとめているが、率直な議論が必要な時ではないか。


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