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梅雨の長雨というけれど、長期的な集中豪雨が九州地方を中心に襲っている。河川の氾濫が相次ぎ、農作物への被害も広がっている。これだけ猛烈な勢いの雨が降ると、これまでの治水システムが機能しない。私たちが享受してきた「便利な大量消費社会」は、気候変動をもたらしている。「環境問題」は、最優先で解決すべき政治テーマであるが、世論調査で示される政策への関心度は高いとは言えない。環境破壊の影響は、国境や民族・宗教の違いを超えてしまう。今回の異常気象の被害は、朝鮮半島にも及んでいて北朝鮮でも相当の被害が出ていると伝えられている。
「社会体制」「価値観」の違いを超えて、環境問題は広範な地域全体を包み込んで作用してくる。

中国の経済発展とともに、エネルギー消費量が急激に上昇している。4年前にモンゴルに行ったが、気候変動の影響を強く受けていることに環境大臣は強い懸念を示していた。たしかに、数少ない湖は枯れて草原が砂漠化し、奥地にある氷河が崩落し溶けだしている。夏冬の平均気温が10度ずつ広がっている。夏は平均気温が10度上昇する猛暑、冬は逆に10度下降するゾドという名の大寒波に見舞われているのだという。羊や山羊が大量死して、狼が繁殖しているという話も聞いた。

今の生活は大切だ。明日の飯も食わなければならない。しかし、地球環境という私たちの生存条件がこれだけもろくなってしまっている時に、「環境」を守るための地域安全保障、別の言い方をすれば「環境破壊」を阻止するための地域間合意を作り出す必要がある。ここで言う地域とは、モンゴル・中国・朝鮮半島・日本などを包摂した大きな地域のことだ。

もっとも短期間に、もっとも壮絶に環境を破壊するのは戦争だ。イスラエル軍は、ついに国境線を超えてレバノンに「ヒズボラ掃討」のために戦車部隊を送り出した。ヒズボラではなくレバノン軍が迎撃すれば、それこそ戦争の始まりである。
今こそ、国連と国際社会がしっかりした役割を果たすべき時である。ヒズボラのイスラエル兵拉致事件が発端となった軍事攻撃は、レバノンで350人の死者、イスラエルに35人の死者、いずれも市民が多く犠牲となっている。

2006年の夏が、私たち人類にとって「破局の夏」とならないことを強く願う。1945年のヒロシマ・ナガサキへの原爆投下以来、核兵器は使用されていない。イラク戦争で使われた「劣化ウラン弾」は深刻な被害をもたらしているが、私は核兵器の使用に対してこの半世紀機能してきた「強い抑制」が緩んでいると感じている。この日本ですら「核武装論者」が政治の中央に踊りだしてくる時代である。

レバノンで起きているニュースを食い入るように見ながら、「非戦・非核」の道を人類同時に踏み出していく以外に私たちの生き残る道はないと感じている。国境を超えて、国家レベルで壊れ始めている「転落防止ブレーキ」の役割を果たしていきたいと思う。


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