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昨日、鹿島建設と大林組に東京地検特捜部が捜索をしているという共同通信のニュース速報を見て、「総研・木村建設・姉歯ライン」で欠陥ホテルを建てたゼネコンが施工を木村建設に丸投げし、元請け責任を問われていたことなのかと連想したが、実際には「防衛施設庁談合事件」の建設談合容疑の家宅捜索だった。ついでに大成建設も家宅捜索を受けているから、小嶋社長と伊藤元国土庁長官が相談に行ったゼネコンもここに登場した。

99年、防衛庁では調達実施本部(調本)のメーカーへの25億円の水増し請求事件があり、また証拠隠滅行為も問題となり大打撃を受けている。「国家に対する背任事件」として関係者は起訴され、天下りと官・業癒着の構造が批判された。今回の施設庁の談合事件でも、この構図に何ひとつ変化はなく「天下り」の受け入れ率のいい企業が税金を使った工事を受注できるという前近代的な官僚王国の姿が立ち現れている。

小泉政権が「改革」と呼号してきたのは、官僚と政治家と大金持ち・大企業のための「改革」だということを強調しておきたい。これだけ、霞が関=中央省庁に甘い政権も歴代政権の中では突出している。「天下り」は人事院によって規制を受けているが、担当大臣の許諾によってスムーズに出来るようにしたいというのが、彼らの「改革」である。

かつて、自社さ政権の末期に私は霞が関の役人を対象とした「国家公務員倫理法」を議員立法として提案するフロジェクトのワーキングチームの一員で、同法の骨格を設計した。座長は野中広務氏・ワーキングチームの座長は小川元氏(後にチリ大使)だった。小泉政権の5年間で、官僚が背筋を正すような「天下り禁止法」などが検討された気配すらない。

談合事件の背景には、50代半ばの早期退職を促す制度や官の監督下の業界への天下りに規制が抜け穴だらけになっている実態がある。本来より高い価格で受注が決まり、その高値分のいくらかが天下り官僚の高給となるシステムは税金の無駄遣い以外のなにものでもない。

「防衛施設庁の解体・再編」をして「防衛省に昇格」だと虫のいい話が与党から出ている。膿を出さずして組織替えをすると、必ず彼らは焼け太りする。組織替えは凍結して、防衛庁・施設庁の腐敗をまずは洗い直せ。

この国会では「天下り規制」を最優先して仕上げるべきである。小泉総理がこれを語らないようなら、「改革」という日本語を欺いて使用し続けた責任をとって、9月を待たずに退陣してもらうしかない。

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