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今朝、『サンデープロジェクト』で「小沢幹事長不起訴」の問題で議論をしていた。昨日のブログで紹介した宗像紀夫元特捜部長と郷原信郎氏も出演するとあって、「捜査の問題点と反省」をどのように宗像氏が語るのかに注目した。10時30分頃までしか見ていないので、その後の発言は知らないが、「今回の『虚偽記載』での起訴は当然だ。問題は、秘書3名のレベルでやっていたかどうかで、検察当局は今回、冷静な判断をしたのではないか」と、2日前の朝日新聞の談話とは相当違うスタンスで意見を述べていた。郷原氏は、「今回の処分を受けての小沢さんの発言に頭に来ている。『公平・公正な検察な捜査』という言い方はなんだ。石川議員の起訴については何も言及していない。小沢さんは、検察と手打ちをして石川さんを人身御供に差し出したのではないかという見方も出てくる」と、宗像氏とは正反対の立場で、小沢氏の姿勢に疑問を投げかけていた。

 小沢一郎という政治家が、億単位の資金を右から左に動かして、政治団体で不動産を購入しているとの事実は以前から知られていた。その巨額資金の由来がどこにあるのか、特捜部が狙ったように「ゼネコンからの裏金」なのか、政党解散時の政党助成金の蓄積なのか、それともコツコツと貯めてきた資産なのか、それは判らない。今回の事件捜査は、「4億円の不記載」という入口から、「ゼネコンの裏金」に架橋する証拠を、石川議員などを逮捕・身柄拘留して「供述」によってひきだそうとしてきたものだ。大谷昭宏氏の言うように、慎重さを欠く乱暴なやり方だったことは明らかだ。

今回の件では、「検察リーク」批判も高まった。大手紙は、「検察リークなる安易な情報提供があたかも存在するかのように語るのは、現場記者の地を這うような努力に対しての侮辱である」と苦しい言い訳をする。しかし、逮捕・勾留されて取り調べを受けている本人しか知らない供述内容の一部が「関係者の調べでわかった」と書くには「根拠」がいる。たしかに、捜査関係者がベラベラ話すことはない。東京地検担当記者は、事件取材報道というよりは「情報収集と捜査共助」事件担当の検事と一体となって行なうという感覚を持っているという話を、ベテラン地検担当記者から聞いた。その信頼関係、同志的関係から地を這うようにして情報を取るというのが代々続いてきた取材方法だ。捜査関係者に確認し「あたり」をつけながら、記事を書いていく。

問題は、メディアが独自に「政治とカネ」の問題を追及するという姿勢を失っていることである。西松建設事件の二階前大臣の件は、元秘書の略式起訴・罰金刑に終わったが、はたして国民が納得しただろうか。捜査結果がどうあろうと、「二階氏と西松建設」の関係を徹底検証した調査報道がなぜないのか。「官邸機密費」が総選挙直前に蒸発したという件も、同様である。残念ながら、東京地検特捜部は旧政権与党だった自民党の事件には熱心ではなく、「なぜこれが事件にならないのか」という贈収賄関係の報道も見て見ぬふりをしてきた。
「裁判員制度」の導入を始めとした司法制度改革が進んだ時期だったからという言い分もあるだろう。客観的な事象として「公平・公正」と思えないバランスを欠く捜査が否定出来ない時には、メディアが是正するという役割もあるだろう。

 永田町で起きていることに、比較的近いところにいながら、直接にあれこれ出来ないのは隔靴掻痒だ。またまた、政治資金規正法改正の論議が出ている。政治資金収支報告書作成にかかる「議員本人の責任」を明確化する……すなわち今回の小沢氏の事件のように「誤記載」や「未記載」も「虚偽記載」として秘書や作成者が立件された時には、議員も「暗黙の共謀者」として共犯として起訴出来るという仕組みだろう。物事を考える力を失った各党幹部からは「国民世論」を気にして「必要だ」などの声を出していくことが予想されるが、私は反対だ。とんでもない濫用の危険を含む、と思う。政治資金収支報告書作成に関してのみ「共謀罪」が導入されるようなものである。

 では、どうすべきなのか。政治資金収支報告書がいい加減でいいとは思わない。しかし、膨大な会計処理に取り組む中で記載ミスを発生させないのは難しい。そもそも、「単純ミスでも逮捕」という法律の支配下になるのなら、会計処理に携わる人は高すぎるリスクの前にたじろぐことになる。これまで「修正申告」を行なった国会議員は多数いるが、これからは捜査・立件の対象ですよということになる。

 私は抜本的な改正が必要だと考えている。政治資金規正法はたび重なる改正で、何が本体でどこが増築か判別出来ない複雑な法律となってしまった。そんなことを知らないなら国会議員になるなと怒りたくなる人の気持ちは判るが、この法律は地方議員や非議員にも適用される。たとえば、Aさんという若者(26歳)が、市議会議員選挙に立候補しようとする。資金も地盤も看板もない。友人たちが集まって、
「活動資金として1万円づつ出そうぜ」とお金を集めてカンパとしてAさんに渡したとすると、これは合法だろうか。一般的な感覚なら「ゼネコンの裏金」とは峻別される「浄財」ということになるだろう。実は、これは政治資金規正法違反とする。政治団体を設立する前に政治資金を受け取ることは規正法で禁止されている。(この事例で、逮捕・起訴されたケースはないと聞いている)

政治資金の監視は、いきなり刑事捜査から入るのではなく、国民の立場から政治資金監視委員会を新たに設置して、政治資金のあり方を監視し、疑問があれば政治家及び議員事務所に資料を提出させて調査をする。あるいは、警告をして是正勧告をする組織があっていいと思う。悪質なものは告発して、刑事捜査に入ればいい。事件のたびに、「法改正」を接ぎ木していく発想から脱出して、政治資金の動きのトータルを把握し、監視するシステムを構築することに私たちはそろそろ知恵を出すべきではないかと考えている。





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