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アメリカ大統領選挙で民主党のオバマ候補が勝利した。共和党のマケインをダブルスコアの大差で下して21か月に及ぶ選挙戦を制した。アメリカ史上初めての黒人大統領の誕生は、「政治は変わる」「停滞した政権は倒れる」というドラマを目にした日本にも大きな影響を与えることは間違いない。オバマ候補は来年1月に就任するが、ブッシュ政権の8年間によって疲弊したアメリカ社会の困難な再建に挑むことになる。
ブッシュ大統領は、01年9月11日の「同時多発テロ」事件を「新しい戦争」と位置づけて「先制攻撃」を正当化するブッシュドクトリンを発表し、強大な軍事力をもって報復戦争を遂行した。まず、アフガニスタン攻撃とタリバン政権打倒であり、そして全世界の理性ある人々が反対したイラク戦争への突入だった。

イラク戦争とは、人類史上まれな「言いがかり戦争」である。「幻の大量破壊兵器」を理由にフセイン政権を打倒したものの長期にわたる「軍事制圧と自爆攻撃」連鎖を生んだ。イラクの秩序は破壊され、医療や教育などの社会的基盤はメチャクチャになり、シーア派とスンニ派の宗派対立がエスカレートした。アメリカは、泥沼のように先の見えないイラク駐留を続けなければならなくなった。ブッシュ政権の主流だったネオコンの面々は、イラク攻撃と軍事的制圧を遂行した後の「出口戦略」がまるでなかった。彼らのシナリオは、シリア・イランと次々と戦端を開き、戦争国家として暴れまわることだった。

ブッシュ政権のもうひとつの失敗は、アメリカ金融バブルの崩壊と世界同時経済危機を生んだ経済無策である。「欲望の暴走するままに市場に委ねる」ことが、あたかも新しい経済システムであるかように称賛したウォールストリートの風潮は、住宅バブルと不動産の証券化で次々と開発される金融商品が世界中の金を飲み込んで、投資規模を幾何学的に膨張させていった。住宅の価格が上昇しすぎれば、やがて価格崩壊に向う。日本のバブル崩壊との違いは、サブプライムローンなどで回収不能の不良債権が証券化されて全世界の投資対象となっていたことである。冷静に考えれば当然のことが起きているに過ぎないのだが、ブッシュ政権は金融と投資マネーの暴走に規制をかけるという政府の役割を放棄してきた。そして、9月のリーマンブラザーズショックに向っていくのである。

オバマ陣営がマケイン陣営に追撃されていた時期がある。アラスカ州知事を副大統領候補に起用した「ペイリン効果」によってプームを呼んだのだったが、「ブッシュドクトリン」を質問されて明確に答えられなかったり、政治家としての資質を疑うような発言が問題視されるなどの壁に当たった。そして、オバマ候補が大きく形勢を逆転したのは、リーマン・ショックから始まったアメリカ金融崩壊によって有権者の関心が「経済」に集中したことからだった。「規制緩和」「市場原理主義」が行き着く先が、世界経済を暗闇の中に突き落としたということに、ようやく多くの人々が気がついたのだ。ブッシュが叩き壊した経済と社会基盤は簡単には再生しない。オバマ政権は、「格差の是正」「社会保障再建」に取り組んでいかなければならない。

「ブッシュの8年間」に「NO」とアメリカ国民の審判が示された今、私たちの日本は「小泉とその仲間たちの8年間」を正面から問う解散・総選挙を闘わなければならない。およそ展望のない、誤った、愚かで、見通しのないイラク戦争を始める時に、「忠犬ポチ」よろしく条件反射的に「戦争支持」を打ち出した小泉元総理の罪も重い。また、竹中平蔵氏と組んで「経済財政諮問会議」を舞台にして、アメリカの要求にどれだけ早く、大胆に近づくのかを競った「構造改革」という名の棄民政策の数々は、日本社会を根本から揺るがした。医療・介護・教育・雇用など、それぞれの分野で悲鳴があがっている。

アメリカの大統領選挙の現場には若者たち、女性たち、高齢者などすべての世代の人たちがいた。日本の政治に関心を寄せる世代は40代以上の人たちが多く、若者の政治参加の回路が閉ざされている。このことは、私たちが努力しなければならないテーマだろう。

[お知らせ]

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【イベント詳細】保坂のぶと国政報告会「政権選択の秋」
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▼日時:11月17日(月) 18:00開場 18:30開会
▼会場:勤労福祉会館ホール
〒167-0034東京都杉並区桃井4-3-2 電話:03-3301-0811
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/map/detail.asp?home=H04860

▼発言:福島みずほ(社民党)党首、喜納昌吉(民主党)参議院議員他

▼参加費:500円

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参加費:無料

■問い合わせ 保坂のぶと杉並事務所 03(5347)1601





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