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 昨夜、『凍りついた「検察官適格審査会」秘話』を書いたら、各方面から予想外の反響をいただいた。これまでは、法務委員会でいくら質問しても記事にした記者はゼロで、国政報告などで語っても「保坂さん、少しお話の内容がマニアックじゃないでしょうか」とご忠告を受けたりして、「これは制度不全だよな」と熱く怒る私の感覚はなかなか共有されなかった。国会議員(衆議院4人+参議院2人)が構成メンバーでありながら、「検察官適格審査会」の名を関係者以外の国会議員自身がほとんど知らない。私も、7年前に与謝野馨さんが「さて、検察官適格審査会に行ってくるか」と独り言をつぶやいたので、「また自民党でそんな機関を勝手に作ったんですか」と真顔で聞いてしまったぐらいだ。裁判官訴追委員会・裁判官弾劾裁判所の存在を知らない国会議員はほとんどいないのは、衆議院議員会館の一角に訴追委員会も弾劾裁判所も、相当額の予算と事務局員を置いて、それなりのスペースで置かれているからだ。(このふたつも自民党政権下でほとんど機能しなかった……)

 4年前の衆議院法務委員会でも私は次のように問題提起している。

衆議院法務委員会平成17年10月11日会議録

○保坂(展)委員 法務大臣に伺いたいのですが、検察官適格審査会というのがありますね。検察審査会とよく名前が似ているんですが、明らかな違いというのはどういう点にあるのでしょうか。大臣に。

○小津政府参考人 恐れ入ります。まず事務的に御説明させていただきます。
 検察審査会は、検察官が行いました判断、不起訴の判断について、それが一般国民の皆様方の目から見て相当であるかどうかということを判断する機関でございます。

 検察官適格審査会と申しますのは、検察官の心身の故障、職務の非能率等を理由として、一般の公務員で申しますと分限の処分でやめさせる場合に、通常の国家公務員と違いまして、その組織の判断を経た上で任命権者が判断をする、こういう仕組みでございます。

○保坂(展)委員 ですから、これは検察審査会と検察官適格審査会の違いというのをほとんどの人が余り認識をされていない、検察審査会ほど検察官適格審査会は知られていないということがあると思います。

 知られていない割には大きな権能を持っていて、検察官を罷免することができる。平成四年に、副検事が行方不明でどうも出てこないということで一件だけ処理されたというふうに聞いていますが、その予算は幾らでしょうかという話をおととしお聞きしたところ、十五万八千円である、いかにも少ないというふうに議論しましたが、最近はどうですか。

○小津政府参考人 その予算についてでございますけれども、前提として、この検察官適格審査会を含めた審議会等につきましては、法務本省の委員手当というもの、それから、委員が出張して職務を行う場合に使っていただく委員等旅費というのがあるわけでございまして、その中で、検察官適格審査会でその一部を使っていただいているというところでございます。

 かつてこの委員会で御説明させていただきましたのは、予算の積算に当たりまして、検察官適格審査会の委員手当と委員等旅費というものを幾らと積算しているかという意味におきまして、十五万八千円という御説明をさせていただきました。

 もちろん、庶務は官房人事課が担当しておりますし、そのほかのいろいろなことは法務省本省の全体の予算の中から執行しているという点だけはぜひ御理解いただきたいと思っております。

○保坂(展)委員 答弁では、平成十五年度のこの予算は十五万八千円だというふうにされているんですね。最近はどうなのか、いわゆるそういう予算の費目はないんだということなんですが、では、実態として使ったのは幾らなんですか。

○小津政府参考人 ただいま申し上げましたように、検察官適格審査会の委員手当及び委員等旅費として積算して予算をつけていただいていたものが、当時十五万八千円でございましたが、今年度は十五万七千円になっております。それは、全体としての審議会等の手当の見直し等によってそうなっているということでございます。基本的には変わっていないわけでございます。

○保坂(展)委員 ちょっと法務大臣に伺います。
 いかがですか、こちらを見ていただいて、これは法務省の「あかれんが」というものですね。検察官適格審査会とはこういう組織ですよというふうに国民に周知しているわけですね。大変重い権限を持っておられる。検察官を罷免することも場合によってはできるわけです。しかし、国民が知らなければ意味がないわけです。

 いかがですか、今の周知の状況、まだまだだと思いますが、もっときちっと国民に広報して、直接知らしめるということをするべきだと思いますが、いかがですか。端的にお願いします。

○南野国務大臣 先生おっしゃるとおり、やはり知らない国民は多いと思いますので、広報活動なり適正にやっていかなければならないと思っております。

〔会議録終了〕

こうして人知れず議論してきたことが、少しづつ関心を集めてきたことは、「政権交代」効果だろう。検察官適格審査会を機能させなかった責任は、歴代審査にあたった国会議員や委員にある。かつての自民党では「検察官適格審査会委員」は人気ポストだったという。ここでザル委員をつとめて法務・検察に好印象をアピールすることで、何を期待していたのか書くまでもないことだ。

 民主主義のイロハの舞台装置が錆び付いたままに終わるのかどうか、これからの試金石だ。









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