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光と影が交錯し、ステージで歌い踊る「道路広報」ミュージカルに驚いていた私は、現実の大地で実在の人間が動き、声を発して、あたかも「世論」のように見える大芝居を見せられていることに気がついた。国土交通省が道路特定財源などのありあまる予算にまかせて、「市民運動」「住民参加活動」を誘導・演出して「官と民との共働関係」を形成していたことに注目したのは、他ならぬ彼らの「未知普請運動」を訴える過去の記録からだった。ネット検索で「未知普請」と入れるとヒットする上位のものは次々と消されているが、苦労して探し出したからここに紹介しておく。(リンクすると国土交通省が消去するのでやめておきます)

未知普請活動の推進

公共事業は誰のものか…地域との対話活動の取り組み

社会が成熟し、価値観の多様化が進むなか、公共事業のあり方にも変革が求められ
ています。普請(ふしん)とは「普く請う(あまねくこう)」と読み、「大勢の人々に労力をお願いする」という意味の禅語です。その起源は鎌倉・室町時代にさかのぼり、鎌倉時代には「道普請」という言葉が盛んに使われていました。近畿地方整備局では、「道」に「未知」をあて、道路だけでなく河川や公園等の公共施設も含め、未来を切り拓く意も込めて、「未知普請」精神を広く育むべく、平成14年度から「対話と協働」、「参加と責任」、「未知への挑戦」の3本柱をもって「未知普請」活動を推進しています。(2004年国土交通省近畿地方整備局)

次に何度か紹介しているが、「未知普請」のスタートした2002年(平成14年)札幌での『みち普請戦略会議』での国土交通省道路局企画課長谷口博昭氏(→近畿地方整備局長→道路局長→技監)の「基調講演」を全文紹介する。

道路をめぐる最近の話題について

私ども道路局は、道をつくることによって地域が良くなり、暮らしが良くなり日本全体が良くなっていくというようなインフラをつくることが仕事です。しかし、最近東京では、「もう高速道路は十分だ」あるいは「道路整備は十分だ」というような基調で、日本イコール東京のような考え方で議論がなされているようです。地方が集まりその集積の結果として日本という国家が成り立っているわけで、石原都知事がいくら力んでも東京は一人では自立できません。

昨年9月に札幌、12月に名古屋、今年2月に福岡と日本列島を縦断した「みち普請」のフォーラムやシンポジウムを通して、非常にいい手ごたえを感じております。日本国の心ある人、志ある人が「このままで本当にいいのだろうか」「もっと我々国民は原点に戻ってエンカレッジしていく必要がある」というような危機感を持って「みち普請」に参画いただいています。

テレビや新聞の世論調査、アンケート調査で、例えば高速道路はもう要らないという意見が7割出ますと、国会議員も小選挙区が影響しているのか気持ちが萎えてしまいます。したがって「みち普請」で、草の根的に公共事業は本当はみんなのものだという認識を津々浦々に浸透させて、誤った世論調査、アンケート調査がでないようにしていく。そのような流れに引っ張られないよう国民一人一人が、自分の考えをしっかりと持ち、過ちのない対応ができるような運動論にしていく必要があると思います。

組織体制でいいますと、北海道の場合は北海道道路管理技術センターが事務局です。もう少し体制を整えて、常時の活動として行う方向にあっていいと思います。できるだけ最初の段階から多くの人を巻き込む仕掛け、理念も必要で、女性も参画できる運動論が望ましいと思います。

産学官が連携を図る中で、やはり「みち普請」の原点はそれぞれの役割分担をきちんとして、連携を高めていくことが大事です。そういう意味で戦略がクリエイティブになることを期待しています。

(引用終わり)

そして、現場で「未知普請」に取り組んでいる第一線の官僚の座談会がある。この中で寺元博昭中部地方整備局道路部調査官は意気込んで語っている。

寺元博昭(中部地方整備局道路部道路調査官)

「みち普請」の活動を社会的に認知してもらうため「未知普請」のマークを作り、いろいろな活動をやっていくことが効果的だと考えます。実践の中から新しいインフラづくり、地域づくりの考え方とノウハウを蓄積していく必要があり、現在34ほどのプロジェクトを特定し、「未知普請」の考え方を具体的にプロジェクトを通して実践しています。楽しさを演出しながら活動を展開していくことも大事で「未知普請」の歌をつくってみてはどうでしょう?目的を明確にし、みんなで例を決め根っこのところをしっかり押さえた上で、次の戦略、戦術を展開していけば、全体の流れをうまく理解しながら個々の工夫が逆にまたその流れの中で生きていくと思います。

(引用終わり)

これから、6年。ていねいに蒔いた種は芽吹いてきた。「道路特定財源を守れ。暫定税率は維持せよ」と呼号する女性たちが全国一斉に動き出して、スポットライトが当たった。いったい誰がこのような運動をボランティアで始めるのだろうかと疑問に思っていたら、典型的な事例が報道された。

道路啓発事業NPO 国交省、1億2千万円随意契約

2008年03月18日15時14分

 国土交通省九州地方整備局による道路啓発事業にボランティアでかかわってきたNPO法人とその関連の出版社(いずれも熊本市)に対し、同整備局管内の河川国道事務所などが、昨年までの2年余りの間に季刊誌購入費や広報活動委託費として、道路特定財源から随意契約で少なくとも計約1億2000万円を支払っていたことがわかった。

 同省の啓発事業では、道路ミュージカルなどを展開した「未知普請(みちぶしん)」運動が批判を集めている。季刊誌購入などはボランティア参加の団体への実質的な援助ともいえ、道路特定財源の使途として議論を呼びそうだ。

 啓発事業は、同整備局が市民参加型の活動として04年に立ち上げた「道守(みちもり)九州会議」。ホームページでは「九州で『道』に関する活動を行う人々や団体で構成する民間主体の任意団体」とされ、ボランティアで清掃事業を行うなどしてきた。

 NPO法人の代表の女性によると、もとは地域の歴史研究などをしていたが活動範囲が広がり、道守会議にかかわるようになった。同会議の熊本県事務局を引き受け、代表らがボランティアであたってきたという。

 一方、契約書類や代表の話によると、少なくとも県内五つの河川国道事務所やダム砂防事務所などが05年7月~07年3月、代表が社長を務める出版社が年数回発行する、地域づくりに関する市民活動や行政の動きを紹介する季刊誌(400円)を毎号5000~1万部ほど購入。同社がつくった「道のノート」「道の副読本」などの学習教材やカレンダーの購入、道守会議とは別の広報企画の運営委託などを合わせ、昨年7月までに計約7580万円を支払った。

 さらに昨年6、10月には、NPO法人に対し広報誌作成や広報活動を計約4430万円で委託。いずれの支出も随意契約だった。

 代表は同会議のイベントで分科会座長を務めるなど中心的な役割を果たし、道路特定財源をめぐる議論が活発化した昨年11月には「熊本の道を語る女性の会」として道路整備を求める要望書を県に提出。今年2月には県知事や市町村長らの東京での陳情にも加わった。

 代表は朝日新聞の取材に「行政機関との契約実績は団体の信用につながり、大きな活動資金になる。一緒にイベントをしたり会議の事務局を務めるなどボランティアで汗をかき、活動を認められたからこその契約だと思う。要望や陳情は自分の意思でしたことだ」と話した。

 九州地方整備局は「詳細な事実関係を確認しないとコメントできない」としている。

(朝日新聞)

[引用終わり]

長くなりすぎたので、今日はここまでにしておく。



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