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東京地検特捜部は、防衛施設庁審議官3人を逮捕した。防衛施設庁前技術審議官の生沢守・現技術審議官河野孝義・総務部施設調査官松田隆繁容疑者。空調設備工事をめぐる談合・競争入札妨害の容疑である。防衛施設庁は故石井紘基代議士が暴露・追及した調達実施本部の事件で徹底的に叩かれたはずだが、「天下り受け入れ」に恭順の意を示す業者を優先して官のイニシィアティブで談合していたというのだから腐敗の根は深い。小泉政権がいかに「官の特権」に改革のメスを入れないかの証明材料が、またひとつ増えたわけだ。

予算委員会の再開前の待機時間に検索してみると、河野孝義技術審議官は国会で普天間基地移設をめぐって大田昌秀参議院議員(社民党)の質問に対して、つい最近国会答弁をしているのだ。

○大田昌秀君 防衛施設庁にお伺いします。
 辺野古海域のボーリング調査に対して、多様な生物がすむ海を踏み荒らすことになるとして、地元住民を始め自然環境団体が猛烈に反対して騒ぎが起こっておりますけれども、防衛施設庁は、この地元住民、反対している人たちに対して、具体的に環境問題なんかについて説明され、あるいは工事の内容について説明されて、納得のいくような説明の仕方をされていますか。と申しますのは、絶えず地元の意向を尊重して何でもやるという趣旨のことをおっしゃっていながら、なぜこのような騒ぎが起こるんですか。
○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。
 普天間飛行場代替施設に係る現地技術調査は、代替施設の建設場所が非常に複雑な地形である、海底地形であることから、設計に先立ち、護岸構造等の検討が適切であるか技術的に確認するために必要なデータの収集を目的として、昨年から地形及び気象調査に着手し、地質及び海象調査につきましては、去る四月七日、沖縄県から海底の使用に係る公共用財産使用協議の同意が得られ、所要の準備が整ったことから、今月十九日から同調査のための現地作業に着手したところであります。
(平成16年6月1日参議院外交防衛委員会)

○大田昌秀君 防衛施設庁にお伺いいたします。
 二〇〇三年九月、日米の環境保護団体が、アメリカのカリフォルニア州北部地区連邦裁判所オークランド支部に対して、米国の文化財保護法に基づいて名護市辺野古沖に生息するジュゴンの保護を求めて米国国防総省とラムズフェルド国防長官を相手取り提訴いたしました。これに対して米政府側は、建設主体は日本なので米国は関係ないと却下を求めましたが、米連邦裁判所はその主張を退けて既に実質審理に入ったと報じられています。この件について防衛施設庁はどのように認識しておられますか、そしてどう対応なさるお考えですか。
○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。
 米国におけるジュゴンの保護に関する訴訟につきましては、米国内での訴訟事案でもあり、所見を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
(平成17年6月13日 参議院沖縄及び北方に関する特別委員会)

米軍再編の日米協議は中間報告を出して、普天間基地移設問題をキャンプシュワーブの陸上+海上案で押し切ろうとしている。防衛施設庁を代表して、国会答弁してきた人物が談合事件で逮捕されるという事態は、「防衛省の昇格」どころではない腐朽ぶりを示した。

小泉政権が行おうとしているのは、「構造改革」の名で天下り自由自在の役人天国を増長させ、政治の抑制を外した姿である。厚生労働省・雇用能力開発機構の補助金不正請求問題も見逃せない。ひさびさに民主党の若手が頑張り、質問主意書無視・国会軽視の内閣がたびたび立往生している。


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