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衆議院青少年特別委員会が開かれ、猪口邦子大臣と議論する機会があった。本来は、学者でオリジナルな言語表現を得意としているはずなのに、このところ慎重に答弁書を読み上げていることが多い。今日は政府の「ニート対策」なるものを俎上にあげて議論をする予定だったが、少し旧聞に属するかもしれないが1月31日の記者会見で猪口大臣が発言した『待ち組』の真意を問うことにした。

「政治家同士で議論しましょう。大臣自身の発言ですから、答弁書は見ないでなまの言葉で答えて下さい」と念をおして『待ち組』発言の議論に移った。「大臣記者会見要旨」にその発言の記録が残っている。

「最近よく勝ち組、負け組と言いますが、私はそもそもそういう二項対立的な物事のとらえ方は20世紀的であると思います。総理も国会でおっしゃっていたとおり、そんなに単純な話ではありません。いろいろな多元的・多角的な物の見方があるではないか。全部勝っている人なんていないし、全部負けている人もいないわけです。
 でも、いま一つ私が思いますのは、実は『待ち組』という概念があるのではないかなと。勝ち組になるか負け組になるか恐くて、待っているわけですね。そこはとても残念です。今、時代がよくなろうとしているわけだから、もっと自分の能力や可能性を社会に還元したらいいと思います。そのときに、等身大の自分に出会わなければならないから、それなりにつらい部分もあるかもしれないけれども、恐れないで打って出てはどうでしょうか。私からすれば負け組の人は立派です。その人たちは少なくとも戦ったんです。残念なのは待ち組の人たちです。負けるかもしれないけれども打って出れば、負けても必ず復活できるというのが、小泉総理が目指した社会ではないでしょうか」

フリーターやニートと呼ばれる人たちは『待ち組』なのだろうか。とすれば、いったい何を反省しろと言いたかったのかと聞くと、猪口大臣は「フリーターやニートを待ち組と言ったのではありません」と言い、「自分の発言は、『勝ち組』『負け組』の二項対立的な考え方ではなく」という部分を強調した。それでは、いったい誰が『待ち組』なのかと突っ込むと、猪口大臣は明確な答弁が出来なかった。

『待ち組』というのは二項対立的な考え方を打ち消すために言ったまで、というにしては、記者会見要旨では「挑戦しないで様子をうかがっている人」とやけに具体的に語っている。「もし二項対立を打ち消すためというなら、『さわやか組』でも『ゆっくり組』でもいいでしょう」と水を向けると、「そうですね」という感じだった。あまり、ネチネチと追及するのはさわやかでないので、「政治家、わけても大臣が人のあり方にラベルをはるような言動は慎重にしてください」と苦言を呈した。

つい最近までは、「ひきこもり対策」がトレンドだった永田町の青少年対策も、すっかり「ニート対策」にとってかわっている。学校にいかず、仕事もしていないというニートの定義に問題はないだろうか。イギリスで16歳から18歳までの限られた若者たちの年齢層で失業者も含むというニートの概念は、日本では15歳から34歳までとぐっと拡大して、失業者は含まないと大きく違う。日本語でニートと言うとネガティブな響きになっているのは、『待ち組』発言同様に問題を錯綜させ、見えなくしているように思う。

ひきこもり対策で必要なのは、コミュニケーシュンの問題だったのだが、いつのまにか「就労対策」にすりかえられてしまっている。昨日、質問予告の際に「30代、40代のひきこもり」の人たちのサポートを聞くよと言ったら、厚生労働省と内閣府の間で答弁者がなかなか決まらなかった。すなわち、学生や青少年でない年代の人たちが抱えている問題に「猪口大臣、ぜひ取り組んで下さいね」と提言して質問を終えた。


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