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昨日の法務委員会において、鳩山邦夫法務大臣との「死刑」をめぐる議論を行った。持ち時間が15分と短いので、深い議論は出来なかったが、「死刑の情報公開」「開かれた議論の開始」については、鳩山大臣から積極的な答弁があった。法務省の中で鳩山大臣が開いている「勉強会」にも参加をさせてほしいとの要望については、「当然、死刑廃止論者の話も聞きたいと思っている」という答弁を得た。早々にその機会を得たいと思っている。

以下は、当事務所で速記起こしをした仮議事録である。正式な議事録は、後ほど衆議院のホームページで公表されるが、それまで時間がかかるので紹介することにする。()内は当方で加筆した部分。

保坂(展)委員:社民党の保坂展人です。
鳩山大臣に、きょうは死刑の問題を中心に伺っていきたいと思います。第二次安倍内閣で法務大臣になられて、そして(9月に)総辞職をされた後、御発言があったということについては、先ほど来、神崎先生や中井先生からもやりとりがありましたので、その発言自体は非常に驚いたわけですけれども、私は、御存じの通り、死刑廃止を推進する議員連盟の事務局長ということをやっています。

実は、鳩山大臣も御存じかと思うんですが、2003年に終身刑導入及び死刑制度調査会設置等に関する法律案、これは自民党はまとまらなかったんですけれども、これを各党で議論していただいて、国会の中で死刑の問題を議論する場をまずつくりましょうよ、そして事実上の終身刑を設ける、その議論をしている間は死刑の執行停止をしよう、こういう法案だったんですね。

 鳩山大臣の雑誌でのインタビューとかいろいろ御発言を見ると、死刑制度についてしっかり議論したいんだと。むしろ死刑制度についての議論は、法務省の中ではパンドラの箱というかタブーと言うか、これをいわば一番嫌がっているんですかね、ちょっと見ましたけれども。そういうことじゃいけないという風に言われていることについては私も、意見は違いますけれども、非常にその通りだと思います。死刑と言う重い問題について黙ってしまって、議論はしない。

 実は、中村正三郎法務大臣のときに、それまでの法務省は「死刑を執行したかどうかも言えない」という立場だったんですね。これは再三この委員会でも言いまして、「それはおかしいではないですか」と。現状は、大阪拘置所で何人、名古屋拘置所で何人、これだけを公表すると言う仕組みになっています。

 そこで、ぜひ私もお話をしっかりしていきたいと思いますし、きょうは限られた時間ですので、法務省の中の勉強会、先ほども議論がありましたけれども、関係局長の方とか課長さんとか、お集まりになっていると思うんですが・・・(発言する者あり) まだですね。ぜひ、大臣、私も呼んでいただけませんか。ぜひ、刑事局長や矯正局長とも長年議論してきましたし、そういった異なる考えを持つ人の意見を聞くことについてやぶさかでないとおっしゃっていますので、いかがですか。

鳩山国務大臣:私、神崎先生の御質問に一番長くお答えをしました。それは、私、マスコミ、新聞社の社説なんというのはああいう書き方しかないのかなと。それはやはり彼らも職業ですから、私の話を聞いて書いてくれるわけではありません。そうしますと、法務大臣の資格がないんじゃないかとか、そういうふうな議論がすぐ出てくるわけですが、私、決して思いつきで物を言っているわけではないわけで、私なりに苦しみもあるかもしれませんが、問題を提起することが大事だ。

 仮に、このパンドラの箱のふたは閉めておきたいと法務省は思ったとしても、これはやはり、刑事訴訟法があって、それの要請する事態に全くなっていないとすれば、いろいろな考え方があるわけで、その一つとして死刑というものはもうなくそうではないかというEU的な考え方をお持ちの方がおられて、そして保坂先生がその重要なお役をやっていて、まあ、鳩山さん、話をしようじゃないかということを事務局を通して聞いたものですから、ぜひ先生のお話を承りたいと。

 それは、ある方は私のことを人間でないとおっしゃったんですよ。人間でないと批判する方に何も、そういう方の人権感覚を疑うわけですから、それは別ですが、私はこの間、EUの三人の方がおられますね、次期議長国、前議長国、今の現議長国、その三人の方からもゆっくりお話を承って、なるほど、そういう考え方があるんだなということを私なりに理解をする。

 したがって、勉強会というのは、先ほども申し上げましたように、今どういう状況になっているのか、戦後の歴史的経緯はどうであるか、あるいは実際、施設の中でどういう日常を過ごしているかということまで勉強いたしておりますが、私はこれは勉強会で、従っていつまでに結論を出せるという話ではありませんと神崎先生にもお話をしたところであって、当然、死刑廃止論者のお声を聞く機会は持ちたいなと思っております。

保坂(展)委員 ところで、東京拘置所に大臣が視察に行かれて、私は、この死刑廃止の立場で、ただ廃止か存置かというだけではもう話がかみ合いませんので、まずは情報公開でしょう、刑場がどうなっているのかぜひ見たいということを三年から四年にわたって言っていたんですね。行刑の改革の議論があって、これも03年の7月だったかと思いますが、当法務委員会で、全会、与野党一致して、では見に行きましょうと。東京拘置所が新しく建てかえられたということの中で、刑場も見ました。今なお、「刑場はどうだったんですか」という取材が私のところに来るんですね。当時スケッチしたことをもとに、こんなぐあいでしたというふうにお答えはしているんですが。

 私は、刑場を見て、やはりここで、実際そのときには使われていなかったんですが、今回使われたということを見て、人の命、これはいろいろな死刑確定囚がいます。もちろん、死刑そのものの議論は、立場がいろいろあるわけですけれども、例えば去年のクリスマスの日に処刑された方は75歳でした。車いすだったんですね、リウマチで。ですから、車いすで刑場まで連れてこられて、大臣もご覧になったと思いますが、あの四角いところに立てないわけです。そうすると、どうやって処刑したのか、これは考えてみるだに非常に恐ろしい話ではあります。それまでは(処刑された死刑囚)最高70歳でしたけれども。

「絞首刑について一考の余地がある」というふうに鳩山大臣はおっしゃっているようですけれども、どういうお考えですか。

鳩山国務大臣:たしか、保坂先生がデッサンされた絵ですよね、あれは。私も見せていただきましたし、私も刑場を見学いたしました。それは、皆さん手を合わせてから入場をするわけです。

 私が思い出したのは、フランキー堺さんが主演をして日本全体がしいんとなったという「私は貝になりたい」。その後、所ジョージさんが再演をされたのも見ました。子供心に、刑の執行という恐ろしいドラマ、あの衝撃は忘れ得ないものがあります。そのことをやはり思い浮かべました。クラッカーかチーズかワインか何かを与えられて、教誨師の方がおられて、それで何杯か飲んで執行されたのが「私は貝になりたい」の主人公でありました。

 今はそういうことはしないようではございますけれども、あの刑場で、どんと四角いところがおっこちていく。絞首刑ということは刑法11条に書いてあるわけですから、死刑は絞首をもって行うと。現行法がそうであることは十分認識いたしておりますが、何かもっと安らかという方法が、安らかという表現はどうか、何かないのかなという率直な思いはあります。

 ただ、あれは、だんと落ちるから、首の骨が瞬間に折れて意識を失うから、だから残虐ではないという説もあるそうですけれども、まあ残虐ではないですね、あの憲法のように。何をもってむごいかどうかということは多少考える余地があるんじゃないかなというのは、私の問題意識としてはあります。ただ、現行法がそう書いてあることも認めております。

保坂(展)委員:今の大臣のお話を聞いていて、ちょうど半世紀前に、参議院で死刑廃止法案、これは我々の議員連盟がつくっているようなこういう案ではなくて、単純に刑法改正案として出たんですね。

 実は、そのときの議事録を見ると、こういう国会の参考人に拘置所長とかが来られているんですね。我々矯正職員の誇りをかけて、戦後の時代ですから、ちょうど羽仁五郎さんが参議院法務委員だったときに、札幌拘置所に行ったら直訴を受けた。「羽仁先生、死刑だけは何とか変えてください」と。拘置所の職員が(死刑廃止)運動の主体なんですね。我々は矯正のために誇りを持ってやっている。つまり、矯正の結果死刑というのは、これは何とか変えられないのかというのが半世紀前の議論でした。

 そのことをよく思い出したんですけれども、ぜひそういう議論をこれから大臣ともさせていただきたいし、できれば社会に幅広くそれを、いろいろな宗教者の方とか、そしてヨーロッパ評議会が日本に20人近いミッションで来られて、我々議員連盟が、死刑存置論の方も含めて、当時森山真弓法務大臣にあいさつをしていただきましたけれども、(この議場に)いらっしゃいますね。そういうこともかつてやりました。ですから、この議論を開いていくということで、ぜひこれからしっかりと議論をさせていただいて、その上でどういうお考えになっていかれるのか、我々も鳩山大臣のお話も聞きたいし、よろしくお願いします。

(仮議事録作成・保坂展人事務所 2007年10月25日)


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