競馬 変わる傾向と変わらない鉄則

前週までの馬券圏内馬の血統や馬番を集計し、次週を推理します

東京D1600m 13番の谷の謎と、外枠有利にはならない上級戦

2016-02-18 22:26:26 | 東京競馬

昨年、掲載したデータに、2015年の成績を追加したものからご覧頂きましょう。

集計期間、馬場改修後の2010年秋~2015年、人気=5番人気以内、穴馬=6人気以下 フルゲート16&15頭立てのレースを抜粋

良馬場での3着以内馬番別成績(良馬場でも雨中のレースは除く)

東京D1600m馬番別成績良馬場

この内、1着馬の馬番別成績

東京D1600m1着馬の馬番別成績良馬場

15年は、16番発走の人気馬の成績が(1-2-3-4-5人気)=(1-6-3-0-5)頭の出走に対して馬券圏内が(0-2-0-0-1)頭でその複勝率20%。15番が(3-4-0-1-2)頭の出走に対して(1-2-0-0-0)頭で、その複勝率30%とよろしくなかったので、昨年に比べると単・複信頼度がそれぞれ0.2ほど悪くなっています。

それでも、やはり外枠有利なコースだという見解になるよなぁ、というのはよく分かります。人気馬の成績だけでなく、穴馬から1着になる馬の分布も9番と8番を境にして、その内と外では大きく変わりますしね。

そんなことを頭に入れながら、まずは有利だと思われる外枠のなかで発生する「13番の谷の謎」について推理していこうかと思います。この13番枠は、フルゲート16頭&15頭立てで行われる良馬場のレースでは、集計を始めた馬場改修後の10年秋から毎年成績が悪い。多少の波はあるけれども、毎年確実に内枠の各馬番とワーストを争うほどに成績が悪いのであれば、それは偶然ではなく、何か原因があるはずだと書いてから1年が経ってしまいましたゴメンナサイ。

この13番から勝ち切った15頭の3コーナー通過の位置取りを見ると、

10年10/23 グラヴィテーション (*9,13)10-15-(1,4,14)(3,7,12,16)5,6(2,11)8  13⇒5⇒7

11年1/29 ビギンマニューバー (5,*9)(2,13)(6,16)(1,11,14)(3,7,15)4,12-8-10  13⇒12⇒4

11年11/26 ウォンビーロング 6,8,15(4,13)(2,9,14)(10,12)(1,7,16)(5,11)  13⇒16⇒8

12年2/19 ゴールドゼウス 4,11,13(3,7,15)(5,9,12)(14,16)-10,8,2-1  13⇒7⇒12

12年5/27 ケイアイエレガント 2,14(5,15)(4,16)(8,13)(6,3,9)-7(1,10)-(11,12)  13⇒16⇒4

12年10/6 ヤンキーソヴリン (*2,14,13)(3,10,15)11(8,12,16)(7,5)-9,6,1=4  13⇒15⇒2

13年2/2 トーホウビューティ 1,15(2,138(3,11)(4,10)(7,12)14(9,6)-5  13⇒15⇒3

13年6/9 デルマハンニャ (*8,16)(6,9)7(13,15)14(2,3,10,4)-1-12,11,5  13⇒9⇒14

13年11/9 テスティコ (*3,6)7(5,9)13(1,14)-(8,12)(2,15,16)(10,11)-4  13⇒6⇒7

14年2/23 コパノリッキー 5,13(3,14)(6,15)(2,4,12)(7,10)(16,1,11)8,9  13⇒15⇒11

14年6/1 デジタルフラッシュ 1(7,4,11)(6,8,13)(3,12)(9,14)(5,15)10-2-16  13⇒12⇒15

15年5/17 ソルティコメント 6(9,12)1(4,7,11)(3,13)(2,14)(10,15)-5,8  13⇒6⇒10

15年5/23 オンユアマーク (*6,13,14,10)-(3,7)-2,9(1,5)(15,4)-(8,11)16-12  13⇒5⇒6

15年6/13 シャドウチェイサー 13,14(12,15,16)(2,4)(5,8)11(3,9,6)10,7,1  13⇒5⇒12

15年10/31 モリトタイキ (*2,16)13(4,15)(7,11)14(1,10)9(3,6)8(5,12)  13⇒16⇒10

前後左右に、隣枠12,14番の馬があまりいないことが分かります。

今年も須田氏の馬券率向上大作戦(netkeiba.com)から引用させて頂きますが、

内枠馬が不振なのは「スタート直後に外から寄られて位置を下げる」か「それに抵抗して位置をとろうとしたぶん、末が甘くなる」

この内枠馬の不振と同様のことが、13番枠には言えるんじゃないかと思うんですよ。14,15番辺りに同脚質の馬がいた場合には、「外から寄られて位置を下げるか」か「それに抵抗して位置をとろうとしたぶん、末が甘くなる」。また、11,12番辺りに同脚質の馬がいた場合には、「譲って1頭分下げると直線届かない」し、「抵抗して並んでコーナーへ向かえば外を回されたまま距離ロスが発生する」し、「もっと主張して前の位置を取り切ると末が甘くなる」。

13番枠が不振なのは、内と外の両サイドから最大の圧を受けやすい馬番だからなのではないかなぁと思います。だから13番からの発走馬が好走する条件は、両隣やもう少し広げたご近所さんに同脚質があまりいない事が理想だと言えるでしょう。この13番の谷は、東京D1400mでもD1300mでも発生しているんで、東京ダートコースの構造上の問題なのでしょうが、まぁ、原因は何であれ、東京ダート(1300m、1400m、1600m)の13番枠には不審(不振)な谷が存在する。これは覚えておいて損はないでしょうね。

 

次に、世間と逆張りばかりしているヘソ曲がりだと思われるのもアレなんですが、見つけてしまった傾向なんで紹介します。あっ、私も昨年までは、フェブラリーSは外枠有利だと主張していたことは予め告白しておきますよ。このデータを目にして戸惑ってもいます。

上記良馬場260レースの中から準OPクラス以上33レースの3着以内馬番別成績

東京D1600m馬番別成績良馬場準OPクラス以上では

この内、1着馬の馬番別成績

東京D1600m1着馬の馬番別成績良馬場準OPクラス以上では

そもそもの話ですが、世間でよく見かける過去10年で調べたフェブラリーSの7,8枠の好成績。馬場改修前の5年分の成績も一緒にまとめてしまって導かれたデータって、信頼に値するものなのでしょうか。改修前のD1600mは、今よりさらに外枠有利な傾向でしたからねぇ。

で、3着以内複勝率では4~1番47%、16~13番36%。1着馬に絞っても4~1番12%、16~13番10%と、下級条件では明らかに分が悪い内枠の方が、準OP以上のクラスでは好成績を上げるという逆転現象が起きています。

何なんでしょうねぇ・・・。取りあえず、4~1番と16~13番から1着になった各7頭の4コーナー位置取りを見ましょうか。

10年11/14 4番グロリアスノア 8,13(1,15,7)(4,2)(3,14)(9,6,12)(10,11)(16,5)  4⇒15⇒7

11年2/20 2番ロラパルーザ 11(13,10)(6,8)(3,14)(1,9,7)4(5,12)(16,15)2  2⇒4⇒3

12年5/26 4番トシギャングスター 13(14,15,9)6,5(1,10,11,16)(4,8,12)3-7 2  4⇒6⇒3

12年6/3 4番ストローハット (*2,3)5(13,16,14)10(4,15,12)(7,6,11,8)(1,9)  4⇒8⇒3

13年2/17 2番グレープブランデー (*5,6)(1,7,11,15)(2,4,9)(10,8,12)(3,14,13)16  2⇒6⇒10

15年2/22 4番コパノリッキー (*16,4)(15,14)(7,8,3)(13,10)9(2,11,5)(1,6,12)  4⇒14⇒10

15年11/21 1番プロトコル (*3,14,10)7(5,8,15)(1,9)(2,6,11,12,16)(4,13)  1⇒11⇒7

須田氏のデータによると、「枠番ベースで1枠2枠に入った馬の回収率は、4角3番手以内の馬は単勝57%・複勝90%で、反対に4番手以下だとかなり厳しく、単勝29%・複勝53%」なのですが、ここでも逆転現象が起きていて、4角3番手以内の馬で1着になったのは7頭中1頭のみ。

10年10/16 15番ユノゾフィー 3,4(9,11)(8,16)14(2,15)(6,10)(5,13)12(7,1)  15⇒4⇒9

11年6/5 14番ロンギングスター (*10,6)3-14,4(9,13)15(2,7)(12,11)-(5,8)-1  14⇒9⇒6

12年2/19 16番テスタマッタ (*8,14)(13,15)(6,9,11)(2,10)(1,7,12)(5,16)3,4  16⇒3⇒10

13年2/17 15番チャーリーブレイヴ 4,13,7(3,11)(6,16)-(2,15,5)9(8,1)-(10,12)14  15⇒9⇒7

13年4/27 14番サンライズブレット (9,*16)-(2,5)(6,12)(1,14)10(3,8,13)(11,15)7,4  14⇒3⇒7

14年2/23 13番コパノリッキー 5,13(3,14)(6,15,12)(2,7,10)(4,11)(16,1,8)9  13⇒15⇒11

15年5/17 14番メイケイペガスター (*14,11)(13,7)3,4(1,15)(2,6)10(5,12,16)8,9  14⇒11⇒3

計14レースの結果を見ると、後方10番手以降から馬券圏内に飛び込んできたのは、テスタマッタを除いて11番から内の馬ばかり。

14番カネヒキリが、12番サンライズバッカスが馬場の真ん中から豪快に差し切ったのは馬場改修前のことです。

12年にテスタマッタがフェブラリーSを勝った週というのも、その他に後方2番手から差し切ったフジキラメキや同じく後方2番手から強襲2着のゲンテンなど、いわゆる差しが決まるバイアスだったんですよねぇ。それを考慮すると、スタンダードな馬場だった場合、16~12番発走馬は中団の位置を確保していないとどうにもならないコースなのだと、東京D1600mの外枠有利で差しが届くという定番のイメージを覆すような仮説に達してしまいます。

う~ん、どうなんでしょう。

つづく、かも。