競馬 変わる傾向と変わらない鉄則

前週までの馬券圏内馬の血統や馬番を集計し、次週を推理します

皐月賞回顧 その2 そして消す馬がいなくなった

2013-04-29 23:53:27 | 中山競馬

ゴールドシップ、今年は国内専念だそうですから、秋は東京で1分58秒台の2000mと2分23秒前後の2400mが待ってます。共同通信杯では、スタートから押して押して押しまくって好位に取り付くレースぶりを見せてくれたのですが。陣営の策や如何に。

 


遅まきながら皐月賞の回顧です。

皐月賞の夜、私は過去の皐月賞の映像をJRAレーシングビュアーで見ながら一杯やっておりました。

このJRAレーシングビュアー、今のところ2002年までの全レース映像を視聴できます。これまでのYouTubeで検索して探しまくって、ようやく見たいレースの何割かを見れるという環境からすれば大きな進歩で、とても重宝しているんです。ステマじゃないですよ。いいものはいいと。90年代、80年代の映像も視聴できるようになったら最高です。

で、道中は中団の内ラチ沿いをジッとしながら力を溜め、3~4角中間で加速しながら外に出していくロゴタイプのレース運びが、2002年のノーリーズンとそっくりなんですね。それに気づいた瞬間に声を出して感嘆し、そこから思考が止まってしまいました。騎手は2002年がドイルで今年はM.デムーロ。すげぇ~なぁと。その声が外国人騎手に対しての称賛なのか私自身もよく分かりません。分かろうという気持ちを放棄しているのだと思います。この気持ちを整理しないままに、すげぇ~なぁを抱えてしばらく過ごしたいんですね。だから、どんな視点で回顧記事を書こうとも、最後はすげぇ~で結ばれる小学生のような文章なら書くこともないだろうと。恥の文化の国の生まれだもの。

まぁ、こうして改めて回顧記事を書くからには今後の馬券の参考になるような、拙ブログの場合は、攻略の切り口で提示した予想アイテムの成否を中心に書いていこうと思います。よろしくお付き合い下さい。

 

まずはキンカメ産駒の取捨について。

『土曜と同じ馬場=これ以上砂を撒かないなら、コディーノや他のキンカメ産駒にとっては願ってもない馬場』ではないかと予想しました。サンプルデータがまだ少ないので、ブログに書くのはもう少し様子を見てからにしようと考えていたのですが、キンカメ産駒は砂を大量に撒かれた馬場(不良砂馬場)が苦手なんじゃないだろうか?という仮説を少し前に立てて注目していたのです。

訳あって、Mahmoudさんのブログのコメント欄に書いたものを引用します。

例えば『良⇒稍重⇒重⇒不良』の変化に応じて、得意・不得意の馬や種牡馬がいることに異論はないでしょう。
同様に、私は『砂なし⇒稍砂⇒重砂⇒不良砂(仮称ですが)』と、目砂量によって得意・不得意の種牡馬が存在するのではないかと仮説を立てています。
出走頭数の多いキンカメ産駒の成績を例に見てみると、
この中山開催では、開幕から3/16(土)までの7日間の成績は(2-4-1-4)でした。
しかし、3/17(日)にコース上に大量の砂を撒かれると、4/6(土)まで6日間もの間、キンカメ産駒は全滅します(0-0-0-14)。この中には、1人気14着、2人気6着、8着、3人気6着、9着が含まれ、期待値の低い馬ばかりだったということはありません。念のため。
そして、7日(日)から雨で稍重になり砂が舞わなくなると、再びキンカメ産駒が台頭し始めました。(3-4-2-7)

7(日)からの(3-4-2-7)には皐月賞当日の成績が含まれており、前日13(土)までの成績は(1-3-1-2)です。そして皐月賞当日には、8Rに2頭(1.2番人気)、9Rに1頭(6番人気)のキンカメ産駒が出走し、その結果は1着、2着、1着でした。従って皐月賞直前までの成績は、(3-4-1-2)となります。

左画像は3/16(土)フラワーC、右画像は3/17(日)5R、当日1発目の芝レースです。私には土曜のレース終了後に、相当量の砂を撒き足しているように見えますが、どうでしょうか。

3/17(日)から4/6(土)まではキンカメ産駒が苦手にしている不良砂馬場に変化(0-0-0-14)。7(日)に稍重で砂が固められた後の13((土)に改めて砂が撒かれましたが、キンカメ産駒の成績(1-3-1-2)から稍砂程度と読み、それが前述の『これ以上砂を撒かないなら、~キンカメ産駒にとっては願ってもない馬場』という予想に繋がります。

そして、当日の4R(1発目の芝レース)のレース映像と、8R&9Rでキンカメ産駒が好成績を収めたことから、若干砂を撒いた気配はあるが軽い補正程度の重砂だろうと見立てました。

左画像は4/13(土)8R、右画像は4/14(日)4R(当日1発目の芝レース)。砂の舞い方にそれほど差があるようには見えないのですが。また、3/17(土)よりは砂量は少ないだろうと私は見立てましたが、受け止め方はそれぞれだと思います。いろんな見解を頂けたらなぁと思います。

本番のコディーノは3着。重砂馬場と読んだ段階でキンカメ産駒を消す理由はなくなりましたから、戦歴を考えたら、まぁ妥当な結果ではないかと。

 

この芝生に砂を入れる目的は、表面の凸凹を直す他に、地温を保ち、生育を促進する為で、ゴルフ場やサッカー場でも行われています。業界では目砂(目土)と呼ばれているようですね。JRAも凸凹を直して危険を回避する為に使用していると、どこかでコメントしたものを読んだ記憶があります。

このような理由で砂を撒くのだと理解すれば反対する人はいないでしょう。しかし、私のように馬番考察と種牡馬を予想プロットに組み入れてデータ収集している者には、砂を入れた前後の、その露骨な変動は興味深く面白いものです。インの不利を砂で補正して公平な馬場を目指した結果、その副作用として、皮肉にもイン・前が有利になりすぎてアウト・差し不利な不公平な馬場が出現しているのが現状だと思います。

そして新たに浮かび上がった、土曜から日曜の間にさらに馬場に手を加える問題。

高松宮記念でサンカルロを買ったり、昨年のダービーでゴールドシップやワールドエースを買った競馬ファンは、声を上げて怒っていいと思うんです。これ詐欺とちゃうんかい!きちんと説明しろや!と。

その声が大きくなって、ようやくJRAはコメントすることになるでしょう。何しろ鈍感な巨象ですから。

で、重い腰を上げて発表するコメント内容というのも、粗方は想像がついちゃってます。

『日曜に行われるレース中の事故防止と競走馬の故障防止のために、土曜の全レース終了後に掘られた凸凹を砂で補修し、これまで以上に馬場の保全に万全を期すようになりました。尚、砂を撒いても時計との間に因果関係がないという見解は従来通り。同様に、砂を撒いた箇所が止まらずに有利になるのではないかという指摘には、ペースとの兼ね合いがあるので直接の影響にはならないという見解も従来通りです。レースそのものへの影響はないという考えは変わりませんから、これからも発表する予定はありません。』

こんな感じでしょう。

私は、開幕週から後半にかけて馬券に絡んでくる馬番の変動や、キンカメ産駒は砂を大量に撒かれた馬場が苦手ではないか等の一風変わった仮説検証のプロセスを常に回しています。その性質上、『馬場に手を加えたら必ず公表せよ』との声には全面的に賛成です。

只、情報公開しろ、情報公開しろと叫ぶだけでは暖簾に腕押しというか・・・。愛しいJRAを振り向かせるためには、『レースそのものへの影響はない』というJRAの説に対して、二の矢でラップタイムなどから反証データを示し、だから公開すべきですよ、と説得するのが本筋の議論の進め方だと思うんです。

しかし、緻密なラップタイムから分析して反証データを用意できる人が競馬取材村の中にいない。残念ですが、私の知る限り。今はブログを通して興味を持ってくれる人を増やして、地道に賛同者を募っていくしかないなぁと思っています。

まぁ、取りあえず、

  • 『砂なし⇒稍砂⇒重砂⇒不良砂(仮称)』と、目砂量によって得意・不得意の種牡馬が存在
  • キンカメ産駒は砂を大量に撒かれた馬場(不良砂馬場)が苦手
  • 砂を入れると、イン・前が有利になりすぎてアウト・差し不利な不公平な馬場が出現

以上3つの仮説検証は、今後とも追跡していきたいと思います。

 

続いてエピファネイアについて。

ある予感がしたものですから、攻略の切り口ではこんなデータを示しました。

2010年秋のG1計11戦、のべ出走頭数は188頭。
   調教後馬体重から増減0~プラスで出走した馬 37頭 内3着以内 12頭(32%)
   調教後馬体重からマイナス体重で出走した馬 151頭 内3着以内 21頭(14%)

エピファネイアの馬体重は前走494kg⇒調教後馬体重484kg⇒本番486kgでした。

調教後馬体重から+2kgでの出走と、さすが角居厩舎と唸らせてくれました。只、前走から-8kgは、陣営も若干の誤算があったでしょう。そして、ダービーはどうでしょう。

また、この馬、パドックでガツンと来るものがないというか、体内から溢れ出してくるコロナが走ることとは違う方向へ向いているというか。クラスでは何でもソツなくこなす優等生に見られているけど、そんな他人の評価を覆せない己自身にイラつく思春期のトゲがいっぱい刺さっている感じがします。一皮剥けるのはもう少し先でしょうか。

 

最後にロゴタイプについて。

冒頭に書いた通り、まだこの馬に対して評価を決めつけたくないんです。すげぇ~なぁ、というボンヤリとした気持ちを抱いたままダービーを迎えたいというか。そのすげぇ~なぁ、が馬に対してなのか騎手に対してなのかを自分で消化しないままに。

フジTVで細江純子さんが返し馬を見て、こう言ってました。

『ゴムマリが弾むよう』

適度な鎌首になっているけれど抑えが効いていて、けど後ろ脚の蹴っぱりが強いから尻が上に弾むように進んでいくという。伝わるかな?ディープインパクトがこの『ゴムマリが弾むよう』な返し馬をしていました。録画している方は是非目に焼き付けて頂きたいと思います。

生涯に一度だけとか、たまにこの返し馬をする馬は何頭か見られるんです。私事で恐縮ですが、ミナレットの新馬戦(14番人気)はまさにそれで、美味しい複勝を頂いた覚えがあります。『ゴムマリが弾むよう』な返し馬は、私には鉄板複勝大勝負のサインなんです。

しかし2戦続けてとなると非常に稀で、G1を複数勝った馬でも滅多に見られません。ですからロゴタイプがダービーでどんな返し馬をお披露目するのか、本当に楽しみです。