新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

街はキライ!

2010年06月22日 14時08分36秒 | 身辺雑記

 昨日の午後。

 定期検診の結果がよかった。

 気分がよかったので、量販店でiPadを見ようと思った。

 蒸し暑かったが、カメラをぶら下げて歩いた。

 通行人にレンズを向ける訳にはいかない。地下鉄への階段を撮ったり、ビルとビルの狭い隙間を撮ったりした。

 交番の前で、若い警官に呼びとめられた。

「何を撮っているのですか?画像を見せてもらっていいですか?」

「なぜ見せなければいけないの?理由は何ですか?」 私は警官に質問をした。

「隠し撮りをしている人がいると、今、通報があったのです」 と、警官の答えだった。

 見せる必要はないと思った。強制的に見るには、令状が必要なはずだ。

「いや、念のためです」 

 警官の言葉は、まるで答えになっていなかった。しかし、揉めたくなかったので、すべてを見せた。

「何かまずい写真がありましたか?」 不満だった私は、嫌味な質問をした。

「いや、特にありません」 若い警官はそのように答えた。

「じゃあ、これでいいですね!」 私は立ち去ろうとした。

「ちょっと待って下さい!」 

 と言いながら、若い警官は傍にいた中年警官に言った。

「ガードマンからの通報だったんです。ちょっと、そのガードマンに聞いてきますので、行ってきていいですか?」 職場を離れる許可を求めたようだ。

「ああ、いいよ」 中年警官は、若い警官に許可を与えた。若い警官は走って行った。

 中年警官は、カメラの問題が多いという話をしていた。みんな神経質になっているらしいのだ。

 しばらくして、若い警官が戻ってきた。その間、約10分くらいだったろうか。

「誰かがガードマンに、隠し撮りの人がいると言ったらしいのです。でも、もう結構です」

 まったく理不尽な話だ。「もう結構です」で済む話ではあるまい。失われた私の時間を、どのように考えているのか。

 怒りがこみ上げてきたが、揉めるのは嫌だった。決していい話にはならない。

 そこへ、老人が怒鳴り込んできた。かなり興奮していた。

 中年警官がうまく宥め、老人はしぶしぶ立ち去った。

 自転車の運転が危ない。なぜ注意しないのか?そんな苦情だったらしい。

 私はまた歩き始めた。

「また来て下さいよ」 中年警官がお愛想を言った。

 (冗談じゃねー!、もう来るもんか!) 

 ムシャクシャしながら、しばらく歩いた。

 JR駅付近で、60代男性に呼び止められた。

「オレだよ、Sです。どうもしばらく」 その男は私に握手を求めてきた。

 Sという苗字はよくある。しかし、その男性に見覚えがなかった。 

「競馬で当たっちゃった。そこでイッパイやろうよ!」 

 男は言いながら、ズボンのポケットから札束を引っ張りだした。束の厚みは5センチ以上ありそうだった。

 たまたまその時、その男のうしろを、初老男性が通り過ぎた。そして、首を横に振りながら、口に指を当てた。「かかわるな!」 という相図に見えた。まるで、尾行の刑事めいていた。 

 私は手を振って、その場所を離れた。

 どのような目的で、私に握手を求め、札束を見せたのだろうか。犯罪の仲間に引き込もうとしたのだろうか。それとも、私をカモにするつもりだったのだろうか。

 相図をしてくれた初老男性は、何者なのだろうか。

 嫌なことが続いたので、iPadへの興味も失せ、そそくさと帰路についた。

「李下に冠をたださず」の言葉が、私の脳裏をよぎった。不用心過ぎたのかもしれないと、反省をした。

 私のような経験は、多くの人がしているかもしれない。しかし、女性にはないのではなかろうか。

 痴漢の冤罪も出かねない。いい経験をさせてもらった。

 街はイヤだ。やはり、山川草木がいい。

    炎昼や逃げ場所求め歩きけり  鵯 一平

 別館として、写真俳句ブログの「ひよどり草紙」を開いてます。

 ご覧いただけると嬉しいです。

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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
せっかく検診の結果が良かったのに、そんな濡れ衣... (蘭子)
2010-06-22 15:57:23
せっかく検診の結果が良かったのに、そんな濡れ衣を着せられて気分が台無しでしたね。
せめて、丁重なお詫びの言葉があれば救われますが。
おまけに「カモ」にされそうになったご様子。何だか、すごい1日でしたね。
お疲れ様でした。
痴漢の冤罪はひどい話です。夫など「男性専用車両を作って欲しい」と言っています。
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蘭子さん、今日は。 (ひよどり)
2010-06-22 16:27:53
蘭子さん、今日は。
私もご主人と同じ気分です。
男性専用車、女性専用車、共用車の三種類を走らせてほしいと常々思っております。
被害に遭われた女性は大変なものを背負わされるのだろうと思いますが、冤罪で泣く男性もいます。
家族も職場も失われます。
本当に困った世相になったものです。
うっかりはできないですね。
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わたしも、今日、神保町交差点で人間ウオッチング... (志帆)
2010-06-22 18:52:32
わたしも、今日、神保町交差点で人間ウオッチングしてました。何事もありませんでしたが、たまに喧騒に身を置くと解放されるような気がします。

気分が良くていらしたのに、濡れ衣をきせられて残念でした。街中に高齢者の姿が少ないですね。
もっとのし歩けばいいのにと思います。
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志帆さん、今晩は。 (ひよどり)
2010-06-22 20:24:06
志帆さん、今晩は。
私は、今、街がいやになりました。
この国の街は、明らかに病んでいます。
誰かの権利が主張され過ぎ、そのことによって、誰かの自由が損なわれ、ひょっとしたら名誉に傷が付きかねません。
もちろん、一部の不心得者のせいかもしれませんが、やりきれない気分です。
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これでは、ひよどりさんでなくても だれでも怒り... (Rei)
2010-06-22 21:12:40
これでは、ひよどりさんでなくても だれでも怒りますよ。
同じ日にいやな出来事に二つも遭遇されて、お気の毒でした。
精神的損害賠償を請求したくなりますし、
人権問題でもありますね。

いやな世の中になったものです。
後ろから誰かくるともしや 「引ったくり?」 と疑う私です。
情けないことです。
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Reiさん、お早うございます。 (ひよどり)
2010-06-23 07:09:42
Reiさん、お早うございます。
今は、街嫌いの人間恐怖に陥っております。
何処に何が潜んでいるかわかりません。
被害者になるばかりか、加害者にされることもありうるのです。
ほとほと都会が嫌いになりました。
家に籠もっているのが何よりです。
返信する
 どちら側も分かるような気がします。 (太郎ママ)
2010-06-23 07:53:27
 どちら側も分かるような気がします。
 私もあれこれ写真を取りますが、自分に向けられているのではないかと思った人は不審者に思えるかもしれないですね。気をつけようと思います。
 都会は特にどこにでも人がいます。困った事態になりかねませんね。
 ひよどり様も気分悪い一日でしたね。せっかく検診が良い結果だと浮き立っていたでしょうにね。

 気分一新して、また素敵な写真と句を拝見させてくださいね。
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ひよどりさん; (tomi)
2010-06-23 08:26:19
ひよどりさん;
今日はすごい事になった一日でしたね、お見舞い申し上げます。

日本はこんなに神経質にいつからなったんですか?
いくらなんでも ポリス も人を見る力も養うべきです。

日本の女性も過敏に反応しすぎるのでは、それはこちらでも有りますが 人品骨柄 も物を言いますいい加減にして欲しいですね、又人が過密しすぎです
女性専用車 が有るのは良いのですがそんなに男性の痴漢は多いですか、きっと冤罪の方も多いのでは?

それとポリスはもっと相手に何事も無かったら敬意を持って失礼を詫びるべきです、こちらでその様な事が有ったら訴訟までに発展しかねません、人権は最大の問題ですから。

検診何事も無く済みおめとう御座います。
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太郎ママさん、こんにちは。 (ひよどり)
2010-06-23 09:05:29
太郎ママさん、こんにちは。
女性は加害者として疑われることはないと思います。
男性だけが対象の疑いです。
現に犯罪が行われているから、疑いの目が厳しくなるのでしょう。
本来は人権問題なので、近くに事務所を構えている弁護士の知人がいたので、出てきてもらおうかとも思いました。
こんなに不愉快な気分が続くのだったら、弁護士に出てきてもらえばよかったと思いました。
返信する
極論ですが、冤罪の発端はこういう場面からかも知... (だんだん)
2010-06-23 09:07:12
極論ですが、冤罪の発端はこういう場面からかも知れません。
周囲に目を配る→変なのがいる→通報する。
そこには、良からぬ目的か否かの状況の把握がなされてません。
いち庶民が罪人になる瞬間がある、を実感しました!
誰にも起こり得る…横暴な警察に震撼します
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