哀しみは語るべからず枯芙容 ひよどり 一平
(かなしみはかたるべからずかれふよう)
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喜寿だの米寿だのと生きて来れば、出会う哀しみは数えきれず。
そんな一つ一つを口にしたらキリがない。言えば哀しみは増えるばかりだ。
そんなものは、人生の道端にある枯草みたいなものかもしれない。
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体調不良でウダウダ言っていたら、若い友人からガツンとやられた。
「私はあなたの年齢ほど生きられないかもしれないけれど、そんなことを気にしていたら、日常が楽しくは廻らない」
なるほど、なるほど、それは、そうだ。そんなものかも知れない。どうせ、なるようにしか、ならないのだから。
少し胸のイタミが軽くなった感じがする。
日常を楽しく充実させるには、細かな体調不良なんぞにイチイチ悩まないほうがいいですよ」
なるほど、そんなものかも知れぬ。