秋の草花は、どちらかと言えば、あまり立派でないほうがいい。
群生しているコスモスは、一つ一つはいじらしく見えながら、群の力を借りて輝いている。
その点、他の草々に混じって咲くコスモスのほうが、弱々しくていじらしい。
写真のコスモスは、赤まんまの群の中で、ひっそりと咲いていた。
遠慮気味で、なんとも哀れだ。
赤まんまはもとより威張って咲く花ではない。群生はしているが、それぞれ目立たない。
そんな中のコスモスは、さらに肩をすぼめている。だから愛おしい。
やすらぎやどの花となく草の花 森 澄雄
今は亡き俳人、森澄雄氏の句だ。
かかる安らいだ心境こそ、秋の日に相応しい。
とは言え、「安らぎ」はとかく難しいもの。
台風19号がやって来る。とてつもなく凄いらしい。
荒れずに過ぎ去ってほしい。沖縄付近で、曲がらなくていいではないか。