4月23日、参議院本会議での鳩山演説。
「すべての政策に職を賭す覚悟で臨んでいる。普天間の問題も、当然含まれている」
どのような受け止め方をしても、ここまで言えば、「出来なかったら退陣する」と言明したことにならないか。
この国の総理大臣が、「職を賭す」覚悟を示しながら、「5月末まで」という期限を自ら区切った筈だ。
だが、いまだに道筋さえ見えない。
それどころか、5月13日夜、鳩山総理は、普天間移転問題について、「5月ですべてできあがったということは、なかなか難しいかもしれない。6月以降も、安全保障の問題は議論しなければならない」と言った。
つまり、引責辞任を否定し、「6月以降も継続して調整する」と表明したのだ。
ここまで来ると、「言葉が軽い」という表現ではなくなる。
日本国民はもとより、アメリカ政府をも、裏切ったことになるのだ。
この事態は、ひとり鳩山由紀夫氏が嘲笑されるだけでは収まらない。
彼ひとりの信用失墜はどうでもいいが、日本国がアメリカや諸外国の信頼を失うことに繋がり、我が国の安全保障にも大きな問題を残したのだ。
もはや「言葉が軽い」という批判だけでは済まされない。
閣僚たちの腰砕けにも呆れた。
野党の無力にも失望した。
以前の日本には、「保守」と「革新」の対立構図があり、「「革新」のエネルギーが大きなうねりを見せたことがあった。
現段階において、鳩山政権に「ノー!」を突きつけるエネルギーは乏しい。
鳩山由紀夫氏へ向けられた嘲笑は、すべての日本人に向けられたものと考えるべきかもしれない。
嘲笑されるに止まらない。
安全保障が脅かされることにもなりかねず、ことは極めて重大だ。