さすらい歩きに憬れを抱いたころがあった。
もちろん、家庭を持ってからは、そんなことを考える余裕がなくなった。
家庭の建設だけで精いっぱい。
無理矢理頼んで結婚しもらったカミさんなのだ。まさかさすらい歩きはできない。
すぐに愛想づかしをされるのがオチだ。
無茶が出来たのは、やはり学生のころまで。
松尾芭蕉は漂泊の俳人だったらしい。
旅に病んで夢は枯野をかけめぐる 芭蕉
流浪の旅先で病んだ折り、芭蕉が詠んだ俳句だ。
私など、いまさら流浪の旅はできない。路上生活もままならない。
病院に運ばれる前に、冷たくなってしまいそう。
せめて浮き寝の鴨に、思いを委ねることにしようではないか。
浮き鴨におのが漂泊委ねたり 鵯 一平
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