The Society of Hormesis ホルミシス学会

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降圧剤CCB、長期服用で乳がんリスクが倍以上に

2013-08-16 09:45:43 | 薬効
ある種の血圧降下剤を10年以上服用している閉経後の女性は、乳がんを発症するリスクが2倍になるという調査結果が5日、米医学誌「米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association、JAMA)」に発表された。

 この研究論文によると、降圧剤のカルシウムチャンネル拮抗薬(CCB)を服用している女性は、服用していない女性に比べて、乳がんリスクが2.4倍から2.6倍高くなるという。

 今回の調査結果は、観察的研究に基づくもので、リスク増加をもたらす原因には言及していないが、公衆衛生上大きな意味合いを持つ結果かもしれないと専門家らは指摘する。

 論文によるとCCBは、2009年に米国で一般的に使用された処方薬の第9位で、実際に調合された処方箋の数は9000万以上に上っている。CCBの種類には、アムロジピン(amlodipine)、ジルチアゼム(diltiazem)、フェロジピン(felodipine)、イスラジピン(isradipine)、ニカルジピン(nicardipine)、ニフェジピン(nifedipine)、ニソルジピン(nisoldipine)、ベラパミル(verapamil)などがある。

 CCBには、心臓や動脈の筋肉へのカルシウムの流入を阻害し、血管を拡張して心拍数を下げる効果がある。

「利尿剤、ベータ遮断薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)など、他の血圧降下剤には、乳がんリスク増加との関連性はない」と論文は述べている。

 今回の乳がんリスクの調査は、米北西部ワシントン(Washington)州の55~74歳の女性を対象に実施された。このうち、浸潤性乳管がんを発症した人が880人、浸潤性小葉乳がんを発症した人が1027人、がんを発症していない対照群として参加した人が856人だった。

 調査の結果、発症確率が乳管がんでは2.4倍、小葉乳がんでは2.6倍高くなることと、CCBを10年以上にわたって服用することに関連性が見つかった。

 米ボストン大学(Boston University)スローン疫学センター(Slone Epidemiology Center)の上級疫学者、パトリシア・クーガン(Patricia Coogan)氏は、本論文の解説記事で「今回の調査により、CCBの長期にわたる服用が乳がんリスクを増加させるという仮説を裏付ける確かな証拠が得られた。事実であれば、この仮説の臨床上および公衆衛生上の意義は極めて大きい」と述べている。「今回の調査で明らかになった2~3倍のリスク増加に対する確証が得られれば、CCBの長期服用は、乳がんの改善可能な重大リスク要因の1つとして位置付けられるだろう」

「睡眠不足で太る」脳のメカニズムを解明

2013-08-16 09:43:37 | 薬効
睡眠不足が脳活動の変化を引き起こし、結果として強い空腹感を感じて太る食べ物を食べたいと切実に思うようになる証拠を発見したという研究論文が6日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に発表された。

 研究者らは、先進諸国での肥満の急増と睡眠時間の減少との間に相関関係があることを以前より指摘してきた。因果関係は存在すると考えられてきたものの、そのメカニズムはこれまで科学的に説明できなかった。

 米カリフォルニア大学(University of California)の研究チームは、MRI(磁気共鳴画像装置)を使って、睡眠不足の被験者の脳活動における変化を特定したという。

 被験者23人に対して、頭部のMRI検査を2回実施した。1回は夜間に十分な睡眠を取った後に、もう1回は夜間に十分な睡眠を取らなかった後に実施した。被験者には翌日、80種類の食品の写真の中から、食べたい品目と分量を選ばせ、その間に脳活動を測定した。

 研究チームは、睡眠不足の被験者の中で、大脳皮質の食欲と満腹感を評価する領域に脳活動の低下が見られることを発見した。またこれと同時に、渇望に関連する脳の領域に脳活動の上昇が見られた。

 論文の共著者の1人、カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)のマシュー・ウォーカー(Matthew Walker)氏(心理学)は「さらに興味深い結果は、睡眠不足の被験者が高カロリー食品により強い食欲を感じた点だ」と指摘する。

 ウォーカー氏はAFPの取材に、「適切な判断と決断をつかさどる領域で脳活動が低下し、同時に報酬に関連する領域で脳活動が増大するというこれらの調査結果は、互いにぴったりと適合しており、睡眠不足と体重増加と肥満との間の関連を説明できるかもしれない」と電子メールで回答。「常に十分な量の睡眠を取ることは、体重管理を促進する重要な要素の1つになるかもしれないことを今回の調査結果は示している」と結論付けた。

陣痛促進剤を使用した妊婦は、自閉症を持つ子供を産むリスクが高くなる

2013-08-16 09:40:51 | 薬効
陣痛促進剤を使用した妊婦は、自閉症を持つ子供を産むリスクが高くなるかもしれないとの研究論文が今週、米国医師会(AMA)が発行する医学誌「JAMA小児科学(JAMA Pediatrics)」に発表された。

 今回の研究は、この問題に関するこの種の研究では最大規模のものだが、陣痛の誘発が発達障害の原因と断定するには至っていない。米国では子供の88人に1人が発達障害を発症している。

 今回の研究はむしろ、さらなる研究の必要性を指摘するものだと、論文の主執筆者で、ミシガン大学天然資源環境大学院(University of Michigan School of Natural Resources and Environment)院長のマリー・リン・ミランダ(Marie Lynn Miranda)氏は言う。

 同氏は「科学界は、米国の自閉症率の増加に対する環境的な寄与因子を長い間探してきた」と声明で述べている。「今回の研究は、特に男児における、自閉症と陣痛誘発・強化との関連性に関する予備的な証拠を提供する」

 研究では、米ノースカロライナ(North Carolina)州の8年間にわたる出生記録62万5000件を調査した。調査の結果、陣痛の誘発・強化の両方を行った場合は、陣痛を人為的に発生させない場合に比べて、男児で自閉症を発症するリスクが35%高くなることに関連していることがわかった。

 女児では、陣痛を誘発させたが強化は行わなかった場合に自閉症リスクの微増がみられた。

 妊婦が薬剤で陣痛を誘発させる理由はさまざまで、出産予定日が過ぎた場合や、感染症、高血圧、糖尿病などの症状がみられる場合などが挙げられる。

 陣痛の誘発に関連するリスクの増加は、高齢出産や妊娠34週前での出産など、自閉症の他の既知のリスク因子にみられるリスク増と類似していると研究者らは指摘する。

 自閉症支援団体「Autism Speaks」の公衆衛生研究部門の副部長、マイケル・ロザノフ(Michael Rosanoff)氏は「次の段階は、研究によって、この関連性の裏側にあると考えられるメカニズムをさらに理解することだ」と述べている。

「今回の研究は、陣痛の誘発または強化と自閉症との間の因果関係を実証するものではないこと、また、このどちらもが出産時の合併症を防ぐことがわかっていること、この2点を留意することが重要だ」と同氏は付け加えた。

朝食を抜く男性は、心臓まひなど死に至る心臓病にかかるリスクが高まる

2013-08-16 09:35:16 | 薬効
朝食を抜く男性は、心臓まひなど死に至る心臓病にかかるリスクが高まるとする論文が22日、米研究チームにより発表された。

 研究では、45~82歳の男性約2万7000人を対象に、1992~2008年までの健康状態を追跡調査した。

 その結果、朝食を食べない男性は食べる男性に比べ、心臓まひや死を招く冠動脈性心疾患にかかるリスクが27%増加することがわかった。朝食を食べない男性は若年層に多く、「喫煙者、フルタイム勤務、未婚、体を動かす機会が少ない、飲酒量が多い」などの傾向が強いという。

 米ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health、HSPH)の研究員で論文の主著者のリア・ケーヒル(Leah Cahill)氏は、「朝食を抜くと、肥満、高血圧、高コレステロール、糖尿病などの危険因子を1つないしそれ以上招くことになり、それが時を経て心臓まひを起こすことがある」と指摘。「朝食を抜かないで欲しい。朝食を食べることは、心臓まひのリスクを下げることにつながる」と助言した