英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

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「SMAP」の「キムタク」の決断を尊重したい  「裏切り」報道に思う。

2016年10月15日 22時22分09秒 | 時事問題
 筆者は芸能界には疎い。今日偶然、ジャーナリストの二田一比古氏の『究極の課題 「キムタク演じる木村拓哉」から脱却できるか』を読んだ。ことしの大みそかに「SMAP」が解散することは風の便りに知っていたが、SMAPの木村拓哉氏と残りの4人が対立しているのは初耳だった。
 木村氏だけが“ジャニーズ事務所”に残ったため、「裏切り者」と呼ばれている。それが対立する起因だ、と二田氏は10月13日付「日刊現代」で記す。
 また解散決定後の9月に、夫のバッシングに耐え兼ねた妻の工藤静香さんが写真誌の取材に初めて答え、「なぜ裏切り者呼ばわりされなきゃいけないの」と夫をかばう。
 ジャーナリストの二田氏は「よかれと思ってしたことが逆効果だったケースはよくあることだが、工藤の発言を機に木村へのバッシングは増幅した感もある」と記す。
 インターネットサイトの色々な記事を読むと、多くのメディアも木村氏を異端として書いている。
 この騒動の発端はジャニーズ事務所の副社長であるメリー喜多川が、SMAPを20年以上も支えてきた女性マネージャーを無理やり解雇したことだったという。
 「SMAP」ファンも木村氏が「裏切った」と思い、彼に対して激怒している。ファンは「SMAP」の存続を望んでいたのだろう。
 筆者は面白おかしく書くスポーツ紙の芸能欄を読んだだけだが、どうも「情」が先行して「理」が置き去りにされているようだ。
 中居正広、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の各氏が事務所からの退社の意志を固めたのも他律的な気持ちだったのかとも思う。つまり自らの意志と長期的な展望に立って決断したのではないということだ。長年世話をしてくれた女性マネージャーのクビに怒って事務所を出たのかもしれない。
 真実がどうであれ、木村氏が「裏切り行為を働いた」という表現は適切ではない。自らの意志で残る決断をしたのだ。動機がどうであれ、自分の意志で決めた。独立心があった。横並びの日本人の悪弊を突破したのだ。 
 もちろん、決断した木村氏にはその決断に対する責任がある。勇気をだしてリスクをとった責任がある。グループを背景にした活動はできなくなる。これからは自らの実力が試される。
 一方、中居、稲垣、草なぎ、香取の各氏は自分の考えを持つことが大切である。マネージャーに迎合してはいけない。たとえ「お世話になった」としても自分を捨ててはいけない。「横並び」であってはいけない。「他律的」な行動は感心しない。何らの見解を持たずに、徒党を組んで木村氏を批判しているのなら、感心しない。4人の行動と違うからとの理由だけで、木村氏を排除していはいけない。
 これでは学校で繰り広げられているいじめと同じだ。会社で多数に同調しない従業員に退職勧告する企業の幹部と同じだ。多数を「正しい」という狭い考えと同じだ。「横並び」は駄目だ。自分の意見を持ち、それと違う意見の人々と議論する。これが最も大切なことだ。
 ファンにも言いたい。「初めがあれば終わりは必ずある」。「SMAP」もいつかは解散する。これが時の移り変わりなのだ。木村氏を「裏切り」などと呼ばずに「彼の個性」を尊重してほしいものだ。

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