事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

マクドナルド物語⑤

2007-07-23 | 食・レシピ

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(前号繰越)

……と、いい仲間に恵まれながらも、メンテの仕事は徹底的に孤独なのである。ノルマをこなしさえすれば、とにかく一人なのだから自由度は高い。

これは事務職員の仕事にある程度似ているのだが、一人だから残ったハンバーガーとかは食べ放題ではないか、というような“おいしい”事態とはまったく無縁だった。細かいことは忘れたが、確か作ってから20分以上経過するとあそこは廃棄(ウエイスト、という符牒)しなければならない決まりがあって、残ったハンバーガーとかは即座にゴミ箱に直行するのだった。だからバイトしながらもバーガーを食べようと思えば、客と同様に、そして同額の金を払わなければならないのだった。平日65円、とかいうCMを見ると、わけもなく腹が立つのはそのせいもある。

いやそんな話ではなかった。深夜、ひとりで店を守るメンテの多くは、マクドナルドで働きながらも、そんなわけで線路の向こうにある小銭寿司の持ち帰り寿司をつまんでいたのである。

想像してみてほしい。最終電車もとうに過ぎ、回送電車を通すために鳴る踏み切りの警報機の音を聴きながら、アメリカナイズされた店内で、小袋の醤油を開け、割り箸でお寿司をつまむ青いツナギ(メンテの制服)を着た日本人を。

マクドナルドに、複雑な思いを未だに抱いているのは、あの違和感が底にある。「俺は、ここにいていいんだろうか」という想いと、「ここには、俺しかいない」という想いと………意外にもまだ続く。

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