その1「チョコレートコスモス」はこちら。
度重なる原発事故(太陽はもちろん原発をさしている)で立ち入り禁止となった区域を、ウルトラエイトと呼ばれるロボットのチームが巡回している。そこへ現れた若い女性は、なんと国税庁の職員で、彼女の目的は、多数存在するゾンビにも労働してもらい、課税することができないかということだった……
奇想天外な発想。ロボットたちはこの不合理な存在である人間を、しかしロボット三原則があるものだから守ろうとする。そして、ゾンビや、もっと邪悪な何者かと対峙する。
チームの面々の名前がボスとかジーパンで、「太陽にほえろ!」からいただいているのは、ロボットをつくった連中の遊び心。
「じゃあどうして7人にしてウルトラセブンにしなかったのかしら」
「やりすぎだから」
笑わせていただきました。語り口はコメディっぽいのにテーマは重い。あ、逆か。重いテーマだからこそこうやって描いたわけだ。ラストはひたすらかっこいい。ほんと、恩田陸ってサービス精神のかたまりだ。
その3「私と踊って」につづく。