ほぼ日刊イトイ新聞に、この韓国映画に出演した國村隼のインタビュー記事があって、これがめちゃめちゃ面白かったのである。本国だけで700万人を集めたこの大ヒット映画の監督はナ・ホンジン。こいつは人でなしだと(笑)。あまりに撮影が過酷なので、スタッフや役者が固定せず、一作きりのつきあいになっているとか。
面白そうじゃないですか。思わずディスカスのサイトでポチッとしてしまいました。
緑濃い韓国の田園地帯。そこで住人による不可思議な殺人が連続する。警察の判断は、キノコによる幻覚によるものだったが、住民たちは“近ごろ森に起居している奇妙な日本人”のせいではないかと噂する。
この日本人を、もちろん國村隼が演じている。妙なおむつをつけて(韓国にはふんどしが存在しないらしい)、鹿肉をナマで食らう彼のふるまいは、確かに不穏だ。しかし、彼が悪魔なのか救世主なのかの判断は観客に委ねられている。というか、判断する必要があるのかと問われているようだ。
ハリウッド映画や日本映画とは明らかにコードが違う描写の連続。かなり過激です(レンタルはR15+指定)。
背景にキリスト教倫理があることは確実で、異物としての國村隼が日本人であるのはなにかの象徴だろう。異教徒ということか。
國村隼に対抗するエクソシスト(悪魔払い師)が、いかにもカジュアルなスポーツウェアに身を包んでいるのも何かを象徴しているに違いない。
決してわかりやすい映画ではないし、ラストに大きなカタルシスが待っているわけでもない。でも、この作品が魅力的であることだけは疑いない。たとえ人でなしがつくったのだとしても。