事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2013年12月号~来年の話をすると……

2013-12-18 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Kaguyaimg02 2013年12月期末勤勉手当号「終わりの始まり、始まりの終わり」はこちら

……誰かに笑われそうですが、みなさんに関係する大きな出来事があります。それは、

「定年まで勤めてもすぐに年金がもらえるわけではない」

時代の到来。めずらしく条例を読みこむと、「市町村立学校職員給与負担法に規定する学校職員の定年等に関する条例」にはこうあります。

第2条 学校職員は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の3月31日に退職する。

第3条 学校職員の定年は、年齢60年とする。

……このあたりで、4月1日生まれはどうなるんだというめんどくさい話もあるのですが、まあそれはおいといて。

大前提はこうです。

○昭和28年4月2日以降に生まれた人の年金の受給開始は、61才以降に引き上げられる

……つまり、退職するときは60才だけれど、受給するのは61才になるまで待たなければなりません。いや61才でもらえるのは昭和30年4月1日までに生まれた人で……えーいめんどくさい。一覧にしておきます。

※例によって表はめんどくさいのでパス。

この表でおわかりのように、将来は最長5年間待たなければならないことになります。これはいくらなんでもしんどい話。どうやって食いつないでいこう……という不安が“人類の実験室”とまでいわれる長寿ニッポンの景気が浮揚しない要因(私見)。

さあ、そこで出てくるのが『再任用』という制度です。来年はこの制度についてじっくり考えてみましょう。

画像は「かぐや姫の物語」おそるべきことに高畑勲はこの力作を78才で完成させている。まさかこんなに、まんまかぐや姫の物語だとは思いませんでしたが。

2014年1月号「2枚の源泉徴収票」につづく

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「キャプテン・フィリップス」 Captain Phillips(2013 SONY)

2013-12-18 | 洋画

Captainphillipsimg01 フィリップス船長は、あることのためにアメリカ海軍の医務室に連れて行かれる。ショックから立ちなおれない彼は、看護師の問いかけに答えることができず、それどころか呼吸することすらおぼつかない。涙やよだれが出て、身体についた血の意味もうまく説明できない。眼はうつろで、彼のとった行動のスマートさとはおよそかけ離れている……

カット数の多いことで有名なポール・グリーングラス作品(ジェイソン・ボーンのシリーズや「ユナイテッド93」を見よ)なのに、ここは例外的に長回し。意図的に表情を消した看護師と対照的に、船長の狼狽ぶりは演技であることを忘れさせるほどにリアルだ。

……もちろん演じているのはトム・ハンクス。いつも嫌味なくらいにうまい演技で、それが鼻につくこともあるけれど、このメディカルチェックのシーンだけでも彼の凄みは十分に伝わる。確かに、名優です。おそれいりました。

ヒーローになろうとしたわけでもなく、ただ単に生き残るためにハイジャック犯とリスキーなやりとりをした彼は、

「おれたちの時代は、ただ普通に勤めていれば船長になれた」

と妻(「40才の童貞男」の、あのキャサリン・キーナー)に語るように、およそスーパーマンとは縁遠い人物。そんな彼が主人公だからこそ、観客自身も理不尽な状況に陥った錯覚をおぼえるほどだ。殴られれば痛いし、救出に来た海軍に、はたしてメッセージの意図が通じているのかハラハラする。

貨物船内のかくれんぼから、後半は一転して救命艇の密室劇。とにかくのべつまくなしに観客は緊張を強いられ、観終わってへとへと。そして最後の字幕で一気に救われる。

実話であることが絶望的で(だっておよそろくな装備もないソマリア人4人に、船員も海軍も翻弄されまくり)、そして同時に普通の人の強さを信じさせてくれるみごとな作品。トム・ハンクスなしには成立しない企画だったかも。スティーブン・セガールを連れて来たら、まったく違った映画になっている(笑)。製作総指揮はケビン・スペイシーでした。

コメント (2)
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