事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「美女と野球」「増量! 誰も知らない名言集」リリー・フランキー

2008-06-14 | 本と雑誌

30940762  「東京タワー」人気もあってリリー・フランキーの著作が続々と文庫化。いやはややっぱり笑わせる。自分の好きにできる2時間があるなら、急いで手にとってほしい。かなり下品なのでその点は覚悟が必要。

「名言集」で腹を抱えて笑ったのはリリーがAV関係の仕事をしていたとき男優から聞いた言葉……
「次の日は苦い」
どんなシチュエーションなのかは読んで確認!文庫だから安いぞ!

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「ナイト ミュージアム」Night at The Museum('06)

2008-06-14 | 洋画

 全世界で大ヒットしているらしい。日本でも30億以上をかせぎ、「ドラえもん」と並ぶこの春(07年)最大のヒット作になっている。配給の20世紀FOXにとってはひさしぶりの成功で、ちょっと息をついていることであろう。

 ストーリーはこんな感じ。何をやっても長続きしないダメ親父ラリー(ベン・スティラー)が、離婚した妻にひきとられている息子の気持ちをとりもどすために“普通の職業”自然史博物館の警備員になる。博物館の展示物は、恐竜の骨格標本、モアイ像、南北戦争やローマ帝国のジオラマ(初代皇帝の、わたしが好きなオクタヴィアヌスが出てきます!)、そしてセオドア・(テディ)ルーズベルトの蝋人形など。西欧人にとって、フン族のアッティラがよほどの悪夢になっていることも学習できる。これらの展示物が、しかし夜になると……

 予告編がとにかくよくできていたのがヒットの要因のひとつだろう。ある理由で動き出す展示物たちが、それはもう(CG全盛の時代だからもう驚かなくてもよさそうなものだが)徹底的にリアルだったので。でも、いちばん笑えたのはほとんど動かないモアイ像だったけど。

 映画ファンとしては、むかしのディズニー映画でおなじみディック・ヴァン・ダイク、“大昔の若者”ミッキー・ルーニーが前任の警備員として出演しているのでうれしい。しかも後半大活躍してくれるのだ(エンドタイトルが始まっても席を立たないこと)。

 しかし、“もっと面白いんじゃないのか?”と、観ている間ずっと不満だった。ダメ親父が子どもとともに成長するストーリーは、ひねりがなさすぎるがいつものハリウッドパターンだからしかたがない。でも、ルーズベルト役にルックスそのまんまのロビン・ウィリアムズまで起用しているのに、もうちょっと彼に芸をさせろよ。それに、いかにもユダヤ系まるだしのベン・スティラーの“濃さ”はちょっと日本人には合いそうにもない。展示物たちが最後にアース・ウィンド・&ファイヤーの「セプテンバー」で踊りまくるあたり、中年男への目配りもばっちりなのに、もうちょっとなんとかならなかったかなぁ。

 でも、こんなセリフを嫌みなくかませるのはスティラーの取り柄か。
「そこ!そこの南北戦争の諸君!残念ながらその戦争は北軍が勝った。奴隷制度はやっぱりよくないしね。でも南軍の諸君はがっかりするな。南部にはオールマン・ブラザーズ・バンドがいる!

 さて、これから観る人のためにちょっとしたトリビア。ラリーに職を斡旋するおばさんはベンの実母だとか。伝説のコメディアンだそうだ。それを知っていると彼らのセリフは笑える。
「いやー、あなたには不思議な縁を感じるなー」
あたしは感じないわ。」

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「生協の白石さん」白石昌則と東京農工大学の学生のみなさん

2008-06-14 | 本と雑誌

2283364  大ベストセラー。白石さんは電車男とは違い、その存在が日々確認されている。その成り立ちはもう伝説だから省くけれど、彼はやはり相当の人物だと思う。いるところにはいるんだなあ。市井の達人が(本人は迷惑らしいが)高く評価されるのはけっこうなことだと思う。わたしがいちばん好きな問答はこれかな。

「白石さん、誰似ですか。どこにいてはるんですか?農学部のものなので存じておりません -BN2年」
「丁度昼休憩等で不在にしていたのかもしれませんね。お会いできず、残念です。通常は生協2Fにて勤務しております。誰似かにつきましては、どちらかといえば母似です。」 【担当 白石】

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「実録・連合赤軍」その3

2008-06-14 | 邦画

Sekigun03 その2はこちら

 この『総括』の描写が凄い。“共産主義的でない”とされたメンバーは、同志(特に森恒夫と永田洋子)の前で自己批判をさせられ、次第にリンチに近い暴力に移行する。はっきり言っていじめだ。左翼として知られる若松孝二は、しかし彼らの恥部である総括を醒めた眼で描写し続ける。特に陰惨なのは遠山美枝子のくだり。指輪を外せなかったり(思い出の品だから)、髪を長いままにしていることをブルジョア的だと批判された彼女は、その美しい顔を自分で殴ることを強要され、狂死する。ボコボコになった顔を「見なさいよ」と永田洋子に鏡を突きつけられて号泣する姿は哀れを極める。演ずる坂井真紀も、監督がまさかここまでやってくれるとはと驚くぐらいの演技を見せる。

 総括によって死亡したのは12名。日本の学生運動の、もっとも醜く、陰惨な側面を見せた事件だった。つまり、学生たちの理想が高く、その志が正しかったとしても、結局は生活に疲れた大人たちと同じように派閥抗争に明け暮れてしまったのだ。この事実はさみしい。

 メンバーを批判しつづけた森恒夫と永田洋子は、下山して不倫に走り(森は既婚者)、メンバーを残したまま逮捕される。永田の恋人だった坂口弘たち5名は、逃走の途中であさま山荘に立てこもり、管理人の女性を人質に……ここからは、よく知られた事実だ。

 坂口弘(死刑確定)を演じたのはARATA。「ワンダフルライフ」や「ピンポン」の美青年ぶりが印象的だったあのARATAが?しかしきちんとはまっていました。森恒夫(獄中で自死)は地曳豪、永田洋子(死刑確定)は並木愛枝。こんな役者がいたのか、と驚くほどみごとにアンバランスな革命家たちを演じている。

 出演条件はマネージャーや付き人もなしの単独参加。メイクアップ、衣装も自前。そして合宿。製作費が調達できずに自分の別荘をあさま山荘に見立てた若松孝二の執念が、この3時間10分の大作を完成させた。見ていて決して気持ちのいい作品ではない。まるで体制の側から左翼を嘲笑しているのではないかと思えるシーンもある。しかし、このことだけははっきりと伝わる。たとえどんなにみっともなくても、どうやら生き残った革命兵士たちは、革命という名の理想だけは今に至るも疑っていない。その意味で、羨ましいことに彼らはまだ、生活に汚れてはいないのだろう。

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