河童アオミドロの断捨離世界図鑑

河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

ギーガー鉄道の夜(5)

2011年04月01日 | ブッダ・コード
「早く、降ろしてくれーーー」


「おい、二郎、起きろ、夢でも見てるのか」

目を覚ますと、いつもの部屋だった

目の前にはおとうさんがいた

「カンペーはどうしたの、ギーガー鉄道は・・・」

「カンペー君は浜辺の花火大会会場で待ってるって言ってたよ
よし、じゃ、きょうはかあさんと3人で花火を見に行って
帰りにウナギとカキ氷を食って帰ろう」

よかった、すべては夢だったんだ
カンペーもおかあさんも元気にしてるし
空も青いし、町はいつもと同じだ

「二郎ったら、汗びっしょりじゃないの
そんなに昼寝してると夜眠れなくなるわよ
さあ、着替えてらっしゃい、もうすぐ出かけるわよ」

「うん、わかった、おかあさん、昨日買ってもらったTシャツに着替えてくるよ」

ポポポポーン、ポポポポーン

「もう花火が始まったみたいですわね、いつもより早いわね」

ドドーン、ドドドドーン、ドドドドドーン、地面がゆれた

「今年の花火はやけに派手ですね、海辺から火柱と黒い煙が4つも上ってますわよ」

「そうだな、たしか今年の花火大会のスポンサーは電力会社だっていってたな
東京の会社だから、お金がいっぱいあるんだよ
しかし、仕掛け花火にしてはすごい音だな、サイレンまで鳴ってるし」

「なんか、キラキラ光るものがいっぱい降ってきましたわね
やっぱり、東京の会社はやることがおしゃれですわね」

「二郎、なにしてるんだー、早く降りてこいよー
ぐずぐずしてると世界が終わっちまうぞー」

「おとうさんの言う事はいつも大げさなんだから」

二郎はドクロマークがプリントされたTシャツを着ながらそう思った


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