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クラシックカメラマン31

2008-07-12 07:04:27 | Camera
 夕べの仙台、イーグルスの試合が終わった後、夜中は今年の梅雨初めての大雨でした。
 朝方は派手な雷も。どこかで被害があったかもしれません。

 でも夜明けとともにそれも収まりつつあり、鳥の囀りが爽やかです。

 今日は私がクラシックカメラの世界に入り込んだきっかけ、最初に入手したカメラを紹介します。



 KODAKのRetinaというカメラシリーズです。
 うちには4台あります。



 KODAKといってもドイツ製です。     (バックのオブジェが気になる方はこちらへ) 元々、ポルシェやメルセデスと同じ、シュトゥットガルドにあったNagelというカメラメーカーを、米国のKODAKが1928年に買収したのです。このドイツコダックはいろんなカメラを生産しましたが、KODAKはもちろんフィルムメーカー、ライカから発生した35mmパトローネ入りフィルムに目をつけ、この商品を売るために、自ら生産したカメラシリーズがRetinaなのです。KonicaやFujicaと同じですね。

 Leicaが35mm映画用フィルムを、スティルカメラに使用することを一般化し、それを他社が追随、パトローネ入りフィルムが考え出されて写真が大衆化していく流れに、大きな影響を与えているカメラともいえます。

 最初に生まれたRetinaは1932年発売。昭和7年ですね。



 うち3台はRetinaが代名詞でもある、フォールディングタイプ。折りたたみ式です。
 Retinaという単語は、網膜という意味ですから、この蓋は瞼ですね。
 ピントをINFに回し(一番レンズが引っ込む方向)上と下のポッチを押すとロックがはずれレンズがたたまれます。カメラが眠りに就くのです。



 この美しく磨かれたレンズベースは、アルミの削り出しでしょうか、輝きを失っていません。
このレンズベースの後ろには蛇腹もあるのですが、表に出ないので、傷つく危険もないのです。
 今うちにあるのは全てRetinaⅢなのですが、ドイツにいる頃はⅡcも持っていました。



 ⅡもⅢも距離計連動式かつレンズ交換可能なレンズシャッターカメラという点では同じなのですが、Ⅲには露出計が付いています。

 Ⅲにはまず、ⅢcとⅢCがあります。小文字と大文字。



 外観で言うと、距離計の窓の大きさが違います。マニアは小窓、大窓と呼び分けます。

 小窓のⅢcは1954年発売。
 ファインダーが50mm専用なので、広角と望遠レンズを使うときは外付けのファインダーが必要です。



 キッチュなデザインですね。



 シリーズ共通ですが、フィルムの巻き上げレバーは底面にあります。



 変わっていますが、なかなか使いやすい場所です。

 大窓のⅢCは、1958年発売、ファインダー内に3種類のレンズの画角が表示されるので、外付けは不要です。



 交換レンズはこんなケースに入っています。当時はNikonもこんなでしたね。



 レンズシャッター式カメラは全レンズをはずすとフィルムが露光してしまうので、レンズ交換はシャッターの前側のみで行う必要があります。



 ですからシャッターの後群は共通で、前群を交換という複雑な設計をしなければならず、50mmと35mmの違いだけなのにこんなにサイズが違ってしまうのです。



 それから、うちにⅢCが2台あるのは、レンズが違うためです。
 1台がローデンシュトック社のヘリゴン、もう1台にはシュナイダー社のクセノンが付いています。



 当然レンズの設計が異なりますので、前群だけを交換できる構造上互換性がありません。
 レンズシャッター式のカメラで2種類のレンズシステムが選べるカメラも珍しいと思います。
 まあ両方持ってる奴も普通ではありませんね。

 フォールディング構造のカメラ、携帯には便利ですが、構造が複雑でコストがかかったのでしょう。
 ⅢCと同じ年におそらく廉価版として発売されていたのが、ⅢSです。



 カメラ本体はⅢCより大型化しています



 しかしリジッドにしたことでレンズの設計がしやすくなったのでしょうか、交換レンズは小さくなりました。



 もちろん携帯性が悪くなったことは言うまでもありません。



 RetinaⅢCはこの時代に最後まで生産された35mmフォールディングカメラとして名を残す銘機です。

 ⅢSはありふれた普通のカメラになってしまいました。このあとドイツ製のレンズシャッター式カメラには目立つものが生まれていないように感じます。

 ライカやニコンのような派手なフォーカルプレーンシャッター音も心地が良いのですが、Retinaのおとなしい「チッ」というシャッター音にも捨てがたい味があります。

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5 コメント

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Unknown (LYNX☆)
2008-07-12 10:12:52
おはよう!
またまた、興味深い話題で楽しませてもらいました!
今更ですが、写真を撮るだけの道具になんでこんなにメカ的にも複雑で精密な機構が必要になったのか不思議です。
シャッターの仕組みひとつとっても複雑怪奇・・・・・
だからこそ、はまってしまうときりが無いのでしょうね。
写真を撮るだけですよ・・・・・全く(笑)
Unknown (風写)
2008-07-12 10:54:56
悠久の歴史
絶えることなく、後戻り出来ない時間の流れのなかで
一人の人間が存在できる時間は限られています
その日、その時、その瞬間、ここには私しかいない

その時間を止める器械ですよ

その器械を精密高品質高性能にせずして何に技術を駆使するのでしょうか
Unknown (LYNX☆)
2008-07-12 12:33:59
決まってるねぇ~
Unknown (百日紅)
2008-07-12 12:34:15
青山にあったレチナハウスは、船の保険屋さん?が始めたカメラでしたが、クラシックカメラブームが去って潰れてしまいました。閉店間際に覗いた時には、「もう今週一杯で閉めるから安くするよ」と言われましたが、欲しいものがなかったので、そのまま帰りました。KODAKに正式に許可を取ってレチナの名前を使っていただけに残念でした。
 私は、品川の松屋カメラ?で友人に頼まれ2cを買ったことがありますが、なまずの殿下も訪れた事のあるこのカメラ屋も潰れてしまいました。
Unknown (風写)
2008-07-12 13:02:26
百日紅さん
お疲れ様です。

レチナハウス、ずっと気になっていたのですが、閉店したのですね。

高輪にあった松坂屋カメラでしょうか。明治学院のそば。
今は品川の東口のほうにあるらしいのです。名前だけ引き継いでいるだけかもしれませんが。

クラシックカメラブームっていつごろまで続いていたのでしょうか?

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