農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

6月の声を聞くと生き物調査が始まる

2014-06-05 06:20:55 | 日本不耕起栽培普及会

自然耕塾の定番となっているが、生き物の代表角は何と言ってもイトミミズである。岩澤信夫さんが栗原康さんのイトミミズの研究を知って水田に水を張れば雑草が生えなくなる。雑草からの独立である。戦後の除草剤の発見は農民の農作業が軽減されることでの命を救ったとも一方で言われる。イトミミズの命と引き換えであった。

香取の藤崎芳秀さんの26年目の不耕起水田では冬の期間田シギがキーキーと2番穂の枯れたイネの間を餌となるイトミミズを求めて飛翔する。野鳥の専門家である荒尾さんに言わせると普通シギは1ヘクタールに2,3羽であるが藤崎水田では20,30羽が当たり前である。お気に入りのカメラでよく映像化したものである。水田の周りに厚い波板を張ることで冬期湛水が可能となりいつでもイトミミズが観察できる。しかし岩澤さんは何もしなくても無肥料、無農薬でもコメが8俵9俵できるということを書いているが、そこにはからくりがある。25年26年の経験で藤崎芳秀さんは水を張ることで雑草が生えなくなるという仕組みに気づきこれから始める不耕起栽培者は彼の経験でえらく助けられている。

ある程度の収量を期待し米ぬかを秋のうちから棚倉のミネラルと同時に散布している。また利根川の河川水を排水路を通して補給している。自然にやさしい農法ということで東京電力も冬期も安い価額で供給している。そしてイネの切わらをコンバイン導入後長年水田に戻している。大量の有機物が水田に戻されていることも大切な条件となっている。このことが収量を落とさないで毎年、毎年安定した収穫につながっている。そのことが地下の根穴構造であり、真菌によるグロマリンの蓄積に関係している。不耕起栽培の所以である。