基本・・・もう一つは厳密に基本にのっとって処理するということ、水田を平らにすること、水を落とし、尺角に30cm正方形に線を引く、水田を平らに正確に尺角に植えることは ①田を均一に作ること ②草取り作業を容易にするため-草取りの決めて ③来年の作業のため-株の間への田植え ④日本人としての美意識と職人気質。
疎植、尺角植え、無肥料苗、収穫時1株15本、一本当たり100粒、1500粒、1000粒重20g10a当り5俵、豊作で6俵とれる。
反収を落とせば味は良くなるが、周りの人は落とせないため無肥料に挑戦する人はいない。
肥料をやれば固い味となるが無肥料だと優しい味になる。玄米でも白くやわらかめになる。2日目の朝には玄米おかゆを炊いてくれる。冬を越して2年目に入ると味が向上する。この玄米は2年目で借地であるため前の年の肥料が残っていて固い米となる。しかし冷蔵庫で味が熟成してくる。
年中水田に水が入る状態にし、トロトロ層を作らせモグラ、アメリカザリガニの被害もなく畦からの漏水はほとんど無い。雪で圧迫され畦がこわされることもない。畦シートの必要性もない。野生動物はタヌキ、テン、イタチ、ムジナ、ウサギ、リス、キツネ、ハクビシン、カモシカ、クマ。
人力、無農薬、無肥料栽培にこだわるのは、将来エネルギー危機になった時、誰にでも出来る技術として必要になるということで取り組んできた。
水苗代、クンタンを散布し、地温を高め、わりふ寒冷紗(鳥よけが一番おおきい)おおい50日目の苗で6葉まで育つ。
雪の恩恵を受けている。粘土質地帯、米、山菜がよくとれるし、おいしい。6俵/10aとれるが、米粒が大きく、クズ米が少ない。
岩澤信夫さんの会報で「佐竹」さんという古い篤農家の紹介があったが、その息子さんとしたしくしていた。佐竹さんは900kg15俵ラインまでは比較的実現可能だが16俵はむつかしいと聞いていた。
息子さんは有機栽培に取り組んでおられる。佐竹さんは最近亡くなられた。
農協とか観光バスでの見学者が多かった。「水田をまず平らに作り、同じ条件に設定し肥料を均一にもっていく」と教えられた。
肥料の効く時期を厳密に判定して決めていた。戸邊さんも1日でもずれたらダメで「平らにする」ことを目標にし、全部同じ姿にイネを育てる。冷たい水の入り口には畦をつくり水を温めた。
青森のリンゴの木村さん「ムー」の79号に宇宙人UFOに連れて行かれた体験がレポートされている。
戸邊さんは「戸邊教」ではないかと言われている。
手で植え、手で草をなでる。他からみると大変なことを家族で取り組み、まわりに支援者がかわるがわるやってくる。
集まってくるのは変わった人で共通点がないと集まってこない。
戸邊さんは、この方法が広がらなくても、いざという時、役に立つと考えている。
戸邊さんの所のカエル、オタマジャクシは他と比べ泳ぎ方が早い、水田のまわりに貯水池(ビオトープ)を作り、水を出し入れした時すぐに対応できるようにしている。
棚田状の水田の除草をする時は、下の水田から水を浅水にし、トロトロ層で雑草(コナギ、オモダカ)をねり込む。
多少多めの水で除草すると丁寧にやらないとだめなので時間が多くかかる。その上の水田からは水を多めに落とし作業をしやすくし、2~3日雑草が死ぬのをまつ。除草のあと雨にたたかれたり、水が入ると草は生き返るので、天気とも相談して助走作業をする。水のあるときは人力の手押しの2条除草機を使用する。
九州の熊本県から月10日、わざわざここへかよってくる75才のおじさんがいる。クワを2本もってきて、畦ぬりをしたり、進入路の道路づくりを行ってくれている。この人は電車での移動時間が休息の時間となる、本当にたすかっている。