本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

六道珍皇寺の精霊迎え

2016-08-09 21:33:06 | 住職の活動日記

街を走るとバイク姿のお坊さんを

見かけるようになりました。

もう、お盆のお参りが忙しい時を

迎えています。

 

「六道珍皇寺」(ろくどうちんのうじ)は

お精霊さんのお迎えの寺として

有名でたくさんの人で賑わいます。

 

 

朱塗りの小さな門をくぐると

 

 

境内が広がっています。

古い時代は東寺の末寺で相当の

寺領を持っていたようです。

ですから、

一説には弘法大師の創建とも

伝えられています。

 

参道で「槇」を求め

槇には精霊さんが宿るといわれ

 

 

 

この槇の木で塔婆を濡らし

その槇を持って帰り

自宅の仏壇にお供えするということです。

 

となりには

 

ほおずきも並んでいます。

漢字では、

酸漿とも鬼灯とも書き、

どちらも「ほおずき」と読みます。

この鬼灯がお供えされると

お盆の風情が出てきます。

子どもの頃はこの酸漿で

よく遊んだものです。

 

 

ずらりと並んだ「塔婆の受付」

ここで、ご先祖さまを書いてもらい

 

 

迎えの鐘をついてお参りし

無事に帰って来られますよう

 

 

ここの鐘はお堂の下にあるようで

この綱を引いて鐘を鳴らします。

それから、本堂でお参りして

そして、閻魔さまにもお参りして

お線香でお塔婆を浄めて

 

 

お地蔵さまのところで

さっき求めた槇の枝で塔婆を濡らし

お供えして、という流れです。

 

京都の風習では

ここの六道さんで精霊さんを迎え

大文字の送り火で精霊さんを

送るということです。

 

六道珍皇寺は鳥辺山の入り口

ということで、この世と冥界の

境目ということです。

火葬できるのはごく一部の人で

あとはほとんどの人が野ざらし

ということもあり、

そのための供養のお寺という

ことだったのではないでしょうか?

 

この寺の裏手に

 

 

六道参りの提灯が上がる門…??

 

 

小野愛宕(おたぎ)権現

横の看板に「黄泉がえり之井戸」

とあります。

一説には「小野篁」(おののたかむら)

が建立したともいわれ、

小野篁は昼間は役人として要職を勤め

夜には閻魔大王に仕えていた

という伝説も残っています。

 

 

その冥界とこの世を行き来した

井戸がこの井戸ということでしょうか。

 

小野篁は閻魔大王にも顔がきき

愛欲の世界を描いた紫式部が

その咎で地獄に落とされようとしたとき

篁がとりなしたという

話も伝わってい丸ようです。

 

 

 

 

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