行動科学⑤

現代生活で、コントロールの最も一般的な方法は罰である。
たとえば、ある人があなたの望むようにしなければ、その人を非難するかもしれない。
また、子どもが間違った行動をすれば、子どもを叩いたりする。
ある国の人々が反逆すれば、爆弾を落とす。
法律や警察組織は、罰金、体罰そして重労働のような罰を基礎においている。
宗教的コントロールは、贖罪、破門の脅威、地獄への道を通して影響を及ぼそうとしている。
教育は全体としてムチを捨ててはいない。
日常生活での人々の関係は、非難、無視、不承認さらには追放を通してコントロールしようとする。
要するに、われわれがコントロールの方法として罰を用いる程度は、われわれが必要な力を得ることのできる程度によって限定されている。
これらはすべて、ある方法で振る舞う傾向を弱めることを意図して用いられる。
強化はある傾向を強め、罰はそれを減ずるように用いられる。

しかし、罰は行動の一時的抑制であり、反応全体にわたる低減ではないこともわかっている。
そして、罰には不幸な副産物がいくつもあることもわかっている。
われわれは、罰の代替物を用いて、間違った行動をコントロールする術を身につけねばならない。

（つづく）