忘備録の泉

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二宮翁夜話⑧

2018-08-09 08:35:32 | Library
「湯船の湯」

世の中、あなたたちのように裕福でありながら、足ることを知らず、利益を貪り、不足を訴える者は、たとえば、大人が湯船の中に立ったまま屈まないで、湯を肩にかけながら「なんだ、この湯船が浅いのは。膝にも達しないぞ」と罵るようなものだ。
もしそのような要求に従えば、深すぎて子どものような小さな者は入浴できなくなってしまう。

これは、湯船が浅いからではなく、自分が屈んで入らないという過ちが原因である。
この過ちを悟って屈んで入れば、湯はたちまち肩に達して、自然に十分になる。
不平不満を、他に求める必要はない。
世間の裕福な者がいう不平不満は、これと同じなのである。

そもそも自分の分限を守らなければ、どれだけ財産があったとしても不足だというだろう。
いったん、過分の間違いを悟って自分の分度を守れば、その余分が自然に生じ、その余分で人を救ったとしても、まだ余りが残ることだろう。

仁は人道における最高の徳だが、卑近な例でいえば、この湯船の湯のようなものだ。
この湯を手で自分のほうにかき寄せれば、湯は自分のほうに来るように見えるけれども、結局はみな向うのほうへ流れ帰ってしまう。
これを向うの方へ手で押すときは、湯は向うのほうへ行くように見えるけれども、また自分のほうへ流れ帰ってくるのである。
少し押せば少し帰り、強く押せば強く帰る。
これが天理だ。


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