忘備録の泉

思いついたら吉日。O/PすることでI/Pできる。

怒らない生き方⑤

2019-04-16 15:29:58 | Library
迷いは、欲、怒りと並ぶ人間の三つの根本煩悩の一つであり、最大最悪の煩悩ともいえる。
「迷い」とは、意識が今この瞬間にしっかりと留まっていられず、どこか別のところへ飛んでいってしまうときに働いている衝動的エネルギーである。
目の前の現実を直視できずに、意識はフラフラと、「今ここではないどこか」へとさ迷ってしまうから、迷いの煩悩エネルギーは「逃げ」の煩悩と呼んでもいいだろう。
心が目の前の現実を忘れてさ迷いはじめると、さまざまな弊害が生じる。
まず現実的な問題として、今やらなければならないことに取り組む能力が、確実に低下する。
集中力、決断力、実行力、継続力などの能力を減退させてしまうのだ。

迷いの衝動的エネルギーを撃退して自己コントロール力を鍛えるには、今この瞬間の現実に対して意識を釘づけにするトレーニングが有効だ。
たとえば「歩行禅」のようなものであるが、歩いているときに、「今、右足が地面を離れた。今、右足が前へ進んでいる。今、地面に着いた感触があった」といった一挙手一投足に意識のセンサーを強く向けるトレーニングなどだ。
自分の中に生じては消え生じては消えていくさまざまな感覚を自覚する、すなわち身体感覚にぴったりと意識を寄り添わせることができるようになると、心が頭の中に引きこもれなくなり、無益な思考の回転が止まるのである。

「ありのままの実感」と「頭の中だけの思考」は両立しないので、現実の実感に意識が留まるにつれ、欲や怒りの雑念に意識がさまようことが減少する。
それでも意識はすぐまたどこかへ逃げていってしまうかもしれない。
そんな意識に気づいたら、すぐに「引き戻す」、また逸れてしまいそうになったら「引き戻す」という作業を繰り返していると、いつしか集中するための基礎的能力が備わってくる。
ひたすら集中するのがパワー型の「迷い」調教法だ。
(つづく)
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