忘備録の泉

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労組法上の労働組合(2)

2017-06-08 08:16:08 | Library
利益代表者の加入している労働組合
労組法2条但書1号は、具体的に、以下のような者が参加する組合は、自主性を有しないものとして、労組法上の労働組合としては扱われないとしている。
1、役員,人事(雇い入れ,解雇,昇進又は異動)に関しての直接の権限を持つ監督的地位にある労働者(上級管理者)
2、使用者の労働関係についての計画と方針に関する機密に接して、その職務上の義務と責任が、組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する管理的地位にある労働者(人事部,労務部等の管理者など)
3、その他使用者の利益を代表する者(秘書や守衛など)
ここで注意すべきは、これらの管理者等の範囲が極めて限定されていることだ。
世間的に「管理者」と呼ばれている者のほとんどは、これに該当しない。
これらに該当しない者は、「管理職」と言われていても、労組法の利益代表者には該当しない。

「セメダイン事件」(東京地判平11.6.9)
いわゆる管理職だけで組織された企業内管理職組合からの団交申入れを会社が拒否したため、組合が、労働委員会に不当労働行為救済申立をした事件。
労働委員会は、組合の申立を認め、会社に団体交渉に応じるよう命じた。
会社はこれを不服とし、取消訴訟を提起したが、使用者が団体交渉拒否をする正当な理由はないとして、会社主張を退けた。
この判決は、高裁でも支持され、最高裁で確定している。

(つづく)