カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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本冬は雪多し!雪崩や雪下ろし時の事故にはご用心!

2012-01-15 23:57:59 | インポート

引用図は1月15日23時までの全国各地の積雪深平年比図です。気象庁HPより引用。

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東京など関東地方平野部の各地では、連日、降水は無く空気が乾燥して、東京など、乾燥注意報が出されて連続30日を超えています。

これとは対象に、北海道や本州の日本海側の各地では降雪が続いて、積雪がかなり多くなっています。

引用図より、青森県や山形県、新潟県、岡山県北部の一部では、平年と比較すると300%もの積雪となっていますし、北海道石狩地方の一部では、観測を始めて最も多い積雪となっている地点もあります。

青森県や秋田県、山形県では、平野部の各地点でも、軒並み平年比が200%以上となっていますね。

雪崩や雪下ろし時の転落等の事故には、くれぐれもご用心ください!


北海道東部では局地的強風が頻発!

2012-01-03 23:55:33 | インポート

①1月3日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月3日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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1月3日は、低気圧が北海道の南東沖で非常に発達して、北海道東部を中心に強風の1日となりました。

特に、北海道根室地方知床半島羅臼町周辺では、知床半島に連なる山脈は、北西~南東方向へと鞍部となっており、当該鞍部を吹きおりる局地的な暴風となりました。

羅臼町で14時50分に最大瞬間風速36・8m’(北西風) 最大風速でも19・7m(北西風で11時36分)を観測しています。これぞ、北海道の局地風として有名な「羅臼だし風」と呼ばれるものです。

さらに、同じ北海道東部の釧路地方弟子屈付近でも、地形的に北西~南東へと鞍部となっているためでしょうか、これまた局地的に暴風が荒れ狂い、最大瞬間風速30・1m(北西風で14時15分) 最大風速で21・5m(北北西風で11時36分)を観測しております。

これらの地域で特に風速が強まった時間帯(3日12時~15時)における、北海道帯広にウインドプロファイラー風速データを見ると、

Ⅰ:上空3000m付近で風速は12m~15m だが、上空2000mより下側では風速が18m~25mと強まっている。

Ⅱ:上空3000m~2000m~1000mと風向はほぼ同一方向(北北西~北西)となっていること

の特徴が見られますし、

Ⅲ:引用図②より、3日15時現在、北海道東部には、低気圧に伴う、おおむね北西~南東方向へ筋状に雲の集団と、これら雲の集団のすぐ西側には暗域が広がっていて、画像の暗明のコントラストが大きい状態ですね。

以上、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの現象のもとでは、地形的鞍部を吹き降りる気流が卓越する典型的なものですね。

地上天気図のみならず、上空の風向風速の動向や雲画像の画像パターンなどにも、こういう、出し風 や おろし風 と呼ばれる局地的強風発生時には、如実に特徴が現れるものです。


新年早々関東東北でグラリ!東京23区などで震度4

2012-01-01 18:16:42 | インポート

皆さん!新年おめでとうございます!本年も本ブログを宜しくお願い致します。

①1月1日14時28分発生の地震の震央と各地点震度分布図です。気象庁HPより引用・加工

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②1月1日14時28分発生の地震の関東地方・東北地方南部中とした各地点震度分布図です。気象庁HPより引用・加工

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2012年新年早々、関東地方や東北地方でやや強い地震がありました。

地震発生は、1日14時28分頃で、震源地は鳥島近海 ( 北緯31.4度、東経138.6度)で震源の
深さは約370km、地震の規模(マグニチュード)は7.0と推定されます。

この地震で、東京23区(東京千代田区)など、関東地方や東北地方南部にかけての広範囲で震度4を観測しました。

通常、日本列島付近で発生する地震というもの、震源が地下30㎞より浅い箇所で発生しているものが多いですが、今回の地震、伊豆諸島等が載っているフイリピン海プレートの下側に沈み込む太平洋プレートの内部の地下深い箇所で発生したと推定され、こういう、震源が地下300mより発生する地震を、深発地震 などと呼ばれています。

日本列島が載っているプレートの下側に沈みこむプレートは、前記したⅠ:太平洋プレート と、Ⅱ:フイリピン海プレート の2種類ありますが、おのおののプレート内部の地下深い箇所で地震は発生するものの、深発地震と呼ばれる地震は、前記Ⅰの太平洋プレート内部で発生します。

深発地震もさることながら、日本列島の下側に沈み込みプレート内の地下深い箇所で発生する地震は、地震に伴う揺れの範囲が広範囲に及びますし、比較的短い周期の地震波が卓越して、ガタガタと小刻みに揺れるのが特徴です。

さらに、深発地震発生時の特徴として、◇震央に近い箇所より、陸側のプレートと太平洋プレートとの境界部分により近い箇所ほど、揺れが大きくなります。(異常震域と言いますね。)

さらに、

◇関東地方に限って言うと、関東平野中央部から栃木県内日光山地と八溝山地との間の地形的に鞍部になった地域で揺れが大きくなることが多いようです。(筆者調べ)

これらのことは、日本列島や関東地方の地下の地形的特性が要因でしょうね。