カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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関東地方は午後から不安定な天気

2006-11-15 23:54:00 | インポート

06111515 引用図は、11月15日15時の天気図です。気象庁HPより引用。

今日の本州各地は、昨日、北陸などに強い雨を降らせた前線が東海上に去り、一見、弱い冬型気圧配置で、太平洋側では天気が回復すると思いきや、上空に寒気を伴った気圧の谷が残り、そのうちのひとつが、15日日中から夜にかけて本州上を通過しました。

このため、太平洋側でも地形的に、気流の集まりやすい関東地方などでは、午後から大気が不安定となり、所々で雷雲が発生し、時ならぬ、にわか雨や、一部 雷の見舞われた所もありました。

Z__c_rjtd_20061115000000_met_cht_jciaxfe 引用図は、日本気象予報士会HPより引用の、11月15日9時のAXFE図(おもに上空の寒気と気圧の谷を表す図と解釈してください、図内で気圧の谷は上側図斜線表示でその強さの度合いを上側図のプラスの指数で表現します。)をご覧いただきます。

上側の図内に、日本海中部にそれぞれ寒気を伴った+113の谷が、そして、朝鮮半島北部には+156の谷が表現されております。後者の+156の谷は冒頭引用図の日本海中部の低気圧の対応するものです。

そして、前者の+113の谷が、東南東に進み、夕方から宵の内にかけて関東地方上空を通過したと思われます。

さらに、①11月15日15時の関東周辺アメダス風向風速分布図 と②11月15日15時の関東周辺レーダーアメダス解析雨量図 ③11月15日18時の関東周辺レーダーアメダス解析雨量図(※引用図は全て気象庁HPより引用)をご覧いただきましょう

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15日の関東地方は、東北会津方面からの北より風と、東海道からの西から南西風が入り込み、海風効果も加わって、 (1)東京付近 ~茨城県付近(2)神奈川付近(3)栃木県北部にそれぞれ、気流が収束している地域がありますが、その収束場所に対応して、雨雲が発生し※15時 特に収束が顕著な東京都から茨城県付近の雨雲が発達していく様子がわかります。

この冬型気圧配置における、寒気を伴った上空の気圧の谷発生時には、関東地方でも、しばしば、時ならぬ強い雨や、大雪をもたらすことがあります。

平成9年1月21日に、栃木県宇都宮で積雪11cmを観測したり、 平成13年3月8日に水戸で積雪17センチの大雪となった時も、今回のような、冬型気圧配置時で、寒気伴った上空の気圧に谷が通過した事例下で発生したものです。


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2 コメント

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始めまして。予報士(某大手気象情報会社に勤務)... (ひろゆき)
2006-11-19 16:27:41
始めまして。予報士(某大手気象情報会社に勤務)の友人から、このブログを聞き、よく活用させていただいております。

15日は、すごい!ばっちりですね!私自身、折りたたみ傘は持参しましたので、傘がなくて途方に暮れる他人様たちを横目に、大いに優越感に浸りながら、濡れずに帰宅できました。

とあるブログには、この日のことを、釈明気味に書いていますが、こういう15日の現象は、関東地方では良くあることなのでしょうか?

これからも、よろしくおねがいいたします。
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ひろゆき さまへ (カノウおにいさん)
2006-11-23 00:53:03
ひろゆき さまへ

始めまして。本ブログご覧いただきありがとうございます。

今回15日の件ですが、関東では 実は、良くあることなのです。

関東付近のシアーライン発生しているところへ上空気圧の谷通過した場合ですが、
その時の、大気の不安定度によって、シアーライン上に発生する雨雲(冬季は雪雲となることもある)の発達度合いが決まってくると言えます。

昨年 2005年2月27日の場合など、この、関東地方南部(この時は神奈川県西部から静岡県東部です中心ですが)に発生したシアーライン上で雪雲が発達して、静岡県富士山南東部には大雪警報も出されて、神奈川県西部から静岡県東部では、山間部で10cm以上の積雪となり、一部で20cmを超えた積雪を観測した所もありました。このため、東名高速道路では、降雪後の冷え込みもあいまって、27日夜から28日昼過ぎにかけて、神奈川県西部から静岡県東部の一部で通行止めとなってしまったことがあります。

こういう現象は、数値予想図では充分表現されにくいものなのですので、過去の同様な事例を念頭に入れて、決して、数値予想図を鵜呑みにするべきではありません
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