カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風18号は浜松市付近へ上陸!関東より東海地方まで記録的大雨!

2014-10-06 17:28:02 | 日記
①10月6日9時の天気図 気象庁HPより引用


②10月6日9時の日本付近雲画像図(水蒸気雲画像図で拡大版)気象庁HPより引用


③台風18号の10月6日15時の位置と進路軌跡図 気象庁HPより引用


④10月6日16時40分までの全国24時間雨量日最大値画像 気象庁HPより引用


台風18号ですが、6日8時過ぎに、静岡県浜松市付近へ上陸し、東海地方〜関東地方の太平洋沿岸に沿って北東へ進み、引用図③より、6日15時現在には、福島県沖へ達しています。

台風18号の上陸後の進路ですが、引用図③の実線より、浜松市付近へ上陸後、中部山岳を避けるように微妙に進路を東寄りへとって、その後は中部山岳や富士山といった高い山々を避けるような進路をとりました。

台風がこういった進路をとるのは、

台風の進行方向前側で寒気移流が見られる場合

:台風自体、衰弱傾向にある場合

のいずれかの場合
ですが、今回の台風18号が本州へ接近時には、関東沖には前線が描かれて、前記の状況下であったわけですが、引用図④より、今回の台風18号、台風の進行方向前側の寒気移流の場を境にするように、24時間雨量200㍉以上観測した地点が、関東〜東海地方太平洋側〜紀伊半島南東部沿岸に広範囲に見られ、この中の静岡県内や三重県内では、24時間雨量が400㍉を超えて、神奈川県内でも、24時間で300㍉を超す地点が軒並み現れ、横浜では観測し史上最高となる、310㍉の24時間降水量を観測しています。さらに、引用図②④より今回の台風18号、上空の偏西風帯の谷が本州へ接近してきて、その前側の上空3000m付近の上昇流と重なり合い、台風の進行方向北側に入った北陸地方西部や近畿地方北部、さらには、鳥取県周辺でも、24時間雨量が100㍉を超す大雨となりましたし、引用図②より、6日明け方、台風の中心の後面に当たる近畿地方では、水蒸気画像上の暗域(上空3000m付近の下降流域)が分布し、このため、山越えの颪風が吹きやすい場でもありました。

引用図④より、今回の台風18号、台風の進行方向前側の寒気移流の場を境にするように、24時間雨量200㍉以上観測した地点が、関東〜東海地方太平洋側〜紀伊半島南東部沿岸に広範囲に見られ、この中の静岡県内や三重県内では、24時間雨量が400㍉を超えて、神奈川県内でも、24時間で300㍉を超す地点が軒並み現れ、横浜では観測し史上最高となる、325㍉の24時間降水量を観測しています。さらに、引用図②④より今回の台風18号、上空の偏西風帯の谷が本州へ接近してきて、その前側の上空3000m付近の上昇流と重なり合い、台風の進行方向北側に入った北陸地方西部や近畿地方北部、さらには、鳥取県周辺でも、24時間雨量が100㍉を超す大雨となりましたし、引用図②より、台風の中心の後面には、水蒸気画像上の暗域(上空3000m付近の下降流域)が分布し、このため、山越えの颪風が吹きやすい場でもありました。

このため、台風18号の中心から、およそ250㌔以上も離れた岡山県奈義町付近では、6日明け方に、広戸風 が顕著に吹き荒れて、最大瞬間風速33・7㍍、10分間の平均でも20㍍を超す暴風を局地的に観測しています。

台風18号は本州めがけて北東進!台風の周辺の雨雲はどんな性質?

2014-10-06 00:49:33 | 日記
➀10月5日21時の天気図 気象庁HPより引用


②10月5日21時の日本付近レーダーアメダス合成図(気象庁HPより引用・加工)


台風18号は、5日には、奄美大島の東海上から九州南東海上へと北上し、進路を北から北東へと変え、移動速度も次第に早くなってきております。このまま進みますと、6日午前中には、東海地方から関東地方へ上陸する公算が強まってきました。


今回は、この台風18号と周辺に分布する雨雲の成因を紹介してみました。

まず、引用図①②を比較してご覧いただき、引用図②のA、B、C、D に注目です!

Aは・・・・・台風本体の雨雲

Bは・・・・・台風の外縁部を流れてきた暖湿流に伴う雨雲

Cは・・・・・前線に伴う雨雲

Dは・・・・・偏西風帯の谷の進行方向前側に分布する上空3000㍍付近の上昇流域に伴う雨雲

ということになります。

その中で

AやBは、CやDの活動を活発化させる作用をさせるもの。AやBが、Cを活発化させることは、あり触れたこととなっておりますが、Dの活動を、AやBが活発化させることは、あまり認知されてないように感じますが、実は、AやB(台風本体や台風の外縁部を流れてきた暖湿流)というもの、中層(上空3000㍍から4000㍍)までおよぶものですのですから、これらが、上空3000㍍付近の上昇流域と絡めば、当該上空3000㍍付近の上昇流域をより活発化させることはうなずけるというものです。

昨年9月の台風18号に伴い、福井県嶺南地域や、近畿地方中部などに記録的大雨をもたらした要因として、前記した、AやBが、Cを活発化させることで発生したものです。