①1月3日15時の天気図 気象庁HPより引用
②1月3日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用
1月3日は、低気圧が北海道の南東沖で非常に発達して、北海道東部を中心に強風の1日となりました。
特に、北海道根室地方知床半島羅臼町周辺では、知床半島に連なる山脈は、北西~南東方向へと鞍部となっており、当該鞍部を吹きおりる局地的な暴風となりました。
羅臼町で14時50分に最大瞬間風速36・8m’(北西風) 最大風速でも19・7m(北西風で11時36分)を観測しています。これぞ、北海道の局地風として有名な「羅臼だし風」と呼ばれるものです。
さらに、同じ北海道東部の釧路地方弟子屈付近でも、地形的に北西~南東へと鞍部となっているためでしょうか、これまた局地的に暴風が荒れ狂い、最大瞬間風速30・1m(北西風で14時15分) 最大風速で21・5m(北北西風で11時36分)を観測しております。
これらの地域で特に風速が強まった時間帯(3日12時~15時)における、北海道帯広にウインドプロファイラー風速データを見ると、
Ⅰ:上空3000m付近で風速は12m~15m だが、上空2000mより下側では風速が18m~25mと強まっている。
Ⅱ:上空3000m~2000m~1000mと風向はほぼ同一方向(北北西~北西)となっていること
の特徴が見られますし、
Ⅲ:引用図②より、3日15時現在、北海道東部には、低気圧に伴う、おおむね北西~南東方向へ筋状に雲の集団と、これら雲の集団のすぐ西側には暗域が広がっていて、画像の暗明のコントラストが大きい状態ですね。
以上、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの現象のもとでは、地形的鞍部を吹き降りる気流が卓越する典型的なものですね。
地上天気図のみならず、上空の風向風速の動向や雲画像の画像パターンなどにも、こういう、出し風 や おろし風 と呼ばれる局地的強風発生時には、如実に特徴が現れるものです。