カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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今度は大阪で猛烈な雨 1時間に77・5㎜

2011-08-27 23:49:47 | インポート

①8月27日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②8月27日15時の日本付近雲画像図(水蒸画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③8月27日15時の近畿地方周辺レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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④8月27日16時の近畿地方周辺レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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昨日は、東京都内で雷を伴って猛烈な雨が降り、浸水家屋の発生や交通機関の乱れ等ありまたが、本日8月27日は、午前中、紀伊山地に発生・発達した降水域が北西方向へ移動し、夕方、大阪市周辺にて非常に発達して、大阪府内や兵庫県南東部(神戸市や尼崎市など)で雷を伴った猛烈な雨が降りました。

大阪では、27日16時08分までの1時間に77・5㎜と、観測史上タイ記録、昭和54年9月30日(台風16号)以来32年ぶりとなる猛烈な雨となりましたし、神戸でも、27日17日31分までの1時間に39㎜の降水量を観測しました。

大阪市内では、家屋の浸水や交通機関の乱れ、大阪伊丹空港では、航空機の遅延などの影響が出てしまいました。

引用図①より、大阪府周辺には前線は掛かっていませんが、引用図②より、本州中部~西日本にかけて、帯状に白くなっており、この方面には、前線の名残とも言える、中層の上昇流域が広がっています。

さらに、引用図①②を見比べると、本州のはるか南海上にある台風12号の縁を廻るようにして、紀伊半島周辺に流れ込む暖湿流(ぼやけてはいるものの、帯状の白輝域が見られますね。)が見られ、紀伊半島には、ひときわ白き輝く粒上になった画像が現れており、これは、前記した紀伊半島へ流れ込んできた暖湿流が紀伊半島周辺の地形的特性等の要因で発生・発達した発達した積乱雲を示すものです。

当該、発達した積乱雲の影響で、引用図③より、27日15時現在、紀伊山地から大阪府にかけて、南南東~北北西方向へ延びる発達した降水域が見られ、引用図④より、当該降水域は、27日16日は、大阪府周辺で一層発達し、大阪市周辺では、1時間雨量が50㎜相当となる、猛烈な降水が観測されております。

このように、大阪府周辺で降水域が発達した理由ですが、引用図にはありませんが、27日15時現在、大阪府沿岸部から内陸部にかけて、紀淡海峡から大阪湾からの南西風が卓越しており、紀伊山地から大阪府周辺へと掛かる発達した積乱雲が、前記した、紀淡海峡から大阪湾からの南西風(海上からですから相対的に湿っています)を受けて、大阪市周辺で、より一層発達したため、今回の豪雨に結びついたもの と私は考えています。

今回の事例に限らず、大阪府などの近畿地方中部南部では、内陸部(紀伊山地や京都府中部など)に雷雲が発生している場合、下層で、大阪湾や紀淡海峡や紀伊水道方面から大阪府や和歌山県、兵庫県南部の沿岸部へ吹く気流が卓越している場合、当該雷雲は発達するとくせいがあります。この点、注意するべき点ですね。