カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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24日の寒気伴なった上空谷について雑感 正渦の動向には注意!

2009-05-25 23:55:10 | インポート

①5月24日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②5月24日9時の気象庁発表AXFE578図(24日9時の上空1500メートル付近の風向風速と気温分布図と上空5500メートル付近の渦度分布図と気温と上空3000m付近の気流の鉛直分布の予想図) 日本気象予報士会HPより引用

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③5月24日21時の気象庁発表AXFE578図(24日9時の上空1500メートル付近の風向風速と気温分布図と上空5500メートル付近の渦度分布図と気温と上空3000m付近の気流の鉛直分布の予想図) 日本気象予報士会HPより引用

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④5月24日9時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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⑤5月24日21時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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5月24日は、本州上空を、寒気を伴なった気圧の谷が通過しました。

このため、本州各地で大気が不安定となり、あちこちで雷を伴った強い雨が降りましたね。東京都心でも24日夜に、1時間40ミリもの降水量を観測しています。

兵庫県芦屋市内では、落雷のために亡くなった方もいたとか。今回のような上空に寒気を伴なった気圧の谷が通過時に、地表に低気圧が解析されれば、それが、寒冷低気圧と呼ばれるんでしょうけど、当該、上空に寒気を伴なった気圧の谷通過時に、降水域は、やはり、上空5500m付近の正渦度移流域に伴って発達しやすいと言えます。

引用図②③④⑤をおのおの比較してみましょう。24日9時、21時とも、上空5500m付近の正渦度移流域に伴い(引用図②③の上側図斜線部分に注目)、降水域が発達しているのが判りますよね。

降水域発達は、一・地表と上空(5500m付近)との気温差が大きくなること と、二・下層が高温多湿になる(高温位となる)を前提として

①上空5500m付近の正渦度移流域(イコール上空3000m付近の上昇流域)+②地表付近の気流が収束している箇所

以上を満たす箇所が必要充分条件となりますね。