カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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強い寒気は西日本からじわりと 日本海中部では高波、突風にもご用心!

2008-11-17 23:58:25 | インポート

①11月17日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②11月17日21時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③11月18日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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④11月19日9時の天気図 気象庁HPより引用

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大陸から本州付近に向かって真冬並の強い寒気が流れこみつつあります。

引用図②より、本州の南海上と、もうひとつ、黄海から日本海西部を通り北海道の西へと帯状の雲がありますが、これは上空の強い風(ジェット気流、正確に言えばジェット気流のすぐ南側で発生した雲)に伴う雲です。このうち、黄海から日本海西部と、北海道の西の上空には上空5500m付近の気圧の谷が隠されていますが、当該上空の強い風の部分や上空5500m付近での気圧の谷は、各種実況図(引用図にはありませんが)より、東から北東へと進んでいます。そして、この、黄海から日本海西部につならる雲の帯の北側の、ロシア ウラジオ沖から日本海中部や黄海北部には、寒気の吹出しに伴う筋状の雲が見られますね。

これらのことより、今回の強い寒気は、西日本からじわりと流れ込んできる見込みで、その露払いとなるのが、前記した黄海から日本海西部を通り北海道の西へと帯状の雲と言えますね。

また、引用図②でロシア ウラジオ沖から日本海中部にかけて、渦状に見える雲が帯状に幾重にも連なっているのがわかりますが、これは上空に強い寒気が流れ込んできたところへ、引用図①より、ロシア ウラジオ沖から日本海中部にかけて北より風と北西~西より風とがぶつかり合い、気流の不連続部分(シアーライン)を形成しているもので、こういう気流の不連続部分では、特に雲が発達しやすく、一時的に強い雨(雪)や雷、突風や竜巻も発生し、海上では波が高まりやすい箇所でもあります、上空に強い寒気が入り上空と海水温との差が大きくなると、海上の波は一層高まるようになります。過去にも船舶の海難事故が多発しており、要注意箇所と言えますね。

引用図③④より、明日11月18日から明後日11月19日にかけても、前記した、ロシア ウラジオ沖から日本海中部にかけて、件のシアーラインが形成させる予想となっていますね。

11月17日以降、強い寒気は西日本から。日本海中部では高波にご用心しましょう!